デューブス(Dupes)とは何か
「狂気」の連合赤軍事件
Youtubeで「連合赤軍兵士41年目の証言」というのがあり、どういうものなのか見てみました。連合赤軍事件というのは、あさま山荘事件やよど号ハイジャック事件を含む一連の事件です。
https://www.youtube.com/watch?v=fBusjiyrX78
「ベース」と名付けられた人里離れた山のアジトに潜伏して、総括という名のもとに撲殺、絞殺、凍死などの方法で12人の仲間を殺したという事件です。そのユーチューブに登場する元赤軍兵士という方は、刑を全うして出所して、現在スナックを経営されています。
彼は、世界同時革命ということを本気で考えたと言っていました。その革命のために、恋人や仲間を総括と言う名の殺人によって葬ったのです。その際の理屈は、武装闘争が継続できない、革命の足を引っ張るような者は仲間ではないということなのです。仲間ではないということは、敵方に回り、我々の革命を妨害するかもしれない。そう考えると危険な分子、だから、殺してしまおうというのが、およその理屈です。
ただ、革命という、曖昧模糊(あいまいもこ)としたものを理由にして、どうして人を殺せるのか、ユーチューブを見ても、よく分かりませんでした。本人には家族もあり、小学生の息子さんもいるのです。いつかは、息子さんに話すと言っていました。どのように、話すのでしょうか。興味があります。
とにかく、この事件は共産主義の本質がよく分かる事件だと思います。そういう意味では、分かりやすい事件なのかもしれません。簡単に言えば、その山小屋を舞台にして、権力闘争があったということだと思います。共産主義には、粛清が付いてまわります。なぜなのか、それは共産主義という架空の目的のための生き残りゲームが、この運動の本質だからです。しかも、最終勝利者は1人しかいません。厳しい戦いなので、嘘、恫喝、殺人、時には笑顔と握手などありとあらゆる手段を使います。
連合赤軍事件は、起こるべくして起きた事件
連合赤軍事件は、特異な事件ではなく、起こるべくして起きた事件です。共産主義を掲げる団体ならば、起こっても不思議ではない事件です。実際に、中国や北朝鮮では人命に対して特別な価値をもっていませんので、政敵も含めて自分の行く手を阻む者に対しては、粛清によって臨みます。北朝鮮の金正恩は叔父や義兄を粛清しています。そのような粛清は、日常茶飯事的に起きています。
共産主義という架空の目標を設定し、それに向かって権力闘争を繰り広げていくことになります。勝利者はわずか1人です。いかに理屈をつけて自分の味方を増やし、自分の敵を蹴落とすか。そこが腕の見せ所です。
唯物論者なので、神を畏れることはありません。怖いのは、自分を追い落とそうとする人間だけです。人間なので、どう転ぶか分かりません。見極めが重要です。味方ならば、生かして使うことができるからです。敵はこの世から抹殺する対象です。人間を考える単なるモノと考えるので、殺すことにおいて特別な感情はありません。
共産主義者は、世界を舞台にした権力闘争を考えている
共産主義者は国内で天下を取っただけでは満足しません。世界一を目指します。世界には多くの国がありますので、壮大な権力奪取のゲームと考えれば、やり甲斐があります。まず、国内の敵を抑えて固めます。次に自分の国に味方になってくれそうな国を探します。あいまいな態度の所には、「刺客」にカネを渡して送り込みます。
中国の共産主義者は「一帯一路」という世界征服計画を公然と掲げ、それを他国との外交の議題にしています。自分の後ろにいる多くの民と企業を人質と考えているので、強気になれるのです。彼らが狙っているのは、目の前にある日本と台湾です。その後ろにアメリカがいるので、少し厄介だなと思っていますが、頑張って切り崩そうと考えています。
攻め方は3通りです。1つは、軍事的圧力と土地の購入です。尖閣辺りで毎日のように行使しています。相手がかっとなって暴発するのを狙っています。隙があれば、実効支配をしてしまおうと考えているでしょう。そして、北海道や島などの土地を買いあさっています。これに対抗するための法整備をする必要があるのですが、なぜか腰が重い感じがします。2つ目は、イデオロギー攻撃です。それをしつつ、国内の賛同者を使っての日本国民の世論づくりを仕掛けます。3つ目は、笑顔と握手外交です。自民党の中にも、財界にも中国に脇が甘い人間が多くいます。懐柔された人もいるでしょう。学者、文化人の中には、多くのデューブスがいます。硬軟合わせた仕掛けを波状的に仕掛けます。
日中平和友好協会会長の丹羽宇一郎氏は「『平和』の価値観共有したい」という一文を「毎日」に寄稿しています――「…我々が絶対に忘れてはいけないのは、中国は14億人が暮らす巨大な市場であり、日本にはそこで稼ぐ以外に生きる道はないということだ。人口が減り続ける日本は、内需だけでは食べていくことはできない。たとえ、中国が嫌いでも構わない。稼ぐために仲良くする。そのぐらいの度量がなければ、この日本に未来はない」(2020.4.15日付)。人口減の日本、経済的なことを考えれば中国と仲良くするしか道はない、日本と中国は運命共同体と言いたいような勢いです。ただ、中国は共産主義者に乗っ取られています。その国と平和の価値観をどうやって共有できるというのでしょうか。平和友好のために、尖閣の挑発はやめろと言えないのでしょうか。アメリカに目を向けさせないようにする、デューブスの典型的な主張です。
米中の対立は、今後ますます精鋭化するでしょう。コロナ騒ぎもあり、世界を見る中国の目は、ますます厳しいものになるでしょう。中国の共産主義者の初期対応のまずさは誰の目から見ても明らかです。日本は、そのお陰でオリンピックがぶっ飛びました。そこまでされて、なおかつ習近平を国賓として呼び、中国にすり寄るようなことがあれば、世界から殆ど気が狂っている国と思われると思います。世界には多くの国があります。付き合う相手をよく選ぶ必要があります。今回のコロナ騒ぎで、観光やサプライチェーン(部品供給)などの面で知らないうちに中国に大きく依存していた日本の「体質」を反省する必要があるでしょう。
今度こそ、はっきりとした態度が求められていると思います。呑み込まれないためにも。
読んでいただきありがとうございました