
「ウクライナ出身の安青錦(あおにしき)が優勝しましたね」

「強くなったとは思っていましたが、横綱の豊昇龍を2回破っての優勝。ここまでは殆ど誰も想像していなかったと思います」

「解説の舞の海さんが言っていたのですが、今場所は安青錦がいなかったら、千秋楽の大の里休場で豊昇龍不戦勝で優勝というつまらない場所になったかもしれなかったと言っていました」

「彼が台風の目になったということですね。戦火の中、ウクライナから単身日本に来て結果を出して、立派なものですね」

「優勝インタビューを聞きましたが、日本語がものすごく上手ですね」

「元々、相撲を小さい頃から習っていたこともあり、日本語の勉強も同時にしていたと思いますよ。彼の人生の転機が15歳の時に開かれた世界ジュニア選手権です。そこで3位に入賞します。その時に、声をかけたのが現在、関西大学の相撲部コーチの山中氏です」

「そういう繋がりなのですね」

「後は、プロ試験に合格して、その後はスピード昇進します。来場所の大関は確実でしょう」

「青い目の大関誕生ですね。相撲も本当にインターナショナルになりましたね」

「そうですね。これからの日本社会の一つのひな型を相撲界は示してくれていると思っています」

「日本的なものを失わず、他の国の人とのコラボができる国ですね」

「言葉で言うのは簡単ですが、現実的には難しいことが多々あります。そのためには、守るべきものは何かを日本側で持っていないとダメでしょうね」

「相撲の場合は明確にありますけどね……。ここからが本論です ↓表紙は「YOLO JAPAN」提供です」
官庁の独断がつくり出す「なし崩し型移民社会」
11月24日の『産経』の「正論」に西岡力氏(麗澤大学特任教授)の「『永住外国人』の急増を止めよ」と題した評論文が掲載されました。その中で、1998年に法務省が国会での議論や与党内の議論もなしに永住資格取得の条件を20年から10年に緩和し、日本人配偶者は3年にしたことが書いてありました。そして、この緩和が法律改正ではなく、「法務省の行政判断でなされた」点が重大です。
要するに、日本は「移民政策はとらない」と言いつつ、現実には官庁内部の判断で移民社会化が進んでいることです。特に法務省は永住資格の要件緩和、在留資格の新設、技能実習制度の拡張などを、国会の深い議論や国民的合意を経ずに実施してきました。今年6月時点で在留外国人数は約395万人、永住者は93万人。1年間で19万人増という速度は、自然増では説明不能です。官庁の裁量行政による“政策なき移民社会化”が進んでいるのは間違いありません。
「受け入れ」については、行政が勝手に進めてしまう。日本は官僚主導国家ですので、このようなことが常態化しているのですが、結局最後は、地方自治体と学校、警察、地域社会が背負うことになるのです。まさに、「尻ぬぐい」を下部組織がすることになります。つまり、国家の意思決定と責任の所在が不在のまま、人口構造だけが変わっていくという極めて危険な現象です。本来、移民の受け入れは「国家の長期戦略」に位置付けるべきテーマです。しかし日本では、官僚が制度を動かし、社会は後から既成事実を押し付けられる形になっています。

(「東京新聞」)
治安維持と国家統合の危機――永住資格問題の本質
永住資格の問題は「権利」ではなく、「国家統合の軸」の問題です。つまり、永住したいのだから、その希望を叶えるために期間を短くするという発想で対処するのではなく、日本という国を理解しないまま、単に永住したいからということで住み着く人が増えれば、治安問題が発生するだろうということです。
つまり、永住者が政治活動・出版・学校設立等の自由を持つことに、国家がどう向き合うのかという点です。①政治活動の自由: 永住者は国政選挙の投票権は持ちませんが、政治活動は原則自由です。団体をつくり、市民運動に参加し、自治体政治に影響を与えられます。②出版・表現の自由: 言論が組織化され、国内の政治議論に影響力を持つ可能性があります。③民族学校の設立: 法律上、私立学校の設立は自由です。
民族教育が広範囲で行われれば、言語・文化・価値観が分断した集合体が並立します。そして、「日本人」の少子化が進行すれば、途中で逆転する可能性さえあります。①~③は自由社会として当然の権利ですが、国家としては “統合の軸が失われるリスク” を同時に抱えます。

(「さむらい行政書士法人」)
日本の最大の弱点――「統合の原理」が存在しないこと
日本には「国家が目指す統合の姿」が埋もれてしまっています。聖徳太子の立てた「和の国」で良いと思います(ワノ国ではありません)。自然との調和、人との和、他国との和を目指すのです。明治以降、「文明開化」「富国強兵」「八紘一宇」といった国家目標がその時々に掲げられ、それに国民が振り回されてきたのが実際のところです。最近では、「新しい資本主義」、「楽しい日本」です
移民政策が今のところ上手くいっているのがスペインです。この国は、中南米から積極的に移民を受け入れ、1人当たりの国内総生産は今や日本を上回っています。人口も増え、GDPの2025年の伸び率は3%でした。なぜ、中南米からなのかということですが、スペイン語・カトリック文化を受容しやすい人達だからです。スペインは、国のまとまりということを考えて、中南米から限定の移民受け入れを表明しているのです。
日本が考えなければいけないのは、「国家統合原理」、つまりアイデンティティの確立です。教育インフラ(日本語教育、少人数学級、多職種チーム)はもちろん必要ですが、それだけでは不十分です。①日本語を国家統合の基礎とする(徹底した日本語教育):小学校から英語を学ばせるようになりましたが、あまり意味のない措置です。AI翻訳が一般化する時代です。中途半端な外国語よりも、母国語を充分に使いこなすようにした方が良いと思います。②治安悪化を避けるために必要なのは、警察権の強化ではなく、コミュニティの統合機能です。自治体が移民統合センターを設置できるよう、環境整備を進めます。

(「日本経済新聞」)
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