「隣の国とは、仲よくした方が良いと考えるのは、日本位のものかもしれないですね」
「マキュアベリの言葉(「隣国を援助する国は滅びる」)をこの前教えてもらって、いろいろヨーロッパの歴史を調べてみましたが、確かに隣国同士ずっと仲良しという国はないですよね」
「古代中国の歴史には、仲良くするふりをして、刺客を送り込んで滅ぼしてしまう。陰謀、謀略の数々、そんなドラマが数々あります」
「孫子の兵法の国ですものね」
「まあ、とにかく近づき過ぎると火傷を負う位に考えないと駄目でしょうね。ところで、『慰安婦』、『徴用工』以外に、天皇陛下への謝罪要求や旭日旗騒動、自衛隊機へのレーダー照射問題などここ10年間で次から次へと様々な問題が起きている原因は何だと思いますか?」
「えっ、何でしょうか? 近づき過ぎているからですか?」
「一言で言えば、日本の経済力が落ちているからです」
「政治力ではなく、経済力ですか?」
「政治力はもともと落ちています。特に、戦後の近隣外交は連戦連敗という感じです。経済力の落ち込みに合わせるかのように、中国や韓国の反日的な動きが活発化しています」
「力関係の反映なのですね」
「人間関係と同じ理屈です。力があり、カネがある時は逆らうことはしないけど、相手が弱くなり始めると、急に強気に出てくるという人もいます」
「弱くなったので、助けようとする人もいます」
「近くでは台湾、遠くではイギリスがそうだと思います」
「人間と同じで、付き合う国を考えるということでしょうか?」
「見極めが大事です。それと政治力、経済力の両方が落ち込み始めている根底には、人づくりが上手くいっていないということです。教育の在り方を見直さないとダメというサインとして受け止める必要があります」
「すべて連動しているということですね。ここからが本論です ↓」
『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』(新宿会計士)
新宿会計士という名前で出版された『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』(WAC、2021年)という本が話題になっています。日韓関係を歴史的側面、政治的側面から論じたものは数多いのですが、実は経済面から論じたものが少ないのです。そういう点で、視点としては斬新なものがあります。
韓国との経済関係(2019年統計)を数字で示していますので、それを紹介します。(同上67ページの表より作成)
訪日韓国人 | 訪日外国人の約18% | 558万4638人 |
対韓輸出高 | 輸出額全体の約6.6% | 5兆438億円 |
対韓輸入高 | 輸入額全体の約2.1% | 3兆2271億円 |
日本の金融機関の対韓与信 | 全体の1.23% | 562.9億ドル |
全体の割合を見て欲しいと思います。日本製品ボイコット、ノージャパンと言っている韓国への輸出額が5兆438億円で、日本が韓国より輸入している輸入額が3兆2271億円です。ボイコット運動をしていない日本の輸入額の方が少ないというのが現実です。
ただ、輸入の絶対額は確かに少ないかもしれないのですが、その内容において、化学製品(元素及び化合物)、半導体電子部品、機械類が増えているのが気になるところと会計士は指摘しています。
そういう状況を踏まえて「日韓関係は産業面で見る限り、昔は『韓国にとって日本は不可欠だが、日本にとって韓国は不可欠な国ではない』という状況だったのが、近年では徐々に、日韓双方が相互依存を深めつつある、という状況なのかもしれません。逆に言えば、『引き返すなら今のうち』、と言うこともできるでしょう」(新宿会計士、前掲書、73ページ)と結論づけています。
「引き返すなら今のうち」、最近の言葉で言うとサプライチェーンですが、重要な素材や機械類の輸出入の結び付きができてしまうと、政治的な決断がしにくいということでしょう。
それ以外の心配は、韓国が経済的に強くなり、仮に日本を追いつき、追い抜くような事態が出現するようならば、多分韓国は「第二の中国」、いや中国以上に攻撃性を露わにしてくると思っています。今でさえ、凄まじい反日活動をしていますので、そうなると、中国と同じような戦法をとって対馬が狙われるかもしれません。
日韓の経済力の差が縮まったことが、反日運動の原因
1998年に日韓共同宣言が出されます。「歴史問題に区切りを付け、未来志向を強調する画期的な意義があった」(「読売新聞社説」2020、11、12日付)のですが、結局何の区切りにも、合意の意味もなかったことになります。ただ、一応共同宣言までこぎつけることができたのは、日韓の間の経済格差がなせる業だったのです。
実際に2000年の頃、1人あたりのGDPの金額を日韓で比較してみると、韓国は約12,000ドルで日本は約38,000ドルでした。約3倍の差があったのですが、その後韓国は順調に経済発展をし、日本は停滞したため、現在では殆ど両者の間に差がありません。
つまり、この20年間で急速に追いつかれ、そしてそれに比例するかのように日本への攻撃がこの10年間、特に凄まじさを増すようになります。慰安婦像がソウルの日本大使館前に建てられたのは2011年のことです。徴用工の韓国最高裁判決が出されたのが2018年10月です。
(「東洋経済オンライン」)
大使館前の慰安婦像の撤去が最低限の条件
そもそも、戦時中のことをすべて含めて、日韓請求権協定によって、日本が韓国に無償3億ドル、有償2億ドルの経済協力金を供与し、両国とそれぞれの国民間で「請求権」の問題を「完全かつ最終的に解決されたことを確認する」と明記されていますので、「慰安婦」、「徴用工」問題は法的にはあり得ないのです。
仮に100歩譲って請求権が認められるとしたら、当時の半島は日本の施政権下にあったので、訴える裁判所は日本の裁判所になります。韓国は戦後建国された国なので、その国の司法が戦時中の事案について司法判断をすることは出来ないと考えます。
そして、このような問題が起きている根本問題は、1965年に日韓基本条約を締結する際に日韓請求権協定を結び無償3億ドル、有償2億ドルの経済協力金を供与したところにあります。
こういう理屈に合わない金を支払うことをしたために、相手に付け込まれることになっていきます。金を払ったということは、何かやましいことがあり、罪を認めたため。ということは、まだ、探せば認めていない罪もあるのではないか。そういう考え方を誘導することになりますし、現にそうなってしまいました。
相手に譲歩すればするほど、近づけば近づくほど叩かれるようになります。イヤな思いをしたくないのならば、疎遠な関係に戻すことです。日韓議員連盟という組織は直ちに解散する手続きに入った方が良いでしょう。
新宿会計士は先に紹介した本の最後に「日本はいま一度立ち止まり、『約束を守らない国』『基本的価値観を共有しない国』と経済的な関係を深めていくことが国として正しい選択なのか、考え直す必要があるのではないでしょうか」と書いています。同感です。日本大使館前の慰安婦像は、公然と相手国を侮辱してはならないというウィーン条約違反です。その撤去がなされるまでは、話合いも含めて何も関わらないようにした方が良いでしょう。
(「ameblo.jp」)
読んでいただき、ありがとうございました。
よろしければ、「ブログ村」のクリックをお願い致します ↓