スポーツ庁が12/23日に小学5年生と中学2年生を対象に実施した全国体力テストの結果を公表したこともあり、 12/24日の新聞各紙は「子供の体力の低下」について、一斉に報道した。
何らかの結果が出ているということは、必ず原因があり、原因を究明すれば対策を立てることができる。
結果(現象)だけ報道して、後は知らないよ、という反日的な新聞なのか、原因と対策について考え、それを社会に提案しようとしているのか、新聞を読まれる方は時にはそういった視点からも読んで欲しいと思っている。
反日的な考えを持っていると、日本にとってマイナスなことをプラスに感じてしまうので、対策という発想は出てこないからである。
例えば、人口減というニュースを聞きながら、日本が弱体化するということで、腹の中でニヤニヤしながら記事を書いている新聞社もあるからである。
それを知るためには、経過観察をする必要がある。
ある記事を載せて、それに問題意識があれば、特集を組んだり、識者、あるいは編集委員が論文を載せたりするだろう。
今回の話題は将来の国民の健康や国力につながる重要な問題である。ぜひ、各新聞社がその後どういう対応をするのか見ていただきたいと思っている。
真面目に紙面作りをしている新聞もある。その一方、「後は野となれ山となれ」と思っている新聞が地方新聞も含めて多くある。
これが日本の危機をつくっている1つの原因なので、国民それぞれの判断力で見極めて反日新聞を排除する必要があると考えている。
そういう新聞を読まない、買わない、企業は広告を載せないことである。
話を元に戻す。
今回の問題は、根が深い問題だと考えている。
根底には、地域の崩壊により、異年齢の子供集団がなくなり、外遊びをしなくなったという成育環境の変化というものがある。
子供の「供」は複数形の意味であるが、そこには人間は大人になるまでは集団の中で身体と頭を動かして泣いたり笑ったりして切磋琢磨して成長するものという考えがあるのだろう。
(ECCフォリラン)
実際にかつては、日本の至る所に子供たちが群れて遊ぶ姿を見ることができたが、今やめっきり少なくなってしまった。
寂しい限りである。
子供たちの声は、周りの「気」を良くしてくれるのだが、そういったことを騒音と言う大人も増えてきた。
ところで、私の勤務している学校では、年に1回スポーツ大会がある。
いろいろな種目があるが、ソフトボールは教員もチームとして生徒と対戦するのだが、ここ最近は負けることがなくなった。
投げ方、打ち方、ボールの捕り方がおかしな生徒が増えたためである。
年配の教員は、幼い頃から空き地でボールを投げたり、棒きれをバット代わりにして野球をしたりしてきたので、それぞれある程度「さま」になっている。
だから、勝ってしまうのである。
自慢話をしたくて書いている訳ではなく、今の中・高校生くらいの子は、幼い頃、地域の子供集団の中で揉まれた経験がないまま成長しているということを改めて認識したということである。
もちろん、保育園、幼稚園、小中学校、学童保育の中で関わった集団があるので、全く無かった訳ではないが、かつての時代と比べて関わり方は質、量ともに不足していると思われる。
そういった影響が心理的な面、体力的な面、健康面に出ることは容易に想像ができよう。
最近は、それが運動器に影響を与えているのではないかと言われ始めている。
骨・関節・靱帯、脊椎・脊髄、筋肉など、身体を支えている運動器の不全として表れている。そのため、少しつまづいただけで、捻挫、骨折をしたりするということがよく起こる。
2007年(平成19年)に日本整形外科学会が、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)という名称で提唱している。
ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)とは、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態 」1)のことを表し、2007年に日本整形外科学会によって新しく提唱された概念です。略称は「ロコモ」、和名は「運動器症候群」と言われます。運動器とは、身体を動かすために関わる組織や器管のことで、骨・筋肉・関節・靭帯・腱・神経などから構成されています。(健康長寿ネット)
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群) は言葉として、かなり浸透しているが、こちらはまだポピュラーな言葉にはなっていない。
しかし、データを見ると、対策が必要な状況である。
文科省の委託を受けて埼玉県医師会が平成22~25年、県内の幼稚園生から中学生、1343人を調べたところ、約40%に機能不全の兆候がみられたとのことである。
3人に1人がロコモの疑いがあるとのことである(『産経新聞』2016.11.27日付)
親も含めて社会は子供の学力のことについては、結構関心をもっているが、体力や運動機能などについては、二の次のようなところがある。
健康であってこその人生。
そんな観点から、社会全体で子供たちを見つめることが必要な時代だと思う。
今日も読んでいただき有難うございました。