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 デジタル化の本格的始動を――企業価値を無形資産で判断する時代 / 人材育成の視点がなければ国は劣化する

「1週間前の『日経』(2020.10.13日付)に「無形資産 担保に融資 政府検討」、副題が「不動産偏重見直し」という記事が載りました。小さい記事なので、殆どの人が気にも留めていないと思いますが……」

女性

「土地建物を担保にしての融資はイメージしやすいのですが、無形資産というと、具体的に何なのですか?」

「記事が例として挙げているのが、「企業技術」、「顧客基盤」ですね」

女性

「企業技術は何となく分かるのですが、顧客基盤というのは何ですか?」

「その企業がどのような客層、あるいは取引先を有しているかということでしょう。従来、金融庁はそういったものを評価しての融資を促してきたのですが、その評価が難しく、コストもかかるので金融機関は及び腰だったのです」

女性

「それを本格的に導入しようということなのですね」

「担保制度を変えるので、民法の改正が伴います。来年度には法制審議会(法相の諮問機関)の議論に入る予定とのことです」

「担保制度を変えると、経済が活性化するのですか?」

「今回の措置の狙いは、新興企業を育てようという意図があると思います」

女性

「担保制度を変えて、新興企業が元気になる……。すいません、ちょっと分からなくなってきました」

「今、日本の中堅上場企業で伸びている企業の多くはIT関連企業なのです。例えば、2020年4~6月期の従業員1人当たりの売上高トップだったグレイステクノロジーという会社は、デジタル技術で業務変革を支援する会社です。技術、顧客網はあるのですが、新興だけにまだ資産形成が十分ではありません」

女性

「従来のままでは融資は受けられないけれど、法改正によってその道が開けるということですね」

「そうですね、融資を受けることにより業務の拡大をしたり、人材開発に資金を振り向けることもできますからね」

女性

「ここからが本論です ↓」




 企業価値を無形資産で判断する時代に

企業価値の決定因子が、従来の土地、建物といった有形資産から無形資産に大きく変動しています。それはデータ上からも明らかです。アメリカの主要上場銘柄S&P500の企業価値全体に占める無形資産の割合の推移を見ると、32%(1985年)→68%(1995年)→87%(2015年)と確実に増え、今や企業価値は無形資産ではかる時代になったと言えます。マルクスの労働価値説は、化石の学説になりつつあるのです。

今回の政府方針は、この流れに沿った改革をしようとしているのですが、遅すぎます。日本の経済団体や政府は、昭和の時代の成功体験が強く印象的であったため、その成果の上に立って安穏とした日々を過ごし、平成の「失われた30年」の時代を築くことになってしまったのです。

我々は「お花畑」の中を生きている訳ではありません。周りがすべて日本を応援している訳ではありません。無くなってしまえ、と心の中で思っている国もあります。明治の政府は日本が欧米の植民地政策の餌食にならないように富国強兵政策を採用しましたが、基本的なスタンスは現在においても同じであるべきです。休むことなく、強い国づくりを継続する心構えが必要です。休むということは、攻められるということです。弱くなると、世界から相手にされなくなります。スポーツの世界と同じです。現実は冷徹なものです。

中国の尖閣周辺における領海侵入が、今後は常態化するでしょう。北朝鮮は今月10日の軍事パレードで新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を公開しました。民の生活を犠牲にしてでも開発にこだわった兵器です。それも含めて、あれだけの規模の軍事パレードをする国が世界の中にはないと思います。そういうことを考え、実行する国が日本の近くにあることを真剣に考えるべき時だと思っています。

 

 日本には投資をしたくなるような企業がまだ少ない

少し話が横道にそれてしまいましたが、デジタル化はここ20年来の課題だったのですが、ようやくデジタル庁の創設を手始めに動き始めました。米中に完全に周回遅れなのは明らかですし、さらにそこから引き離されようとしています。

それに関する象徴的な出来事が、つい最近ありました。10月1日の東京証券取引所の売買停止事件です。丸1日システムが稼働せずに、株式取引が全く出来なかったのです。それに対して、アメリカをはじめイギリスといった国際金融界の反応が鈍かったのです。簡単に言えば、冷たい反応だったのです。

そして、実際に外国人投資家は2018年以降、日本株を一貫して売り越しています世界では、日本の将来性に疑問を抱いている投資家が増えているということですし、市場の関心が下がっているということです。そのため、コロナ禍でその経済対策として、日本を含めて世界各国は財政出動をしたために、カネ余りが続いていますが、その割には日本の株価はアメリカと比べて伸びが鈍いのです

それは何故なのか。外国人のあるエコノミストは「日本には投資したくない企業が多すぎる」(梶原誠『東証マヒ』世界がスルー『日経』2020.10.6日付)とのこと。どうしてそんなに魅力がないのか、簡単に言えば株式市場で自浄作用が働いておらず、古い体質の企業が多く残っているからだと言います。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)が上手くいくかは人材育成にかかっている

どうすれば良いのかということですが、そのキーワードがデジタルであり、そのための人材の養成を考える必要があります

デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉を最近は、よく聞くようになったと思います。「デジタルによる変革」という意味です「ITの進化にともなって新たなサービスやビジネスモデルを展開することでコストを削減し、働き方改革や社会そのものの変革につなげる施策を総称したものです」(「マーケティング入門 デジタルトランスフォーメー」https://mtame.jp/marketing_foundation/Digital_transformation/)。

DX銘柄評価委員長の伊藤邦雄一橋大学CFO教育センター長は「社会は全てがデータでつながるデータ駆動型の経済・社会になりつつある。デジタルやオンラインは付加価値として活用するものではなく、オフラインとオンラインの主従関係が逆転した世界、『リアル世界がデジタル世界に包含される』社会になりつつある。この発想転換こそが、企業経営者には求められている」(「DXの加速化に向けて」『日経』2020.10.13日付)と言います。

そして、人材の養成ですが、社会人が学び直すリカレント教育と学校教育の両方を視野に入れたシステムを考える必要があります。リカレント教育とは、生涯にわたり教育と就労を交互に繰り返すことでスキルを高め続ける教育制度のことです。また、学校教育については、教員養成から手直しをする必要があります。従来の「一律一斉授業」を前提にした教員養成ではなく新しい時代に見合った教員養成の在り方を根本的に考える時期に来ていると思います。

持続可能という言葉も最近よく聞くようになりました。持続的に発展するためには、人材づくりの視点が欠かせません。SDGsの中で一番重要な視点だと思います。それ抜きでは、国や組織は必ず劣化するからです。

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