安倍首相 施政方針演説 五輪成功に決意 憲法改正議論呼びかけ(NHK WEB)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200120/k10012252041000.html
2020年1月20日 16時29分
安倍総理大臣は衆参両院の本会議で施政方針演説を行い、ことしの東京オリンピック・パラリンピックを「世界中に感動を与える最高の大会」にすると成功への決意を表したうえで、国民とともに新しい時代を切り拓くと強調しました。また、憲法改正については「その案を示すのは国会議員の責任ではないか」と国会の場で議論を進めようと呼びかけました。
世界の流れを見ると、グローバリズムからポピュリズム(ナショナリズム)に移ろうとしています。きっかけは何といってもリーダー国のトランプの「アメリカンファースト」でしょう。イギリスのEUからの離脱もその流れの中で起きたことです。
それを念頭に置くと、外に目を向けるよりも、内に目を向けて、人材育成、国内の地場産業の育成、伝統文化の育成と発展、企業の地方誘致をする中で人口減を食い止めることを考えた方が良いという流れであることが分かります。近年の自然災害は国内に甚大な被害をもたらしました。あれは天からの「国内に目を向けろ」というかなり強いサインです。
「グローバリズムで英語」という時代ではなくなりつつあります。母国語の力を身に付ける時代です。AIの時代の幕開けです。人は母国語で考え、理解します。どのような分野の学問研究をするにしても、母国語の力は欠かせません。英語はあくまでも単なるコミュニケーションツールです。英語の達人でも英語で考えることはしません。その辺りの判断を誤ると、世界の先頭集団から離れることになります。
そして、日本という「国のかたち」(司馬遼太郎)を考えると、今のうちに皇統を安定させる必要があります。日本は権威と権力を分離して、国をつくり、古代の昔より国を治めてきました。他の国は、権威と権力を合体させてしまったので、革命の標的となり、たびたび王朝が交代したり、国が滅んだりしました。
日本は切り離した上で権威の象徴として「天皇」という存在をつくり、さらに神とつなげた上で、権威者である天皇、時の権力者、そして全国民が同じ方向を向いて手を携えて国をつくり、国土を守ってきました。共産主義者の階級史観は、権力と国民を対立したものとして捉えますが、それは西洋社会にあてはまることであって、日本の社会には当てはまりません。社会契約説や立憲主義といった考え方は、西洋近代の革命史の中で生まれた概念です。そのような言葉で日本の歴史や社会を理解することはできません。
組織を運営する上で大事なのは、今の大きな流れと今までの流れを把握することです。今の大きな流れに逆行しても良いのですが、多大なエネルギーを使うことになります。今までの流れというのは、簡単に言えば先人たちが築いてきた伝統です。外交であっても国家という組織が主体となりますので、そういった考え方に基づいて行わないと失敗します。勝手な個人プレーは国益を損ねることになります。自信を持ち始めていますので、逆にそういう時が一番怖いのです。運転と同じです。初心者のうちは慎重ですが、少し慣れてきた頃に事故は起きがちです。同じ理屈です。
外交にあてはめて考えてみます。今の大きな流れは、日米安保同盟です。これに反対するのは共産党だけなので、この流れは大丈夫でしょう。
今までの流れというのは、古代から現代まで、大陸や半島とどう関わってきたかということです。この2000年の関わり方を一言で言えば、大陸に対抗しつつ、時には学びながら、半島に対しては無視をするという独自の外交を貫いてきたというのが、日本の生き方でした。
中国は基本的には中華思想の国です。現在の「一帯一路」の根底には中華思想が流れているので、本質的には何ら変わっていません。中国は冊封体制による朝貢貿易を歴代周辺国に求めてきましたが、日本はそれに対抗して対等外交を貫こうとしました。随の煬帝への聖徳太子の手紙や王ではなく天皇という名称を使つたこと、日本独自の元号を使い、独自の貨幣(和銅開珎)を作っています。漢字から「かな」を作ったのも、中国とは違う文字文化を作ろうとした表れと見ることもできます。
半島との付き合い方については、先にこのブログ「ルビコン川を渡った韓国」で書いた通りです。20世紀になって深く関わり始めたことが、現在どうなっているかを見れば、先人の生き方に学ぶことが、いかに大切かが分かるのではないでしょうか。「緊密に連携」(所信表明演説)する必要は全くありません。
読んでいただき有難うございました