(この文章は3/3日に書きました)
中高一貫校で社会科の教師として37年間勤務する傍ら執筆活動にも力を入れる。
著書多数。
「万人に合った教育はない」がモットー。
詳しくはトップページプロフィールより。
世界の流れは、グローバリズムからポピュリズムに
何か難しい問題が出た時に、それへの対応の仕方を見ることにより重心が定まっているかどうか、組織が安定しているかどうかが分かります。
重心の振れは、世界の大きな流れを把握していないところから起きています。世界の流れは、米中の覇権争いが起こり、グローバリズムからポピュリズムに風向きが変わり始めていますが、そのことをそもそも理解していない向きがあります。そして、この風は一時的なものではなく、しばらく続くものと予測されます。
なぜ、しばらく続くと思うのか、それはお互いに「引く」可能性が低いからです。アメリカは世界一の経済大国というプライドがありますし、ナンバー2を叩くのがナンバー1の仕事くらいに思っているでしょう。ましてや、相手は共産主義国です。絶対に譲れないと思っています。譲った瞬間に、世界は共産主義に向けて一挙に動き始めます。アメリカが追い求めてきた自由と民主主義が敗北することになります。それは絶対に許せないと思っているはずです。
中国共産党政府は、まさに中国の長年の夢、つまり世界の中心に君臨することが現実を帯びてきたと思い、遮二無二ひた走ろうとするでしょう。共産主義というのは、極めてイデオロギー性が強い考え方です。人によっては、宗教というくらいです。1人の主席に巨大な権限が集中しています。10数億人を代表していると思えば、相手がアメリカといえども、少しのことで引き下がる訳にはいかないと思っているはずです。
その対立の中で、日本はどちらに付くかです。旗幟鮮明(きしせんめい)にする必要があります。日本得意の全方位外交は、もう通用しません。日米安全保障条約という名の軍事同盟を結んでいるということは、国際的には日米は運命共同体ということを宣言しているようなものですので、アメリカ側に付いていくのが本来的な姿でしょう。
ところが、安倍政権は懐刀(ふところがたな)の二階氏が媚中国を鮮明にしているため、中国共産党に片足を突っ込み、そのことが遠因となって、中国からの旅客機乗り入れの全面禁止措置をすることができなかったのです。早い段階でそれをしていれば、日本の子供たちは3学期最後まで学校に通うことができたのです。
日中平和友好条約をどう考えるか、という問題がありますが、民間レベルで友好を深めれば、その目的を達することができると思います。もともとは、戦略的なことで結んだ条約であることを斟酌する必要があるでしょう。そして、日本の針路を考えるにあたって、この条約のことを考慮する必要はありません。
与党、野党を含めてすべての政党は、頭を冷戦時代から切り替えよ
冷戦というのは、お互いに巨大な軍事力をもちながら、社会主義陣営と資本主義陣営に分かれての対立のことです。ただ、今から30年前に、ソ連経済の崩壊によって東側陣営(社会主義陣営)が腰砕けになり冷戦が終結しました。
冷戦の時代は、東側の立場に立つ階級政党と西側に与する国民政党という言葉がありましたが、今やそういう時代ではありません。世界には、そのような対立構造はありませんし、現代は封建時代ではありませんので、当然階級はありません。よって、階級政党は論理的にも成り立ちませんので、すべての政党が国民政党であるはずです。
そして、もともと日本という国は、西欧の国とは違い、天皇制のもとで権力者も仲間に入っての国づくりを何千年と行ってきた国です。それが日本の本来的にあるべき姿であり、アイデンティティです。
コロナウイルスという見えない敵との戦いです。「ワンチーム」は日本のアイデンティティです。日本の主権者国民の立場と目線に立って、すべての政党はスクラムを組んで、国難突破に向けて頑張って欲しいと思います。
読んで頂きありがとうございました。