
「選挙も終盤に入ってきましたが、期日前投票は済ませたのですか?」

「いえ、日曜日に近所の投票所まで散歩がてら行きたいと思っていますので、期日前投票は予定にはありません」

「しかし、急に総選挙になり、すぐに結果が出てしまうという感じですよね」

「不意打ち解散ですね。高市内閣の支持率が高いうちに選挙をしてしまおうという作戦です」

「どう、見ますか?」

「今のところ、作戦が当たっていると思います」

「自民党の候補者は、高市総理を前面に押し出して選挙運動をしていますよね。それに対抗する勢力が見当たらない感じがします」

「公明党と立憲が合同しても核にはならないでしょう。水と油は混ざることはありませんからね」

「中道改革連合でしたよね。今一歩ピンとこない感じですけどね」

「どうなりますやら。明日の開票を楽しみにしましょうか」

「ここからが本論です ↓ 表紙は「テレ朝NEWS-テレビ朝日」提供です」
単眼的思考が生む「解けない命題」
最近、総合雑誌に掲載される論文の中に、論点設定そのものがずれているものが目立つように感じられます。雑誌の販売不振が言われていますが、論文の質の低下も影響をしているのではないかと思っています。
なぜ論文の質が上がらないのか。編集者の力量の問題もありますが、視点が単眼的になっていることが原因だと思われます。現代のような複雑な社会を解析する場合、法学だけ、経済学だけといった単一の専門分野の知識と論理では読み解けないことが多くあります。読者が関心を持ちそうな命題を立てても、結局、それを解き切れず、論理が途中で止まってしまう論考が少なくありません。
例えば、「高市早苗内閣の『責任ある積極財政』は『強い経済』をもたらすことができるのか」(吉崎達彦「財政保守主義の伝統は死に絶えるのか」『中央公論』2026.2月号)という命題は、命題の立て方に無理があります。積極財政とは、必要に応じて国債を発行し、資金を社会や市場に投じて経済を活性化する政策姿勢を指します。しかし、それと「強い経済」とを単純に因果関係で結びつけることはできません。資金をどのような考えの下、どの分野にどの順番に投ずるのかという問題があります。仮にそれが正しく行われたとしても、国の経済が強くなる訳ではありません。人材育成、他国との経済・貿易関係、労働政策など様々な要素が噛み合うことによって初めて「強い経済」が実現するからです。財政出動は条件の1つであって、“万能薬”ではないのです。

(「読書絵巻で脳内整理-Seesaa」)
「財政保守主義」という言葉の混乱
緒方林太郎衆議院議員(無所属)が昨年の11月の予算委員会で「財政規律の緩い保守主義があるのか?」という“意味不明”な質問をしています。それを吉崎氏は自身の論文の中で「純度の高い」質問であったと評価していますが、首をかしげざるを得ません。そもそも、「財政保守主義」なる概念は存在しません。多分、彼は緊縮財政のことを言いたかったのだろうと思いますが、政権が保守であろうとなかろうと、それとは関係なく、経済状況を見て積極策で行くのか、抑制すべきかを判断する。それが本来の政策判断です。
高市総理は、財政規律を説く論者がいる中で、今は積極財政によって経済を再び成長局面に乗せることが重要と考えているのでしょう。その辺りの判断は、企業家も絶えず行っていることです。
仮に100億円の資金が手元にあるとします。100億円を設備投資に回して生産力を高めて経常利益を増やす戦略でいくのか、銀行からの融資1000億円の返済にまわすのか、それとも両者を組み合わせるのか。国家経営も同様の考え方をすべきです。経済成長をすることによって税収を増やし、国民生活を豊かにしながら、国債償還も考えていく、そのような機動的な戦略を取るべきです。

(「Moomoo」)
「家計簿財政」からの脱却が求められている
吉崎氏は「今や与党から野党までが一様に財政出動を求めている」状況を嘆き、「なぜ、こんなことになったのだろう」と記しています。まるで、財務省の立場を代弁しているようです。確かに、資産がないのに借入金だけを増やせば財政破綻となります。しかし、充分な資産があるのに、それを活用せず、収入の範囲内でしかお金を支出せず、少しでも収入が増えれば借入金の返済に回そうとする。これは現代国家の当局者が考えるような財政運営ではありません。一世代前の「家計簿財政」の発想です。
国民の金融資産が2,200兆円もあります。それが有効に使われていません。半分、眠っているような状況です。国民の経済生活が順調ならば、資産を眠らせておいても構わないと思います。事態はそういう状況ではありません。政権政党が経済団体に対して、賃上げを要求し、すべての政党が消費税減税を訴えているほどに国民の生活が厳しくなっていることを議会人たちは肌で感じて知っているからです。
総務省が2月6日に「エンゲル係数」(消費支出に占める食費の割合)を発表しましたが、28.6%でした。この数値は44年ぶりの高水準とのことです。そして所得税や住民税などの税金と社会保険料を合わせた国民負担率は、ここ数年45~48%前後の高水準で推移しています。要するに、収入の約半分を公的負担で取られてしまっています。このような財政運営しかできない財務省ですが、消費税や社会保険料の引き下げの議論となると、お抱えのエコノミストや学者たちが雑誌や新聞に登場して、財務省寄りの言論を展開します。それを高市総理は充分ご承知だと思います。抵抗勢力に打ち勝つためにも、選挙で議席を得て、安定政権を築こうとしているのでしょう。

(「沖縄タイムス+プラス」)
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