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隣国の視線が映し出す「ヘッドレス国家・日本」―― 軍国主義と誤解される日本の国家構造 / 2026年以降、日本が直面する試練

女性

「今日が2025年最後のブログとなりました。早かった1年だったと思います」

「年齢に比例してその早さを感じると言いますから。あなたも大分、年を取ったということですよ」

女性

「あまり早かったと言わない方が良いですね。ところで、来年はどんな一年になると思いますか」

「今年の締め括りに、来年の動きについて予想してみましょうか。その時に必要な視点は、マクロとミクロです。世界の大きな流れに我々は抗することはできません。世界の動きで気になることはありますか?」

女性

「難しい質問をしますね。あまり普段考えていませんが、気になるのはウクライナがどうなってしまうのか。それと中国が日本に対して少し攻撃的になってきたことですかね」

「ロシア・中国とアメリカが覇権(ヘゲモニー)を争う中で、世界政治は動いていくことは間違いないですね」

女性

「日本はどうすれば良いですか?」

「大方の意見はアメリカに付けだと思いますが、私は米中の間に上手く入れです」

女性

「どうやって入るのですか?」

「中国と対立しているのは歴史問題です。そこさえ、きちんと折り合いを付ければ握手できます。日本の先人たちは、中国とは程よい距離をとって上手く付き合ってきました。先人の知恵に学ぶべきだと思っています」

女性

「来年はパンダが日本からいなくなります。握手できれば、戻ってきてくれますかね」

「すべて日本次第と中国は思っているでしょうね」

女性

「ここからが本論です ↓表紙は「PHPオンラインーPHP研究所」提供です」

 中国、ロシアは日本をどう見ているか

人間は他人のことはよく分かりますが、自分のことが一番よく分からないのです。目は外部のモノを見るためにあり、内面の自分を見るためのものではないからです。鏡を通して自分を見ることはできますが、それはあくまでも外見であり、ほぼ静止した状態で何も語らない自分の姿です。つまり本当の自分の1部しか見えていないのです。前置きが長くなりましたが、国家についても同様で、自国のあり方を内側からだけ見ていては、その本質はなかなか分かりません。どうすれば良いのか。そこで有効なのが、周辺国が日本をどのように見ているかを分析することです。

近年、中国やロシアから、「軍国主義」という言葉が発せられるようになりました。日本の主要メディアは、これを根拠のない悪罵としてやり過ごしていますが、感情的に退ける前に、少し気に留めて分析してみたいと思います。そこには、自国について客観的に知ることができるヒントがあるかもしれないからです。

日本という国は、明治維新以降、政権周辺からプロパガンダ(歪んだ情報)が発信され、国民はそれに翻弄(ほんろう)され、富国強兵政策の要員として戦争に駆り出された歴史があります。明治の藩閥政府は薩長独裁政権を樹立しながら、真の指導者を擁立しませんでした。当初は天皇を統治者として立てるつもりだったのでしょうが、その構想は次第に後退し、天皇の「権威」のみを利用する政権になっていきます。こうして誕生したのが、統治責任者が不在の「ヘッドレス国家」でした。

戦前の日本では、首相は形式上のヘッドです。日米開戦時は東条英機首相でしたが、途中で小磯國昭首相となり、終戦時は鈴木貫太郎首相でした。戦争中に指導者が次々と交代する国は極めて異例です。試合の途中で監督を代えるようなものです。要するに、首相はヘッドではなかったということです。実際の意思決定を担っていたのは、枢密院のメンバーや陸軍省のキャリア軍人であり、集団指導体制によって国家運営がなされていました。天皇は完全に蚊帳の外でした。

(「Dailymotion」)

