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消えた「革新」と生き残る「保守」―― 革新の言葉が消えた理由 / 日本的文化心理に見る「保守」の生命力

「保守という言葉が乱立しています」

女性

「岩盤保守といった、熟語が使われ始めたのも最近ですよね」

「その他に、穏健保守、保守再生、保守喪失なんていうのもあります」

女性

「それぞれ意味はあるのでしょうが、こういった言葉が乱立している原因は何ですか?」

「そもそも、保守の意味をあいまいにしたまま使っているので、こういう熟語が生まれたと思っています」

女性

「成る程、その他に、保守色、保守票という言葉も、よく使いますよね」

「今回、自民党が高市新総裁に決まりました。彼女は安倍派の流れを汲む保守政治家だと見られていますので、今後はそのような言葉が多く使われるようになるでしょうね」

女性

「そうすると、保守そのものの考えを嫌う勢力からの反発もあるでしょうね」

「早速、公明党が反応を見せました」

女性

「彼女の人気にあやかって普通に連立を組めば良いと思うのですが、何かイヤがっていますね。あれは何ですか?」

「彼らからすると、組めない保守と組むことが出来る保守があるのです。高市さんは前者ということです」

女性

「それが私なんかには、よく分からないところです」

「公明党は中国との橋渡しというのが役割と思っているところがあるので、高市氏ではその役割は果たせないだろうと考えていると思います」

女性

「ここからが本論です ↓」

 革新の言葉が消えた理由

「言葉の流行は社会の鏡である」という言葉があるように、一つの言葉が社会から消えることがあります。ただ、消えるには、消えるなりの理由がそこにはあるのです。

かつて「保守」とくれば、必ず対になるように「革新」という言葉が使われていました。戦後政治において、「革新」は社会党や共産党を中心とする左派勢力の代名詞でした。自治体選挙でも「革新知事」「革新市政」といった言葉が日常的に使われ、保守との二極構造が政治の枠組みを形づくっていたのです。

しかし、この「革新」という言葉は、もはや新聞やテレビでほとんど見かけることがなくなりました。代わって使われるようになったのは「リベラル」や「改革」「進歩」などの語であり、「革新」は時代遅れの響きをもつ言葉になってしまったのです。その背景には、単なる流行語の交代ではなく、イデオロギーそのものの変質があります。「革新」は「革命」や「体制転覆」を想起させる強い言葉であり、冷戦期の対立構造が終焉した今、社会に居場所を失っていったのです。

(「あらたにす」)

 政治構造の変化と国際情勢の影響

1990年のソ連崩壊は、世界の政治地図を一変させました。社会主義体制の崩壊は、理想としての「革新」の価値を根底から揺さぶった出来事でした。

日本でもその余波は大きく、社会党は社民党へと衣替えし、共産党も議席を減らし続け、いずれも政治的影響力を失いました。長年、革新勢力として日本政治を支えてきた両党が衰退したことで、「革新」という言葉そのものが現実社会から放逐されたのです。

一方で、保守を掲げる自民党は分裂や再編を経てもなお「現実主義」と「安定」を旗印に生き残りました。冷戦の終結は「体制対立」から「管理と調整の政治」への転換をもたらし、政治的理念よりも経済運営や行政改革が主題となりました。こうした流れの中で、「革新」という言葉は理念の時代を象徴する記号として過去のものとなり、「保守」だけが変化を吸収しながら時代に適応していったのです。

(「TBS NEWS DIG-TBSテレビ」)

 日本的文化心理に見る「保守」の生命力

それでも「保守」という言葉は、今なお多様な形で使われ続けています「岩盤保守」「穏健保守」「保守再生」などの言葉が生まれた背景には、日本人の文化的心性があるように思われます。日本社会には、急激な変化よりも漸進的な変化を好む傾向があります。伝統や秩序を尊び、調和を重んじる価値観が、人々の深層に根づいているのです。

「革新」が旧体制を壊すという響きをもつのに対し、「保守」は変化の中にも連続性を求める柔らかな言葉です。茶道の「守破離」に見られるように、日本では「守ることの中に新しさを見出す」という思考が伝統的に存在します。つまり「保守」は静止ではなく、文化的自己更新を意味するのです。そう考えると、「革新」という言葉が消え、「保守」が生き残ったのは、政治用語の問題というよりも、この国の精神風土の表れであり、「変わりながら守る」という日本的知恵の反映なのではないでしょうか。

ただし、現代の「保守」は一枚岩ではありません。言葉としては生き残っていても、その拠って立つ政治基盤は揺らいでいます。その一番よく分かる例が「自民党」です。総裁選によって新総裁が決まったものの、内部で揺れています。この揺れは一体何なのか。次回は、その辺りについて語りたいと思います。

(「Joyz」)

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