「福岡県ですが、唯一の公立女子校が福岡市にあり、そこも2027年度をメドに共学化されるというニュースが飛び込んできました」
「福岡に限らず、全国の公立の男女別学の高校が急速に減ってきています」
「このような共学化の背景には何があるのですか?」
「少子化による学校経営の効率化ということもありますし、流行りのジェンダー平等論に基づく運動の影響もあると思っています」
「男も女も同じ人間なので、共に学ぶのは当たり前という論法ですね」
「人間としては同じですが、男と女は身体の構造も脳の構造も違います」
「脳の構造も違うのですか?」
「同じだと考えられていたのですが、近年の研究でかなり違うということが色々分かってきた段階です」
「身体の構造が違うので、それをコントロールする脳の構造が違って当然と思いますが、その違いをどう考えるかだと思います」
「そうですね。ただ、もう一つ、考える必要があります」
「女子生徒の気持ちですよね」
「男の子は共学賛成だと思います。だから、男子校から共学はスムーズに行くケースが多いのですが、逆はいろいろ大変だと聞きます」
「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「Yahoo!ニュース-Yahoo! JAPAN」」
全国的に共学化が進んでいる
データから紹介します。2003年の時点で、公立の男子校28校、同じく女子校95校が全国にありました。それが20年後の昨年はそれぞれ15校、30校にまで減ってしまいました。私学も公立ほどではありませんが、共学化に踏み切るところが出ています。中には創立137周年の女子の伝統校の親和中学校(兵庫県)が2025年から共学化に踏み切るそうです。
私学の場合は、経営という問題がありますので、それを考えての共学化は分かる気がするのですが、公立の場合は、様々な選択を残しておくのがあり方としては正しいと思います。
「男女が共に学ぶ方が自然である」、「高校生という多感な時期に、男女が共に学び、理解し、成長し合う場を日常的に設けることが教育環境として望ましい」。取って付けたような理屈を並べることが多いのですが、それまでの別学教育は不自然で、望ましくなかったのかという感想を持ってしまいます。
(「You Tube」)
男女平等や男女差別とは関係ない
共学、別学の問題は、女子差別だとか、男女平等とは関係がありません。女子校で男子とは質、量ともに全く違う教育課程で授業が行われている場合は、女子差別にあたります。そういう事例は、日本ではありません。
男女平等というのは、法的な平等という意味なので、区分けをすることを禁じている訳ではありません。トイレや公衆浴場は区分けをしています。スポーツ競技も区分けをします。能力や発達段階などに於て合理的な理由があれば、区分けは認められます。
「税金で賄われている公立学校が性差で入学できないのは教育の機会均等に反する」という苦情もあるそうです。これも教育の機会均等の意味を取り違えています。機会均等というのは、すべての人に教育が与えられているという意味です。ある特定の人に対して、入学を許可しないとなれば、教育の機会均等に反する事案になりますが、そうではありません。その地域に住んでいれば、男子校、女子校、共学校のいずれかに入学できる限り、機会均等に反しません。
(「G-cam」)
「盗撮」を心配をする時代
近代的な性差の研究は、1964年に始まったと言われています。まだわずか60年位の歴史しかありませんが、脳科学の研究が進めば進むほど、男女の脳の構造そのものの違いが明らかになりつつあります。そもそも女性の脳は男性の脳よりも小さいため、それをカバーするように血流が速くなっています。言語や細かい手先を動かす脳の部位は、女の子は男の子より6年ほど早く成熟することも分かってきました。これは、子育て関係の機能だからだと思われます。
字の読み書き、作文、工作、織物、手芸といった能力については、女子は幼少期のうちから訓練すると伸びるということです。男子はレディネスが出来ていませんので、例えば習字を低学年のうちは同じように教えても、女子の方が総じて上手いと思います。
男子は空間認識や空間記憶が女子よりも総じて優れており、女子よりも4年早く成熟するそうです。これは多分先祖が野山を駆けまわって獲物を捕らえたことがDNAのレベルに落とし込まれているのだと思います。何か建築物を組み立てる能力はどうしても男子の方が優っているのです。フランスの研究者が2歳児にブロックで橋を作らせる実験をしたところ、男子は女子の3倍多く作ることができたそうです。このように実際に男女では、得意不得意の分野が違います。得意分野をお互いに伸ばすことを考えるならば、幼少期から別学で学ばせるのが理想的です。ジェンダーという概念自体が非科学的です。男はXY染色体、女はXX染色体というように、染色体の種類からして違います。「男女7歳で席を同じうせず」―—先人の教えは正しかったということです。
そして、最近は男子生徒の盗撮を心配しなくてはならなくなりました。安心して学校生活を送りたいという当然の要求に応える必要があります。アンケートを取る場合は、学校ごとに取るべきだと思います。多様化という観点からも、別学と共学の併存体制を維持すれば良いのではないかと思います。公立だからこそ、無理に共学化を進める必要はないと思われます。
(「FNNプライムオンライン」)
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