「韓国の日本に対する好感度が若い人を中心に上がっているそうですね」
「日本映画の韓国でのヒットが影響しているのではないでしょうか?」
「それもあるかもしれませんけど、若者同士で結構交流が続いていたみたいですね」
「時代が変わりつつあるということなのか、たまたま大統領が日本に対して好意的なので、その影響なのか……」
「判断が難しいということですか?」
「ただ、1919年の「3.1独立運動演説」で「日本はパートナー」と発言したそうですね。前の文大統領とは、言うことが180度違っていることは確かですね」
「徴用工には何も触れなかったそうですね」
「日本が竹島について、何も言わないのと同じですよ。お互い、喧嘩するつもりなら、それを言い合うでしょうね」
「北朝鮮の核問題があって喧嘩できないので、お互い触れないということですか?」
「今は、それを言い合う時期ではないと思っているのでしょう」
「隣国でありながら、歴史も含めて余りよく分かっていません。今日は、日本と朝鮮の関係ということで話をして欲しいと思います」
「トップの呼称からいきましょうか。朝鮮は「王」、日本は「天皇」、中国は「皇帝」ということは知っていますよね」
「その名称をめぐって様々な確執があったことは確かです。ここからが本論です ↓ 表紙写真は「Yahoo !ニュース」提供です」
中華思想によって承認された国が「王」を名乗った
中国は中華思想の国です。そして、信じられないことに、現在でもなお、その意識でいます。特に、朝鮮半島の2つの国に対しては、そういった意識で接しています。北朝鮮はそれを受け入れていますが、韓国はその呪縛から逃れ、対等な関係で接しようとしています。中国は多分、韓国のそういったポジション取りについて、良く思っていないと思います。
朝鮮半島は、長い歴史の中で多くの王朝が勃興しました。その不安定さを少しでも安定的なものにしたいということで、中国の権力と権威を借りてきたのです。そのため中華思想の影響を受け続けた国です。中国にその存在を認めてもらいその一員としてのプライドを持ちつつ、中国から見れば「化外の地」の日本に対しては差別的な感情を持っていたのです。
中華思想を象徴する字が「皇帝」です。朝鮮は、その中国から半島の統治を承認された証として「王」の称号をもらいます。朝鮮からすると日本が「皇」の字を使うのは、無礼千万であり、ひいては朝鮮に対する侮辱であると思っていたのです。そんな意識が時折頭をもたげるのか、天皇ではなく、「日王」という呼称を使うことがあるのです。
(「泉水谷慶彦のブログ」)
「皇」という字で怒る
明治維新の時、朝鮮半島は李氏朝鮮でした。当時の日本との関係は、通信使が日本に来て、将軍に挨拶をするという朝貢関係でした。
明治維新によって日本の元首が将軍から天皇になったことを駐日外交官を通して各国に知らせます。ところが、李氏朝鮮への通知は対馬藩を通して行ったため、通知が遅れることになります。何故、対馬藩を通したのかというと、江戸時代からの慣例に則ったからです。
それはともかくとして、明治政府からの手紙が朝鮮に届き、彼らが一番怒ったのは「皇」の字だったのです。
彼らの記憶を辿ると、豊臣秀吉の時に侵略されたが、その時は「関白」を名乗り、その後「大君」となり、そして、ついにここで「皇」を名乗る。何という国だ、日本は。中国に対して失礼千万であろう、というのが彼らの国民感情だと思います。彼らは、怒りの余り、対馬藩の手紙を受け取らず、突き返してしまったのです。国書を突き返す、とんでもない国だということで、明治政府内で問題になるのです。
(JB press)
一つの言葉からボタンの掛け違いが起こる
人間は一つの言葉で喜んだり、悲しんだり、怒ったりする動物です。外交問題で気を付けなければいけないのは、国内で何気なく使った言葉が、相手にとって大変な意味を持つ場合があるということです。その時に、知らなかったでは済まないのです。調べてモノを言わない方が悪いということなのです。
ただ、国によっては多少は大目に見る場合もありますが、李氏朝鮮は駄目でした。極めて、厳格な国だったのです。融通が利かなかったのです。今でも、そういうところがあると思います。
朝鮮は儒教体制の国でした。日本の江戸時代の官学は朱子学です。朱子学は儒学の流れを汲む学派ですが、極めてイデオロギー色が強い学派でした。そのため、彼らからすれば、儒教体制を敷いていない野蛮な国という評価だったのです。
もともと、そういう認識があったところに明治政府の「天皇」の呼称。完全に問題外の国という思いが広がったと思います。
そして、日本でも国書を突き返すというトンデモナイ国。やがて、明治政府内に征韓論が沸き起こってきます。
日本には「近所とは離れて付き合え」という格言があります。人間同士でも隣人との付き合いは難しいもの。国同士でも同じなのです。
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