「ロシアと北朝鮮との首脳会談は4年半ぶりだそうですね」
「まさか宇宙基地で行うとは思いませんでした」
「当然、東方経済フォーラムの会場周辺で行うものだと思いますよね」
「宇宙基地は重要機密が多くありますので、余程信頼関係がなければ見せないでしょうね」
「見学をさせた上で、首脳会談、そして食事会ということで、相当いい条件話だったのでしょうね」
「とにかくロシアは武器、弾薬、兵員が欲しくて仕方がないと思います。何しろ1日あたり3万発の砲弾を使っているそうです」
「凄い量なんですね。それじゃあ、足りなくなりますよね」
「日本海にミサイルを昨日も撃っていますので、有り余っていると思っているんじゃあないでしょうか」
「中国からはもらえないのですか?」
「中国はアメリカから釘を刺されていますので、1歩引いたところから見ている感じです」
「首脳会談も静観ですか?」
「北朝鮮は自分の手下だと思っているので、複雑な思いでの静観だと思います」
「子分を取られてしまったという感じでしょうか?」
「蜜月ぶりが思った以上なので、どうしたものかと思っているでしょうね」
「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「ブルームバーグ」提供です」
「新冷戦」という呼び名は変
金正恩総書記は「新冷戦」という言葉を口にしていますが、意味的には合っていません。「冷戦」というのは、戦後しばらくの間、アメリカとソ連が核兵器を持って睨み合いを続けた史実があり、それを指します。お互い対立したのですが、結果的には戦争に発展することがなかったのです。そんなことから、戦争抑止に有効ではないかと言われています。
ところが、今はすでにウクライナで「熱戦」が展開しています。そもそも、そのための武器、弾薬が欲しいので、首脳会談をしたのでしょう。「冷戦」でないことは確かです。
(「日本経済新聞」)
銃殺刑によって核ミサイル路線が確定
「冷戦」どころか、核ミサイル路線を就任以来、着々と歩んで来たのです。2011年に父親の金正日の後を継いで指導者になりました。彼が指導者の地位に就いた時、政策的な対立があったと思われます。中国のように改革開放路線によって経済発展を目指すのか、それとも国を閉ざして強国路線で行くのか。前者の路線を推進しようとしたのが叔父の張成沢です。中国との太いパイプを生かした上での経済発展を考えます。ただ、それは見方によっては中国への限りない従属となります。
結局、張成沢は銃殺刑によって粛清されてしまいます。自ずと核ミサイル路線が確定してしまったのです。
(「日本経済新聞」)
核ミサイル路線により貧富の格差が拡大する
経済力がない国が、核ミサイル路線を採用すれば、かなりいびつな経済体制にならざるを得ません。どういうことか。最新鋭のミサイルや核開発には莫大な資金と最先端の人材が必要です。それを最優先で考えますので、庶民の生活は完全に後回しになります。
金正恩体制を支える富裕層は平壌周辺に住まわせ、庶民は農村に追いやるという2重国家によって統治することになります。庶民に対しては徹底した監視と密告制度によって取締ります。当然、脱北を考える人が出てきます。
「総合ニュース」によると2023年の上半期(1~6月)に韓国に入国した脱北者は99人とのこと。今までの総計は、女性2万4,448人、男性9.553人、合計3万3.981人とのことです。強権を振るえば、経済は停滞に向かい、人材は逃げていきます。それは国でも会社でも同じです。組織というものは、そういうものです。
(「日本経済新聞」)
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