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少子化対策はカップリング対策でなければいけない

少子化対策とくれば母子のことをまず連想してしまうという、行政の貧困な発想の影響が広く社会に及んでいるという判断から、衝撃的なタイトルをつけさせていただいた。

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(街コンジャパン)

各種マスコミも、その思い込みからいろいろ記事を発信しているが、ビント外れなものが多い。

今日の『日経』(2019.12.20日付)に「少子化対策 切れ目ない支援で」という文章が掲載されている。

投稿文であるが、字数が1000字くらいの比較的長い文章である。

『日経』の編集部も、書かれている趣旨に首肯できるということで掲載したのだろう。

現在の「標準的」な少子化対策がそこに書かれてあり、文章もよくまとまっているので、これを俎上に載せて論じてみたい。

ある大学の看護学部長の職にある方の文章であるが、簡単にまとめると

母子の悩みや課題を取り除く環境づくり
②母子保健法が改正され、支援センターの設置が自治体の努力義務となった
③支援センターの取り組みの中から、「優しさが循環する地域づくり」につながる

といった内容のものである。

ただ「少子化対策」のためには、母子の悩みや課題対策ではなく、まず「未婚率」を下げる対策を考えなければならない。

無題

ちなみに、1980年代以降未婚率が上昇し始めて、2015年には35.0%と30代の男性の3人に1人が独身である。

30代女性の未婚率も上昇したが、2015年統計では23.9%である。

男女のパーセントの数字が大きく乖離している。

この理由を分析する必要があるが、これは1980年代以降、出会い、結婚までの場面が「自由競争市場」になっているからである。

要するに出会いから結婚までを、自分たちの力で成し遂げなければいけなくなったのである。

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日本の歴史を紐解けば分かるが、日本人は男女の結婚の問題を「家」の問題として捉えてきた

嫁という漢字が一番よく分かるが、女性は男性と結婚するのではなく、その家に嫁ぐというのが古来からの日本人の結婚観である。

だから、許嫁(いいなずけ)が、当たり前のようにあった。

江戸の封建時代までは身分制社会であるが、それぞれの身分や職業、階層、あるいは地域のつながりの中で、男女のカップリングが成立していた。

貴族は貴族、武士は武士、農民は農民どうし、それが当たり前の感覚としてあり、その中で格式というのを考慮して、当人ではなく周りがお互いの相手を探すということで結婚のおぜん立てがなされていた。

明治の四民平等の時代になっても、「家」制度は残っていく。

それは例えば墓を見れば分かる。「〇〇家の墓」となっている。

個人の名前は、墓誌のところに刻む形である。

あくまでも「家」優先の考えが、そこにはある。

身分制度はなくなったが、地域の結びつきが残ったので、それがネットワークとなり、男女のカップリングの役目を果たした。

もともと日本は、地位や身分によって住む地域もある程度定められていたので、住んでいる所から格式を判断して、つり合いがとれた相手を探すということが行われていた。

祝言(しゅうげん)を挙げる日になって、初めて相手の顔を見たというエピソードは、明治や大正の時代では珍しいことではなかった。

戦後になっても、地域の機能が残っていたので、そこがネットワークとなって男女の出会いが演出されていた。

ただ、時代の流れの中で、自由恋愛によって結婚するカップルも登場するようになった。

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ところが、行政の手によって地域の人的ネットワークが破壊されるという事態が起こることになる

それは1つは、学校統廃合であり、もう1つは市町村合併である。

1965年に「市町村の合併の特例に関する法律」が制定され、それが幾たびかの改正をされて現在に受け継がれている。

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(北広島市)

簡単に言えば、行政効率の観点から市町村合併を推し進めてきたが、その結果地域の中の人的つながりが途絶えてしまったケースも出てきた。

後は学校統廃合である。これについては、当ブログで前に述べたので(LINK)省略するが、特に小学校は地域との繋がりが大きいし、卒業生にとってみれば幼き頃の想い出が詰まった場所である。

その周りの地域とともに、様々な愛着があり、その気持ちが郷土愛を育んでいくのだが、行政の都合によってそういったものが壊されていったと思っている。

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(wikipedia)

ただ、なくなったものを嘆いても仕方がないので、それに代わる人的ネットワーク作りをする必要がある

戦後すぐの時期にベビーブームがあったが、あれは自然発生的に起きたのではなく、当時危機感をもった人たちが地域や職場で合コンやハイキング、ダンスといったレクリエーションを企画する中でカップリングを人為的に行った成果でもある。

私の職場で「ひよこ会」なるものを発足させ若い方に入会してもらって飲み会やレクリエーションを企画したりしている。
そこでの出会いから結婚という人たちもでている。
出会いの場を提供する商法も出てきたようだが、行政もそういったことを真剣に考える時代ではないかと思っている。

今日も読んで頂きありがとうございました。

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