 「天皇専制論」の誤りとヘッドレス国家の構造

日本の政党の中には、戦前を「天皇絶対の専制政治」と捉えるところもありますが、これは史実に基づく評価とは言えません。天皇は日清戦争、日露戦争、そして日米開戦の時も反対の意志を表明しています。専制政治が行えるような絶対権力者であれば、戦争は起きなかったでしょう。広島、長崎に原爆が投下され、絶体絶命の状況になった時に開いたのが御前会議です。集団指導体制のメンバーが集まりました。本土決戦を主張した方々がいたため、意見がまとまりません。最後の結論は、天皇が決めたのです。

もともと日本は「シラス-ウシハク」の国です。この体制を律令制度に落とし込んで、地方分権国家としてスタートしたのが天武期です。シラス者がヘッドです。日本のヘッドは、西欧とは違って権力者ではありません。権威と権力を分けて、天皇を権威者として立てて、実際の統治は権力者である太政大臣が行うという体制を考案したのですこの体制は、約千百年間続きます。しかし、明治期に入り、この構造は大きく歪められます。天皇を統治の中心から切り離し、象徴的存在に位置付けます。これにより、日本は実質的な統治責任者を欠いたヘッドレス国家となり、その状態は現在に至るまで続いています。

つまり、日本の国は明治以来160年間ヘッドレス国家として歩んできたということです。首相は国会が母体となって選出しますので、外形的にはヘッドのように見えますが、実際に日本を動かしているのは600~700人のキャリア官僚たちです。日本は立法、行政、司法の三権だけではなく、教育、外交、財政までが中央に集中した中央集権国家ですが、その中枢がヘッドレス状態なので、何かの拍子に特定の思想や志向を持つ集団が主導権を握れば、国家の進路は一気に好戦的な方向へ傾きかねません。中国やロシアは、そういう危険性が高まっていると見ているのです。ヘッドレス状態を解消するためにも、日本側が努力する必要がありますが、そもそも自国の姿を客観的に見る努力すらしていません。

(「ameblo.jp」)

 2026年以降、日本が直面する試練

中国は「2027年末までに台湾での武力統一戦争に勝利できる能力」を確立することを目指していると米国防総省が分析しています。台湾総統も「中国は2027年を目標に軍備を加速している」と警鐘を鳴らしています。昨日来、台湾を囲むかたちで中国軍による実弾を使った大規模演習が始まっています。尖閣諸島海域への中国船の常態的出没は、その延長線の出来事です。習近平政権にとって、悲願達成に向けて、最大限努力する1年となるでしょう。

こうした国際環境の中で、日本は防衛力の整備と同時に、自国の国家構造そのものを見直す努力が求められますヘッドレス国家であるということは、民主主義国家ではないからです。選挙が実施されているからと言って、民主主義国家になる訳ではありません。国の指導者・統治者を国民が選んでいるかどうかが一番のポイントです。日本は戦前にも衆議院議員を選挙で選んでいました。しかし、民主主義国家と言う人は誰もいません。戦後の現在も、国家の構造自体は当時と何も変わっていません。戦前は行政官僚と軍人官僚が国を統治し、現在は一握りのキャリア官僚が国を統治しています。その官僚は、選挙ではなく試験で選んでいます。だから、民主主義国家ではないのです。

ロシア、北朝鮮、中国の隣国は、戦前は日本からの侵略を受けた国です。そのため、絶えず警戒感を持って、日本のことを見続けていると思います。彼らに迎合しろと言っているのではなく、彼らの視線の中には、日本自身が見落としている現実が含まれている可能性があります。その外部視点を分析材料として活用することこそ、今の日本に求められている姿勢だと思います。

次回は年明けの5日に、この続きを発信したいと思っています。来年も基本的に、火、木、土の週3回配信するつもりです。日本の新聞社は権力に迎合する体質を持っています。それは戦前の報道を見ればわかりますが、その体質自体は何も変わっていません。権力に忖度して、新聞、マスコミが書けないような内容をこれからも発信したいと考えています。今年1年、ありがとうございました。

(「日テレNEWS NNN-日本テレビ」)

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