「朝鮮半島の雲行きが少し怪しいですね」
「何かと言うと、ミサイルを発射する国ですか?」
「昨日(2/2)、またミサイルを発射したみたいですよ。今年に入って、すでに4回目です。一人でカッカしているようなところがあります」
「わずか1か月で、……。すごいペースですよね。だけど能登地震の時は、お見舞いの電報が送られてきたそうですね」
「よく覚えていましたね。岸田首相宛ですが、閣下という尊称が使われていたみたいですね」
「今までそういった「お見舞い電」というのが、あったのですか?」
「神戸大震災とか3.11とか、大きな災害の時にはありますが、いずれも朝鮮労働党幹部の名前だったみたいですね」
「国家のトップの名前で来たのは初めてなんですね」
「前例がないので、そんなことからちょっとしたニュースになったみたいですね」
「何か心変わりでもあったのですか?」
「日韓関係が最近は改善されています。それを引き離しつつ、韓国を孤立させる作戦ではないかと見ています」
「孤立させて、どうするのですか?」
「真面目に侵略しようと考えているのかもしれませんよ。「戦争準備」をしろと金正恩が海軍に指示したみたいです」
「本当ですか? ここからが本論です。表紙写真は2日前の「NHKニュース」からのものです」
北朝鮮—「韓国敵視政策」に大転換
北朝鮮が今年に入って、従来の国家戦略であり、目指す目標であった南北統一を放棄して、韓国を「不変の主敵」としました。
北朝鮮は金王朝とも言われ、初代金日成から数えて3代目が現在の北朝鮮を統治しています。彼らは血統とともに遺訓を大事にしてきた過去があります。初代金日成が掲げた遺訓は「高麗連邦」です。どういうかたちにしろ、両国の統一を目指しつつ、今まで様々な話し合いがなされてきました。
韓国の前大統領、文在寅(ムンジェイン)の時には、2人で38度線をまたいで親密な会話をしたこともありました。トランプ大統領と金正恩とのトップ会談もありました。そんなこともあり、あの当時(2019年頃)は、いよいよ統一朝鮮が誕生するのではないか、そんなことが囁かれた時代もあったのです。そこから180度の転換。何があったのでしょうか。
(「JBpress」)
経済的格差の開きが著しい
2つの要因が考えられます。一つは、韓国との経済的格差が余りにも開き過ぎてしまったことです。1960年代は、北朝鮮が工業国、韓国が農業国と言われていた位で、北朝鮮の方が発展していました。ところが「漢江の奇跡」と言われるように、1970年代に入って以降、韓国は急速な工業化によって経済発展を遂げ、両国は逆転をします。
韓国のGDPは1兆6421億ドル(2019年) で世界10位ですが、北朝鮮は335億400万ドル(2019年)で世界100位くらいです。北朝鮮がデータを発表することが余りなく、この時も久しぶりの発表で驚かれたのです。それはさておき、単純に割り算をすれば分かりますが、北朝鮮の経済力は韓国の約1/50くらいしかありません(下のグラフ参照)。
経済格差がこんなにあることを北朝鮮の人たちは全く知りません。彼らはむしろ自分たちの方が発展していると信じ込まされているかもしれません。統一して北朝鮮の人たちが自分たちの「経済的立ち位置」を知れば、それはそのまま北朝鮮の今までの指導者に対する怒りとなって噴出する可能性が高いと思われます。それは絶対に避けなければいけない。どうすれば良いのか。今の韓国の姿を見せないようにしなければいけない。世にも恐ろしいことを考えているのかもしれません。ただ、そう考えれば、核武装を急いでいる理由が分かる気がします。
統一記念塔を破壊した意味
北朝鮮の首都平壌にあった「祖国統一三大憲章記念塔」が今年の1/19~1/23の間に取り払われたというニュースが入ってきました。この記念塔は2001年に当時の金正日総書記の指導の下で建設されたものです。
祖国統一三大憲章というのは、1972年に韓国と取り交わした南北共同声明の3つの原則を指します。①外国の干渉を受けない。②平和的方法による。③単一民族として団結する。戦後、朝鮮半島は38度線を境にソ連とアメリカの占領地に分かれ、朝鮮戦争もあって2つの国家がそのまま固定化して現在に至っています。
同じ民族が力を合わせて国家事業を営むのは自然なこと。いつか機が熟した時は、お互い力を合わせましょうという決意と気持ちを込めて結ばれた憲章です。そして、それを祝意の気持ちをもって建てた塔なのです。単に撤去したのではなく、ダイナマイトによって破壊をした上での撤去とのこと。韓国との決別と同時に今後は敵国と見做した上で対応するという決意が込められていると思われます。
北朝鮮の動向にも注意を払う必要が出て来たのです。
(「Wikipedia」)
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