「歴史は繰り返さないが、韻をよく踏む」という言葉があります。アメリカの作家のマーク・トウェイン(1835~1910)の言葉として知られています。全く同じ歴史を繰り返す訳ではないが、少しずつかたちを変えて繰り返す、という意味です。2003年のSARS(サーズ)の時は全国人民代表大会、そして今回は習近平主席の国賓としての日本訪問を控えています。
SARSは中国の広東省を起源として発症し、32の地域と国に8000人の感染者(死者349人)という爪痕を残しました。その時も初期対応が遅れたのですが、胡錦涛国家主席(当時)の選出を予定していた全国人民代表大会を間近に控えて、当局は隠蔽(いんぺい)しようしたのです。実はその時の代表大会を期に政界を引退したのが、天安門事件の際に戒厳令を発令した李鵬(りほう)氏だったのです。
SARSの対応で知られている香港大の管軼(グァンイー)教授は、21~22日に武漢市で現地調査した上で、「SARSの10倍以上の感染規模になる」ことを明らかにしました。彼は、住民や政府の防疫意識の低さから、「すでに制御不能」と判断して武漢を離れたと「読売」は報じています。確かに、現時点ですでに感染者6000人を超えています(感染地域ならびに国の数は現在19)。
天はしゃべることはできませんので、天変地異を通じて人にメッセージあるいはサゼッションを送ります。人間は自然の力に対しては、無力な存在です。常にそれを畏れて、謙虚に生きることが出来れば、国土は平安、国民は平和に暮らすことができます。そういったことを忘れて、人々が自然に対して傲慢に振舞ったときに必ず天からブーメランが降ってきます。
そして、大事なことは自然絡みで起こったことを全くの偶然と考えないで、何かそこにメッセージ性があるようであれば、それを読み取る努力をすることです。当局が交通封鎖をした武漢は自動車や半導体などの産業集積地として知られています。日本のホンダ、日産、日本製鉄が進出をしています。部品の供給地でもありますので、他の地域への経済的影響は避けられないでしょう。
日本では昨年の10月に台風19号が日本列島を襲いました。台風19号の最大風速は60m/秒程度で,ほぼスーパー台風(カテゴリー5 スーパータイフーン SSHS)に匹敵する強さでした。東京、千葉で軒並み風速40メートルを超えました。箱根の24時間降水量が900ミリを超えました。東京の多摩川も氾濫騒ぎがありました。千曲川、久慈川など、6県で国と県が管理する21河川24か所の堤防が決壊しました。国管理の24河川、都道府県の118河川でも水が堤防を越えました。地元を見つめろ、というメッセージだったのではなかったのかなと思っています。
徳勝龍が優勝して、地元奈良は盛り上がりました。「郷土力士」という言葉がありますが、地元の代表として相撲をとり、地元もそれを応援するという文化がそこにはあります。
自民党保守政治のタガが緩み始めています。国会は桜問題、IR汚職、内閣は外交しかやっていません、人財を育てていません。多くの子供たちは泣いています。地域が疲弊していますが、そちらに目が向いていません。外に目を向けるのを止めろ、国内にもっと目を向けろという強烈なメッセージ性が今回の新型肺炎のまん延に込められています。
今年の夏にはオリンピックがあります。その前に国内に新型肺炎をまん延させる訳にはいきません。中途半端な封鎖ではダメだと思います。検査を拒否して入国している人がいますが、そういう方は国内に連れてこないで欲しいと思います。自分のことだけを考えないで行動する。「ワンチーム」の合言葉でベスト8になった日本ラグビーチーム、あれも日本国民への強烈なメッセージです。日本は和の国です。天皇、そして権力者と庶民が同じ方向を向いてこの国を支えてきました。ヨーロッパの国々とは全く違う歴史を作ってきたことを、一人ひとりが嚙締めて欲しいと思います。
何ですか。シンクロナイズドスイミングなら分かりますが……。
そして、物理学者の中には異次元世界の探究に目を向けている人が多くいます。例えば、ハーバード大学の理論物理学者のリサ・ランドール博士は「ワープした余剰次元」と呼ばれる理論を提唱しているのですが、こんなことを言っています――「宇宙にはいくつもの秘密がある。空間の余剰次元も、その1つかもしれない。……余剰次元は大きいかもしれず、ことによると無限大の可能性さえあるとわかってきた。……無限大の見えない次元は、宇宙に存在するかもしれない多くの奇妙な可能性の1つ…」(『ワープする宇宙』日本放送出版協会/2007年)と言っています。
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