
「この前、衆議院を解散したばかりなのに、2月8日が投票日なんですね」

「超短期決戦ですね。ただ、まだ投票用紙が郵送されていません」

「ウチもそうですけど、豪雪地帯の所では、郵便が届かないところもあるのではと思っています」

「届いても、投票所に行くのに大変という高齢者の方もいらっしゃるでしょうね」

「時期的にもう少し考えて欲しかったという声は結構あると思います」

「私立の中学入試とぶつかりますよね」

「そうですね。2月の第一週に集中していますからね」

「候補者はいろんなことを言っていますが、消費税のことは、どこの政党も公約として掲げています」

「物価が高いという庶民の実感や声が、政党の公約として出てきたのだと思っています。消費税について、意見がいろいろ出ていますが、どう思われますか?」

「消費税の導入は1989年です。税率3%で導入されました。それを皮切りに5%、8%、10%というように引き上げられてきたのです」

「ここからが本論です ↓ 表紙は「お金の窓口」の提供です」
間接税を社会保障財源にするという発想の根本的な誤り
消費税というのは、国内でモノやサービスを取引した際にかかる間接税ですが、2024年度の国の消費税による収入は過去最高の25兆円となり、一般会計税収の約3割でした。これは所得税と法人税による税収入よりも多い金額です。ただ、自由市場経済にとって流通が活発なのは、望むべきことです。そこにかける税金は、なるべく低くなるようにする必要があります。税金の原則は、「あるところから取り、ないところからは取らない」です。間接税は一律に徴収するものですので、税収に占める割合が高くなれば、不公平感は増大します。
消費税を導入したのが1989年で、3%からのスタートでした。その後、1997年に5%、2014年に8%、2019年に10%と引き上げられました。2012年には、「社会保障と税の一体改革」関連法により、消費税収(国分)は地方交付税法に定めるものを除き、年金、医療、介護、少子化対策の社会保障4経費に充てることが明文化(目的税化)されましたが、そもそも間接税を特定分野の財源にすること自体に問題があります。
年金、医療、介護については、それぞれの社会福祉の財源を確保して、その範囲内で処理をすべきです。少子化対策は社会保障だけの問題ではありませんので、年金、医療、介護といった項目の中に入れること自体に問題があります。

(「日本経済新聞」)
「社会保障と税の一体改革」を主導した財務省と政治の力学
2012年の「社会保障と税の一体改革」関連法の“仕掛け人”は財務省です。消費税を引き上げる口実をその法律によって作ってしまった格好です。その後、消費税が8%、10%というように引き上げられていきます。
2012年の「社会保障と税の一体改革」は、野田佳彦内閣の下で成立しました。現在の立憲民主党の党首です。当時の公式ロジックは単純です。①少子高齢化で社会保障費が膨張する。②安定財源が必要。③消費税は景気変動に左右されにくい。④よって、「社会保障目的税化」ということで、消費税が社会保障を充実させるために、なくてはならない税に“格上げ”されてしまったのです。そして、その一方で下のグラフにあるように、法人税の“値下げ”が行われたのです。
社会保障4経費のために消費税をやむなく上げると言われれば、反対しづらいというのが人間心理です。さすがは財務省です。こういうことに関しては頭が回る。ただ、本来はその狙いを見抜いて、財務省の目的を阻止する必要があったのです。当時は民主党政権です。一種のブームに乗って政権を執った時です。政権は執ったものの、政策スタッフが弱いため、結局、財務省の意向を呑まざるを得なかったのです。

(「長周新聞」)
国会は何を失ったのか――一般財源原則と政治責任の放棄
安倍元総理が「悪夢の3年間」と表現をした民主党政権時に、消費税の恒久財源化が行われたのです。ただ、当時の国会は一体何をしていたのでしょうか。国会として守るべき原則を見失っていたと言わざるを得ません。①税は原則「一般財源」であるべきです。ましてや、広く国民から徴収した消費税による収入が社会保障だけに使われるというのは、おかしな話です。②歳出配分は毎年、各党の話し合いといった政治判断で決める。③財政規律は、制度ではなく政治責任。配分のシステムを最初に作るのではなく、その都度国会の議論の中でどのように配分するかを決めれば良いのです。
この問題は、財務省の制度的勝利であり、政治の思考停止であり、国会の自己否定です。そして最も深刻なのは、この制度が今なお「聖域」として扱われ、再検証されていないことです。だから消費税の廃止、あるいは税率の低減を唱えると必ず財源論が出てきます。2012年に制定された法律が、口実を与えてしまったのです。
どの政党も消費税について減らす、または失くすということを選挙公約として言っています。一番重要なことは、大元の法律を廃案にする考えがあるかどうかです。一般に「社会保障と税の一体改革関連法」と総称されていますが、正式名称は「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的改革を行うための消費税法等の一部を改正する法律」(平成24年法律第68号)という長ったらしい名称です。この法律によって、消費税率引上げと使途の明確化(社会保障4経費)が制度化されたのです。これには手を付けずに、単に期間限定で消費税をストップするのか、法的根拠そのものを問題視しているのか、有権者はその辺りを見極める必要があるのです。ただ、「一体改革法」のどの条文を問題と考え、どのように改正しようとしているのか、具体的に踏み込んで発言している政党は今のところありません。

(「日本経済新聞」)
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