(この文章は3/19日に書きました)
初動体制において過ちあり
危機管理の初動体制で最も大切なことは、正確な情報をいかに素早く周りに伝達し、その危険性をお互い共有することです。それがなければ、危機の実態を把握するのが遅れて、適切な対処をとることができなくなるからです。
その基本的なことができていないと、結果的に危機を拡大させてしまうことになってしまいます。中国共産党政府の対応の初動体制においての対応の過ちが重大な事態を招いてしまいました。
共産党政府が行うべきことは、反省の気持ちを国内外に伝え、事態の収束に向けて全力をあげて取り組むということだと思います。今回のウイルスについては、武漢の発生源の近くに生物研究所があったため生物兵器ではないかという噂が流れましたが、弱毒性であり制御性(コントロール)が困難なので、それは違うであろうというのが専門家の見解です。
自然に発生したウイルスであれば、ある意味仕方がない部分があると思いますが、WHOの調査団が武漢市を訪問したものの、すべて当局がお膳立てした内容に乗って行動させられていますし、米国による専門家の調査団派遣要請も拒絶しています。そのように何事も隠そうとするので、疑いの目を向けられるのだと思います。
危機の対処の仕方で、政権の本質が露呈する
危機の対処の仕方で、その体制の本質が分かります。
人が危機に遭遇した際に、その対処の仕方に人間性を見ることができます。独裁体制はメンツ重視というのが分かりました。選挙という洗礼を受けていないことが、結構気にしているように見受けられました。失敗すれば、国民から権力の正統性を問われます。その正統性を守ることが、第一にやるべきことと考えたのでしょう。
情報を隠蔽し事実を歪曲して、何とか独裁体制の面子を保ち、権力の正統性を守ることに躍起になるという滑稽な姿を晒すことになってしまいました。
そして、あろうことか、アメリカ軍がウイルスをばらまいたという内容のツィッターを中国の高官が発信するといったことをして、しきりに責任を外部転嫁しようとしています。
そして、そのような体質は毛沢東が建国して以来、何も変わっていないどころか、ますます強まっていることを、今回の事例で確認をすることができました。
共産党支配に嫌気を感じている優秀な人材を取り込む
遣隋使や遣唐使の時代、日本は中国から多くのことを学び、多くの文物を移入し、交流してきました。これは私見ですが、漢民族は、世界の中でもかなり優秀な部類の民族だと思います。マスコミは中国という言い方をしますが、中国に住む人たちとそれを統治している共産党政府を峻別して表記し、考える必要があります。国民の中には共産党独裁政権下の中国に嫌気を感じ、なおかつ日本でその能力を発揮したいと考えている人が潜在的にいるのではないかと思います。
そのことを念頭に置いて、今の日本の状況を考えてみます。データサイエンティスト協会の理事でもあり、慶応大学の環境情報学部教授の安宅和人氏は「確かに今の日本はイケていない。技術革新や産業革新の新しい波は引き起こせず、乗ることすらできなかった。企業価値レベルでは中韓にも大敗。大学も負け、人も作れず、データ×AIの視点での三大基本要素のいずれも勝負になっていない。近代になって以来、先の大戦の終戦前から敗戦直後を除けば、もっとも残念な20年だったと言ってもよい」(『シン・二ホン』ニューズピックス/113ページ)と述べられています。
その状況からの立て直しの方途については、安宅氏が本書の中で述べられていますので、それを参照していただきたいのですが、総じて時間がかかります。そして、日本の閉塞的な教育制度と大学入試制度を考えると、求める人材が日本の中で本当に育つのかと思わざるを得ません。荒療治かもしれませんが、共産党独裁政権から逃避したいと思っている優秀な中国の人たちを、日本に意識的に招き入れることを考えたらいかがでしょうか。お互いの刺激のために。
読んで頂きありがとうございました