「立憲民主党の支持率は、どの位ですか?」
「NHKの世論調査(2021.3)によると、4.5%で、前回と比較して2.3%の下落です」
「1月の党大会で次の衆議院選挙で政権交代を目指す、と言っていましたが展望はいかがでしょうか」
「世論調査の動向を見る限り、かなり厳しいと思います」
「国民民主党と合流したのですよね」
「昨年の9月ですね。衆議院議員の数は109人になりました」
「結構な大所帯ですよね」
「そうですね、2009年に政権交代を果たした民主党と同じくらいの勢力です」
「場合によっては、もしかしてということでしょうか」
「選挙は何が起きるか分かりませんからね、2009年の時は、選挙前に115議席だったのですが、選挙の結果308議席になりましたからね」
「凄いことが起きたのですね」
「そうですね、一種のブームが起きましたからね。圧倒的支持を得て、鳩山政権が誕生しました」
「ところが、3年余で政権の座から転落したんですよね」
「2012年12月の衆議院選挙は野田内閣の下で行われましたが、惨敗でした。230議席あったのですが、57議席に激減したのです。海江田万里代表が落選するという事態が起きたのです」
「素朴な疑問ですが、どうして、そのようなことが起きたのですか?」
「約3年で3人の首相が誕生しましたが、出るたびに支持率が急落しました。日本の国の伝統や文化、アイデンティティを大事にする政治をしなければ、政権を執っても結局長続きしないということです」
「ただ、その時の経験が生きていない感じがしますけど……
「当時の民主党議員が立憲民主党の中にいますからね。そもそも党首の枝野氏がそうです」
「ここからが本論です ↓」
共産党から秋波を送られているようではダメ
革命政党の日本共産党から、秋波を送られているのが立憲民主党です。類は友を呼ぶということで、同じような考え方だというのが分かるのでしょう。不思議なものです。
日本共産党からのオファーはかなり熱いものがあります。それが何で分かるのかというと、昨年9月の国会の首班指名選挙の際に、枝野氏に投票したからです。共産党が他党の党首に票を入れること自体が珍しいのです。ちなみに、決選投票以外で他党の議員に投票したのは、1998年に旧民主党の菅直人代表に投じて以来です。
共産党が立憲民主党にオファーを送るのは、世界観が似ているからです。もともと野党連合によって政権を奪取して、共産党政権への足掛かりにしようというのが共産党のシナリオです。野党第一党でもあるし、考え方も似ているので、ついラブコールを送りたくなってしまうということなのです。
(朝日新聞デジタル)
立憲主義の国家観は、日本の国家観とは異なるもの
立憲主義というのは、国家と国民を対立構造で捉えた上で、国家権力の濫用を防ぎ、憲法によって国民の人権を守るという考え方です(下図参照)。この考え方は、主に西欧の権力者がしばしば国民を弾圧し、それに対して民衆が立ち上がって革命によって新しい社会をつくっていった過程に於いて生まれた概念です。そういう意味で、自由、平等、権利といった概念も同じ歴史的土壌から出てきた概念です。
日本は世界最古の王朝を有する国です。現在の天皇は126代目ですが、歴史を紐解いても権力者として振舞ったことはなく、家族的国家観に基づいて国づくりを進めたのです。そんなことから、反乱や一揆は起きましたが、日本は革命とは無縁の国だったのです。日本の国家観というのは、西洋の国家観とは違って、国民と国家を同じ向きのベクトルの中で捉えます。
つまり、「和を以って貴し」なので、統治者と国民が力を合わせて国づくりを行うという考え方です。城に対する日本人の心情をみると、その辺りの考え方がよく分かるのではないかと思います。権力者である城主に対して憎悪の目で見る人はいません。城主に対して「城のお殿様」と呼び、どこか親しみをもって見ているところが、西洋の権力者に対する見方との違いでしょう。
政治に携わる者は、少なくともそのようなことを踏まえて活動をすべきだと思います。西洋的な国家観に基づいて出てきた立憲主義、社会主義・共産主義あるいは社会民主主義といったものを前面に出して活動しても、日本の国民には受け入れられないのではないかと思っています。2千年という長きにわたって、日本という国を支えてきた人々のDNAを、日本の国民は何らかのかたちで引き継いでいるのではないかと思うからです。
(「憲法をわかりやすく-FC2」)
対決型政治は日本では根付かない
「自民一強」という言い方をします。強い政党にしたいならば、ベクトルの向きを180度変えれば国民の支持が得られて強い政党になります。それをしないで、イデオロギー優先、自分たちの政策優先という態度で選挙戦に臨むから支持を得られないだけです。
多くの政党がありますが、何のために活動をしているかよく分からない政党があります。最初に革命ありきで、所属政党優先の考えでは困るのです。また、最初に立憲主義ありきで、週刊誌片手に国会質問するようでは困るのです。
簡単に言えば、世のため、人のため、みんなのため、ひいては日本のための政治を無私の精神で行おうという決意が必要です。世論調査をすると無党派層がコンスタントに40%くらい常に出ます。これだけ多くの政党がありながら、どうしてと思う人がいるかもしれません。これは要するに、対決型政党が多いためです。国民と国家を同じ向きのベクトルの中で捉えようとしている政党が少なく、自民党と宗教政党の公明党くらいのものです。維新や国民民主は旗幟(きし)を鮮明にすれば、無党派層の取り込みが出来るのではないかと思っています。
令和の時代となって、日本の危機が複合的に現われ始めています。自民党も内部には親中派がいて心もとない状況があります。無党派層は、本質的に保守層です。彼らの票を獲得できるような政党の出現が待たれています。
(「note」)
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