「今日が今年最後の発信になってしまいました。今年1年、何か早かったような気がします」
「今年の1月1日に能登地震がありましたが、つい最近のように感じます」
「復興があまり進んでいないようですね」
「半島という地形、山間部が多いということもあり、様々な制約があると思います」
「とにかく1日も早い復興をお祈りしています。ということで、今日はどういう話題でいきましょうか」
「1年の締めくくりですので、アメリカと中国について語りたいと思います。この2つの大国の影響を来年も受けるでしょうからね」
「ところで、トランプ氏の大統領就任はいつですか?」
「来年の1月20日に就任する予定ですが、彼はもうすでに動き始めていますよね」
「バイタリティー溢れた方ですよね。まさにアメリカという感じの大統領だと思います」
「一方の習近平主席の方は、どういう風に見えていますか?」
「最近はあまりテレビで見ていない気がします。あの方は殆ど表情を変えないので、よく分からない人という感じがします」
「異例の3期目に入り、国内から不協和音が聞こえ始めているような状況だと思います」
「ここからが、本論です ↓ 表紙写真は「言論NPO」提供です」
米中の対立は激しくなるだろう
トランプ氏は常々「関税は美しい言葉」と言っていますので、就任早々中国に対して高関税を打ち出すと思われます。対中60%追加関税というのは、彼が大統領選で掲げた公約でもあるのです。下手をすると、中国とアメリカとの間で関税戦争になる可能性があります。
関税戦争は、まともにやり合えば経済力の弱い方が負けますので、瞬間的に対応せずに、中国はメキシコやカナダを迂回してアメリカに輸出することや、輸出先を変えることを考えるでしょう。日本は後者の候補国の一つになっていると思われます。11月に日本の一般旅券保持者に対して、ビザ免除措置を適用すると発表したり、2025年前半にも日本産水産物の輸入を再開する動きが見られたりということで、この間日本に対して「友好的」な動きが見られますが、これはトランプ対策の一環であり、中国としては布石を打っているだけなのです。少なくとも、日中友好の気運を高めようとは思っていないということです。
だから日本はこういう機会を逃さず、懸案事項を中国にぶつけることが大事です。今なら、尖閣周辺のブイを撤去しても何も言って来ないと思いますし、長年身体拘束されている日本人の身柄開放に向けて動くべきだと思います。為政者には、時の流れを読んだ行動が求められます。
(「You Tube」)
不動産バブル崩壊が今後の足かせに
2020年当時、2028年には中国とアメリカはGDPの数値で並び、2030年にはアメリカを追い越すであろうと言われました。しかしその後、不動産バブルが弾け、不動産開発で潤っていた地方政府や企業は窮地に陥ってしまいました。社会主義国中国では住宅は国有企業が支給するものでしたが、1980年代の「改革開放」で個人でも住宅を購入できるようになったのです。そして、90年代の後半以降は、住宅を商品として売買できるようになり、雨後のタケノコのように不動産会社が設立され、業績を伸ばしていったのです。
一度火が付くと燃え広がります。中国には固定資産税がありませんし、家を何件買っても良いし、売っても構わないので、住宅需要が旺盛な時は、多くの住宅を買って転売して利益を得るということが行われるようになりました。そのうち地方政府が不動産会社を設立してマンションを建設して売るということも行われるようになったのです。
空前の住宅ブームとなったのですが、永遠の宴がないように、売れ残りと建築途中の在庫を大量に抱えてバブルが崩壊しました。「現在ある空き家は全人口の14億人をもってしても埋まらない」(中国国家統計局)ほどの在庫があり、その多くが不良債権になる恐れがあります。
(「日本経済新聞」)
今後は「離中」が進む
中国の経済状態を見る指標としては、対ドル為替レート、30年物国債利回り、さらに香港市場のハンセン指数の3つを見れば、大体のことが分かります。対ドル為替レートは、1ドル=7.3人民元が一つの目安です。中国は自国の通貨が暴落しないように、外貨準備高に合わせて人民元を発行しています。言ってみれば、ドル本位の国です。今までは貿易など経常収支黒字の他に、外国からの直接投資、証券など金融関連投融資など豊富な資金が国内に循環・滞留していましたので、人民銀行は安定した為替レートを維持することが出来ていました。
前回のブログに書きましたが、経済は「水物」なので、一度歯車が逆回転し始めると、止まらなくなる性質を持っています。豪雨災害のようなものです。30年物国債利回りが11月末に日中が逆転するということが起きました。日本は長期間低金利政策をとってきましたが、3月に約17年ぶりに政策金利を引き上げました。追加利上げが出来るような経済状況ではないので、しばらくは低金利政策が続くと思われますが、その日本より中国の30年物国債利回りが低くなったのです。
香港の株式市場は西側の投資家とつながる懸け橋的な役割を担っています。香港の株式市場の動向が本土経済の状況を占う上で重要ですが、2019年の大規模デモ発生以降、右肩下がりの傾向になっています。資金が嫌うのは、強権と不自由です。昨年1年間で2500億ドルの資本逃避が中国でありました。来年もその基調は変わらないと思います。ということは、景気の見通しも良くないし、治安も悪化していますので、企業の「離中」は進むと思われます。
次回の発信は、年明け1/4(土)です。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
(「TVer」)
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