「例のキックバック問題などもあり、自民党支持率が下がっていますが、それが野党支持に向かっていません。なぜでしょうか」
「分析してみると、自民党支持が少なくなった分、支持なし層、つまり無党派層が増えています。他党支持に回っていません」
「そういう傾向というのは、今までもあったのですか?」
「1993年のリクルート事件、佐川急便事件など、カネ絡みの事件が起きた時も今回と同じように、自民党の不支持が野党の支持に結びつきませんでした」
「有権者が白けてしまうのでしょうね」
「政治不信が高まって、あきらめの雰囲気が高まってしまうということだと思います」
「ただ、そうではなく、いわゆる「風」が吹いた時もあるのでしょう」
「2009年の民主党が政権を取った時は違っていました。衆議院選挙直前の時点で、民主党支持が40%、自民党が30%だったのです」
「政権交代が起きたので、世論調査の結果がそのまま選挙結果に表れたということですね」
「今は、野党の支持率を足しても20%を少し上回るくらいです。野党第一党の立憲が9%くらいですからね」
「維新は、どうですか?」
「現在は、立憲と同じくらいの支持率ですね。先日の24日に党大会を開いて、保守政党としての立場を明確にしました。そういった政治姿勢が国民に理解されていけば、自民党に取って代わることもあると思っています」
「地域政党というイメージが強いのですが……」
「大阪が発祥なのですが、全国展開をしていけばそういったイメージは徐々に無くなると思います」
「ここからが本論です ↓ 表紙は「日本維新の会のYou Tube」です」
国づくりの考え方が、日本と大陸の国とでは違う
日本の国は大陸の国とは違い、家族主義的な考え方に基づいて国づくりをしてきました。日本では、国に「家」を付けますが、この家は家族の意味です。家臣・家中(かちゅう)、家老、家来、すべて同じです。国という大きな家族の中心に天皇を据え、臣や民に忠を説き、「和」を説くことにより国としてまとまろうという考えがそこにあります。
一方、大陸の場合は、絶えず国境線が変わる歴史を繰り返してきましたので、家族的にまとまって国を作ろうという悠長なことを言っている余裕はありませんでした。自ずと統治者に権力を与え、強いリーダーシッフの下、富国強兵の国づくりを一貫して追求してきたのです。その弊害が国民におよび、国民がその対抗措置として編み出した考え方が人権であり、立憲主義だったのです。
国づくりの考え方が、出発の時点で他国とは違います。国を一つの家として捉える感覚を日本国民は受け継いでいます。それを踏まえた政党活動、政策提言がなされなければ、多くの支持を得ることは出来ません。
(「フォトライブラリー」)
反日政党を国民は支持しない
立憲主義は、国と国民を敵対的な緊張関係の中で捉えた上で成り立つ考え方です。また、共産主義は階級国家観がベースになっています。いずれの国家観も日本のそれとは違いますし、ましてや階級国家観は現代社会では賞味期限切れの国家観です。代議政治が地方と中央で行われ、憲法に平等権の規定がある世界で現実的に機能するはずがありません。
そういった国家観の上に立って活動をしている政党は、共産党、立憲民主党、社会民主党、れいわ新選組です。国民民主党、公明党は不明です。特に、公明党はなぜ自民党と連立を組んでいるのか、よく分かりません。すれ違い夫婦のようなイメージを持っています。
1955年に自由党と民主党が合体し、左右の社会党が合流し、保守、革新の2つの大きな政党が誕生したことをもって55年体制と呼ぶことがあります。1958年の総選挙の時は、日本社会党は166議席を有していました。2大政党制時代の幕開けと言われたこともあったのですが、1960年にその社会党から分裂をした民社党が誕生して以降、選挙のたびに議席を減らすような状況となります。そして、1996年に社会民主党に党名変更をしましたが、現在は衆議院と参議院に1議席ずつという有様です。
党勢を拡大したければ、国柄に合わせた政党活動をする必要がありますし、国柄を無視した政党活動をすれば、泡沫政党の道を歩むことになるということです。
(「倫理政経.com」)
維新が明確に保守路線を歩むことを期待する
今の日本には、自民党の受け皿になるような政党がありません。今回のように自民党が腐敗した時に、支持をしていた人たちが票を投ずる政党が見当たらないのです。参政党はまだ得体がよく分かりませんし、百田尚樹氏の保守党はこれからスタートしようとしている政党です。
あとは、反日政党か立場がよく分からない政党です。日本は世界一古い歴史をもった国であり、数多くの伝統文化を有した国です。多くの国民は、有形、無形の日本の遺産を守っていきたいと考えているはずなので、その人たちの心情に依拠した政治活動をする政党がもう少しあっても良いのですが、寂しい現状になっています。
維新が明確に保守路線を歩み始めれば、支持者は増えることが予想されます。日本人の多くは本質的に保守だと言われています。日本のアイデンティティに従った国づくりを目指す政党として成長する決意を見せれば、支持は自ずと広がり、2大政党制が実現すると思います。
2大政党制というのは、立ち位置が同じであることが大前提です。日本の伝統文化を守っていくという立場があり、その方法論において対立するということであれば成り立ちますが、国家観が全く違った2大政党が並び立って国政を運営することはできません。それはもう歴史的に実証済みです。
(「言論NPO」)
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