(この文章は4/7日に書きました)
・安倍総理により緊急事態宣言が発令されたこと
・中国からの脅威はコロナウイルスだけではなく、「静かなる侵略」が行われていること
について書いています
「要請」と言ったのに、公立学校はほぼ100%、私立学校でも80%でしょ。絶対に言わないと思いますけど、内心驚いていると思います。
ところで、「感染源の中国の上海では、人通りが途絶えていたウォーターフロントの人気スポットが、数週間ぶりに買い物客や観光客でいっぱいになった。わずか数日前まで閉店していた市内のレストランもにぎわっている様子だった」というニュースがインターネットで流れています
共産主義、もともとは崇高な理念から出発している
共産主義は、もともとは崇高な理念から出発しています。読んで字の如くで、共に仲良く手を携えて必要なものを産み出しましょう、という考え方だったのです。そのような社会を作るためには、同じ大地に立って、共に土を耕し、作物を耕すことが必要と考えるところから来ています。日本では江戸時代に、安藤昌益が万人直耕を説きましたが、一種の共産主義思想です。
マルクスの『共産党宣言』が出るのが1848年です。マルクス30歳の頃です。若き革命家の誕生です。彼が生きた時代は、イギリスの産業革命期から資本主義が成立をする頃です。彼の人生は亡命と貧乏な暮らしの一生だったと思いますが、エネルギッシュな人生だったと思います。それを親友のエンゲルスが経済的に支え、社会にはびこった不条理に対する怒りが感情面から彼を支えたのです。可能であれば、マルクスを現代に呼び戻して、今の中国の姿を見てもらい、その感想を聞きたいものだと思っています。
マルクスは1818年から1883年まで生きています。日本で言えば、江戸時代の終わりから、明治時代の頃です。彼が生活していた西欧は、市民革命以降の社会であり、資本主義経済がまさに成立せんとする時代です。さまざまな矛盾と苦悩の中、理想の社会を模索した彼の生き方そのものは評価されても良いと思います。
唯物論が拝金主義を呼び、革命思想が暴力主義を呼ぶ
彼が説いた共産主義思想が、時と場所を経る中で、やがて異質なものに変わり果てていくことになります。唯物論思想が拝金主義を呼び、革命思想が暴力主義を呼び込んでしまったのです。
その共産主義が大地に根付いたのは、1917年のロシア革命の時です。レーニンの指導によるロシア革命の成功により、ソビエト連邦という社会主義国がこの地球上に初めて誕生しました。しかしながら、ソビエト連邦はわずか70有余年で社会主義国としての命運が尽きることになるのですが、これを中国が受け継いだ格好になります。
中国とソビエト連邦との両国関係は、現在どういう状態でしょうか。結論から言いますと、付かず離れずという状態です。今回の武漢ウイルスへの対応を見ていると、ロシアは早い段階で中国と隣接する国境沿いを全面封鎖しています。仲が悪い訳ではないと思いますが、かと言って良い訳でもありません。中国の関心は、カネと技術と領土ですが、ロシアにはカネも技術もありません。広大な領土がありますが、北側の土地は1坪たりともいらないと思っているでしょう。中国から見ると、反米で結束する以外には、余り魅力のある国とは思えないのです。
中国マネーが、IRリゾート事業を通して入ってくる
従って、中国の関心はどうしても日本に向かわざるをえません。目的をもった中国マネーが、様々なルートで流れ込んできます。日本でのIRリゾート事業は一つのターゲットになるでしょうし、もうすでになっています。IRというのは、integrated resortの頭文字をとったもので、日本では「複合型リゾート」と訳されています。これは、中国からの「静かなる侵略」(SILENT INVASION/C・ハミルトン)を呼び込むことになるでしょう。
かつて中国の李鵬首相が、オーストラリアの首相に対して「日本という国は20年後にはなくなってしまうだろう」と語ったと言われています。自然消滅するということではなく、無くなるように硬軟の攻撃を加えるということです。
硬軟と言っても、日本とアメリカは安保条約もあり、なかなか手出しをすることが出来ません。どうしても、カネがらみ、イデオロギー攻撃といったソフト路線が多めになります。日本は、こちらの攻撃にはほとんど無防備です。それを証明するかのように、国会議員の汚職事件が今年早々に起きています。今回の事件は、氷山の一角です。
観光立国という政府の大きな方針の延長線上に出てきたのが、このIRリゾート事業です。
そもそも観光立国という他律的なものを目標とすることの危険さを、今回のウイルス騒ぎで十分に分かったのではないでしょうか。カジノを売りにしての観光客誘致は、観光業にとって邪道だと思います。そういう批判を念頭に入れてなのか、IRにおけるカジノの面積は最大で3%しかないとアピールしています。しかし、このアピールも考えてみれば、少しおかしな感じがします。逆に、そこまで言うのであれば、0%にしたらどうですかと言いたい気持ちになります。
そもそも、日本の法制度ではカジノという博打(ばくち)は禁止されていたのです。ところが、IR議連が発足して、2016年に「IR推進法」を制定してしまったのです。
現在、IRの誘致事業に立候補している地方自治体が全部で4都市あります。大阪、和歌山、横浜、長崎です。参加都市の関係者は、しきりにIRの「ノンゲーミング」(カジノ以外の収益部門)部門―—ホテル、国際会議場、飲食店、エンターテインメント施設―について宣伝する傾向があります。
そういった施設などでは、家族で楽しめますと言われます。聞けば聞くほど、どうしてカジノがいるのだろうと思わざるを得ません。カジノというのは所詮(しょせん)は博打なので、それを目当てに人が集まるような街は、治安が悪くはなっても良くなることはありません
事業にのめり込んでいる自治体の一つが長崎県です。ハウステンボスへの誘致を目指しています。そして、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備を想定し、長崎国際大(佐世保市)が、人間社会学部国際観光学科に「IRマネジメントコース」(仮称)の新設を検討しています。ギャンブル依存症などの懸念事項対策も研究対象にするとのこと。ただ、依存症を恐れるのならば、そもそも誘致をしないことです。
しかし、長崎県は誘致を前提に大学側に「人材育成の方向性を示してほしい」と要請したとのこと。これを受け、大学は国際観光学科の教員らでつくる検討委員会を設置し、「IR人材育成の日本におけるハブ(拠点)となることを目指す」方針だそうですが、大学は学問を研究するところであり、どう考えても邪道だと思わざるを得ません。感覚そのものも、麻痺しかけているのかもしれません。もっとも、そういう国の方が与しやすいと大陸の国はほくそ笑んでいると思います。
カジノ解禁は、日本人がもっている「清貧の思想」とは相いれませんし、拝金主義の醜さを感じます。
目立たないけれど、地方に華咲く文化を、郷土料理とともに「おもてなし」をする国であって欲しいと思っています。
読んで頂きありがとうございました