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金融、財政政策だけに頼らない、バラ撒きからの脱却を ―— 本来の政治は「人」をつくるのが仕事 / 労働生産性の低さは教育の問題

「マイナス金利解除に対しての海外の反応が入ってきていますが、ロイター通信が本質を衝いた報道をしています」

女性

「どんなことを書いているのですか?」

「金融緩和を通じて成長軌道を取り戻そうとしてきたこれまでの時代に終止符、という言い方です」

女性

「金融政策で成長軌道を確保するのは、邪道なのでしょうか?」

「難しい質問をしますね。教科書的に言えば正解なのかもしれませんが、それだけでは現代経済は無理だと思っています。しかも、日本は長期債務が他国に比べて多いので、金利をそんなに上げられないという事情があります」

女性

「片肺飛行ということですね」

「片肺の財政政策の方も、債務の額が多過ぎてあまり財政出動できないと思っています」

女性

「本来は低金利時代に、債務を返済すべきだったのでしょうか?」

「金融政策、財政政策にこだわるのならば、それが充分機能するように環境をつくっていくべきでしたね。財務省が27年度の利払い費を試算していますが、15.3兆円となり、24年度の1.6倍になるだろうと言っています」

女性

「すごい金額なんでしょうが、段々慣れてしまうのでしょうね。ウチの家計簿と一緒で……」

「そういうところはありますよね。1975年頃だったと思います。赤字国債を初めて発行した時に、結構大騒ぎしたのです。私もまだ若かった頃ですが、よく覚えています」

女性

「その後も 赤字国債を発行し続けたのに、大きく騒いだのは最初だけということですね」

「慣れというのは、マンネリを生み出します。思考のマンネリに陥ると何も考えることをしません。こんなもんだろうで行動をし始めます。それが恐いところです」

女性

「ここからが本論です ↓表紙写真は「Yahoo!ニュース-Yahoo! JAPAN」提供です」

 本来の政治は、法制度をつくるのが仕事

金融政策、財政政策の発動が充分できないような状況下なのに、相も変わらず、カネをばら撒くことだけしか考えていない政府。本来、政治というのは、古代の政治を思い浮かべれば分かるように、法制度を作るのを旨としていました。制度を作り、その上できまりを作って、人が動き、社会が動くようにしたのです。本来的に政治家が考えることはそれです。経済家という言葉がないのは、そのためです。

ところが、今の政治家はカネで人を動かすことを考えています。自分自身がカネで動くことを白状しているようなものです。例えば、児童手当ですが、少子化対策ということで今年の12月支給分から所得制限をなくすことを閣議決定しています。さらに従業員2千人以下の企業を中堅企業と認定した上で、設備投資やM&Aへの税優遇を行うそうです。

「人は石垣、人は城」(武田信玄)なので、強固な城(国家)を作ることを考えるならば、人づくりのための施策や法制度を考えるべきです。何事もシステマティックに考えないと、資金が枯渇した時に、次の一手が打てなくなります。

(「note」)

 世界で異形の「30年デフレ」がなぜ起こったのか

日本経済は30年にわたってデフレに沈んできました。多くの先進国と比較をするとよく分かるのですが、物価はこの30年間でアメリカ、イギリスは約2倍、ドイツは1.7倍になりましたが、日本は1.09倍です。ゼロインフレとも言いますが、世界的にも珍しい現象だと言われています。

この原因について専ら言われていることは、1つは需要不足、もう1つが予想物価上昇率の低迷です。後者が少し分かりにくいのですが、要するに値段や賃金は変化しないものだという思い込みが強かったと言っているのです。そういった感覚的ものを原因として挙げるのは、おかしいと思いますので、前者の需要不足についてのみ検討したいと思います

需要不足が原因なので、低金利政策を続けたのだと思いますが、30年も続けて効果がないということは、解決の仕方が間違っているということです。そもそも需要はどのようにして喚起されるのでしょうか。新しい市場が開拓された、あるいは利便性の高い商品やサービスが開発されることによって生まれます。それを生み出すのは人間の力です。ケインズはそれを「アニマルスピリット」と呼んでいたのです。つまり、人間の力をいかに引き出すのかを考えなければいけないということです。日本の政治家に最も欠落した視点です。

(「日本経済新聞」)

 労働生産性の低さは教育の問題

日本の労働生産性が年々下がっています。昨年の12月に(公財)日本生産性本部が「労働生産性の国際比較2023」を公表しています。日本はOECD加盟38カ国中30位でした。1970年以降で最も低く、戦後一貫して下がっています。何故なのか。教育が上手くいっていないからです。

そう言うと、日本の子供たちの学力は世界的に見て高いのではと思うかもしれません。OECDの調査の中にPISAと呼ばれる学習到達度調査というものがあり、2022年は読解力3位、数学的リテラシー5位、科学的リテラシー2位でした。この学力はあくまでも論理的に考えられるかどうかを診断できるものであり、これがそのまま労働生産性に繋がる学力とは言えません。

労働生産性というのは、簡単に言えば能率・効率です。いかに多くの価値を社会全体の生産過程で付けることが出来るかということです。そのためには、最先端の技術や理論を生み出す人材とそれをシステムの中に落とし込む人材、さらには意欲をもって組織の中で真面目に働く人材の3通りの人材を育成する必要があります。全員が学者でも困りますし、全員が労働者でも困るのです。

本来は学校教育の中でアイデンティティを確立する中で、子供に合った進路指導が行われ、適材適所に人材が配置されるのが望ましいし、それが社会全体の労働生産性を高めることになります。日本は「金太郎飴教育」をしており、全体に同じ内容の教育を施し、役割分担は全くの偶然に任されています。そのため全体学力は高いものの、労働生産性が低いということが起きるのです。データを見る限り、様々な分野でのミスマッチが起きていると思われます。

(「PRESIDENT Online」)

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