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高校無償化問題を考える ―— 偏差値競争は激烈化し、公立と私立の学校間格差が広がる / 大学院の博士課程の無償化が先

女性

「高校授業料の無償化を維新が提案して、それをどうするかということで与党が協議に入ったというニュースが入ってきました」

「維新にとって選挙公約ですから、そんなこともあって提起したのだと思います」

女性

「ただ、今の段階でも、就学支援金として、かなりの金額が国から出ています」

「年収によって段階が設けられていますが、最大年額39万6千円の支援金が支払われています」

女性

「ただ、それでは私立高校の授業料を払えませんよね」

「支援金はあくまでも「支援」であり、補助なので、元々全額をカバーするという考えはありません」

女性

「支援から、全額援助への大きな転換を図りたいということでしょうね」

「お子さんをお持ちの家は、早く導入して欲しいと思うでしょうね」

女性

「何かと入用な時期ですから、助かると思います」

「趣旨は賛同しますが、制度設計が乱暴です。それが気になります」

女性

「全員一律無償が、ですか?」

「早い話、お金にまったく困っていない人もいますからね。形式的に一律に平等にする必要がないのではないかと思います」

女性

「そういう人たちは多くの税金を払っているので、還元と考えれば良いと思いますけど……」

「成る程、それも一つの考え方ですね」

女性

「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「You Tube/テレ東BIZ」提供です」

 政党は日本全体を見て政策を考えるべし

維新という政党が教育無償化を公約として掲げて選挙を戦い、議席を増やしたので、それを実現すべく政府に働きかけたのでしょうが、政党として日本の社会全体を見渡した上で行動して欲しいと思います教育について何か行動するのならば、幼児教育から大学院までを俯瞰して、日本社会にとって何が政策として良いのかを絶えず考えて欲しいと思います。財源は限られているのですから、その資金をどの部分につぎ込むのかということです。

GDPが3位から4位に後退し、労働生産性は長期低落傾向にあり、2023年はOECD加盟38か国中29位です。データを見る限り、経済大国とは言えなくなってきています。GDPが4位という比較的上位にキープ出来ているのは、先進国の中で日本の人口が比較的多いことと、今までの金融資産の蓄積があるからです。

こういう時は、底辺を広げるよりも、頂点を高くして、社会を引っ張る高度人材を育てることを考えた方が良いのです。「経済界の大谷」を育成するイメージです。高校授業料については、現状でもかなりの補助が出ています。無償化は、底辺を思いっ切り広げる政策です。野球部員を多くしても、必ずしも強くなる訳ではありません

(「読売新聞オンライン」)

 大学院の博士課程の無償化が先

高校生に対する助成金は、世帯年収590万円までであれば、年間39万6千円の助成金を受けられます。それ以上、910万円までは年間約12万円の助成金です。全国どこに住んでいても、これだけの補助が受けられます。

頂点を高くするためには、研究職を目指す大学院の学生に対する助成金を考える時代です。博士課程の場合でも、年間70万円位の学費を支払います。国によっては、博士課程は学生ではないので、無償という国もあるのですが、日本の場合は遠慮なくというか、何も考えず高い学費を課しています。

奨学金があるとは言え、家庭からの援助がなければ経済的に苦しいと思います。だから現状は、経済的に余裕がある家庭の子弟しか大学院に進学できないような状況があります。この時代、研究職を目指す学生に対して、資金面で応援をするということを考えても良い時期だと思います。大学院には修士課程と博士課程がありますが、学問の道を真面目に歩もうとする人たちを応援する意味で、高校学費全面無償化の前に、そちらに資金を投じて欲しいと思っています。

(「リセマム」/東京大学・大学院の授業料)

 偏差値競争は激烈化し、公立と私立の学校間格差が広がる

高校学費全面無償化(高校無償化)が日本経済の活性化、さらには経済成長に繋がるのかという問題です。政策提案者は、そこまで考えて提案すべきです。

高校無償化となれば、高校は全入のような状況が生まれ、私立高校に生徒が流れることになり、私立と公立の学校間格差は益々広がります。公立高校は定員割れを起こすでしょう。実際に東京都では高校無償化を実施していますが、都立高校の1/4で定員割れが起きています。これは改善されることはありません。そうなると、公立高校でほぼ全入という事態が起き、教科書を満足に読めない生徒が入学してくることになります。競争がないところに発展はありません。経済の活性化どころか、停滞を生む可能性もあります。

高校無償化を仮にすれぱ、資金的に余裕ができた家庭は予備校、家庭教師にお金をかけるようになります。偏差値が高い大学を目指そうとする傾向がさらに強まり、その部分の競争は激烈化します。ただ、大学は本来は自分の適性に合った学問を修めるところです。受験競争に巻き込まれると、自分自身の適性や希望が見えなくなり、そのことで自分の進路を見誤る人も出てきます。資金投与をする場合は、様々な影響を考えた上で慎重に行う必要があるのです。

(「Yahoo!ニュース-Yahoo! JAPAN」)

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