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インフレ経済をどう読むか (その2) ―― 積極財政は「正着」である / 「178万円の壁」と国民負担率が示す構造問題

女性

「今の経済現象は、インフレであることが前回の説明で分かりました」

「インフレと言うと、何か良からぬ現象と考える人がいますが、2~3%程度のインフレ状態は、経済が順調だと考えて良いのです」

女性

「大事なのは、この順調な「波」に乗ることですよね」

「我々国民のレベルで言えば、波が良ければ積極的に投資を考える、悪ければ手堅い金融商品または定期預金で状況を見るということでしょうね」

女性

「ウチの会社は、国内の工場を最新式なものにして、海外に事業所を出すみたいです。時機としては、良いんですね」

「経済の波は見えません。感じる力が必要だと思っています。お宅の社長さんは、良い感性をしていると思います。タイミング的には良いと思います」

女性

「設備投資をする場合、優遇税制が適用されることになるみたいなので、それで決断したと今日の朝会で話されていました」

「タイミングを見計らっていたのですね」

女性

「ウチの社長は、経済的な嗅覚が鋭いということで、業界では評判だそうです」

「そういう方こそ、官僚か政治家になって欲しいと思います」

女性

「ここからが本論です ↓ 表紙は「note」提供です」

 積極財政は「正着」である

高市首相が最近多用している言葉が「責任ある積極財政」です。現在の経済状況を踏まえれば、政府の経済政策の方向性としては、正解だと思います。日本経済は、長く続いたデフレ状態からようやく脱して、本格的な経済成長期に入れるかどうかという重要な局面にあります。デフレというのは、簡単に言うと「死に体」です。脈拍0、心臓の鼓動0、体温はマイナスという状況です。だから金利はマイナス金利にまで落ち込んだのです。

長い「死に体」の期間を経て、ようやく蘇生し、いよいよ自由に動き回れるチャンスが巡ってきたというのが、今の状況です。ここで一番重要なのが、政府と日銀の舵取りです。前回のブログで書きましたが、30年前の日本は完全に判断を誤まりました。殆んど、ド素人の舵取りでした。波に乗らなければならない時に逃げて、向かっていってはダメなのに突っ込んで転覆したという感じです。船を引き上げるのに相当な時間がかかります。実に30年もの時間を要したのです。これが「失われた30年」の俯瞰図です。

なぜ失敗したのか。一言で言えば、大局観がなかったからです。航海で大事なことは、航路の前方がどういう状態になっているかを知ることです。そのために、マストの最上部に見張りを置いて、その状況を観察させるのです。さらに重要なのが、その情報を分析して現実の航路を定める判断力です。高市首相の考えておられる方向性は基本的に正しいと思います。今、打ち出されている政策を自信を持って進めて欲しいと思っています。

(「www.amazon.co.jp」)

 「178万円の壁」と国民負担率が示す構造問題

日本は官僚主導の中央集権国家です。そのため、首相が考えている政策がストレートに実行される国ではありません。そこがアメリカとの大きな違いです。国民民主党の玉木代表との党首会談の結果、「178万円の壁」への引き上げについて合意しました。課税最低限の年収をいくらに設定するかという問題です。今までが異常に少ない金額でしたので、178万円と聞いて多いと感じるかもしれませんが、金額的には、かなり低いです。

2024年度までは、103万円。これははっきり言って、異常な数字です。103万円を12で割ると、約8.6万円になります。月9万円で暮らしている人からも税金を取る国だということです。2024年度にこれを160万円に引き上げましたが、これでも月に換算すると13.5万円です。178万円で15.6万円ですが、庶民感覚からすると、もう一段の引き上げが必要でしょう。200万~220万円辺りが妥当な数字だと考えます。

国民負担率のデータを見てみたいと思います。国民負担率とは、国税・地方税+社会保険料の合計が所得に占める割合を示す指標です。2022年が48.4%、23年度は46.1%、24年度が45.8%というように、ほぼ半分が税金と社会保険料で徴収されている計算です。可処分所得が半分しかありません。ということは、税負担が極めて重いということです。

(「FNNプライムオンライン」)

 財源論に囚われる国家と『日本経済新聞』の役割

減税や積極財政の議論になると、必ず財務省筋から出てくるのが「財源論」です。しかし、これは主客転倒の物言いです物事の順番として、絶対に必要なことがあれば、それに見合う財源を捻り出す必要があります。それは、財務省の仕事です。子供が「勉強にどうしても必要」と言って、それにかかる費用の1万円を要求した時に、母親が「その1万円を家計のどこから捻出するのか」と子供に聞くようなものです。子供は家計の全体像が分かりませんので答えられません。つまり、財源論というのは、無理なことを相手に要求していることなのです。

財務省の「機関紙」かなと思うような立ち位置から報じているのが『日本経済新聞』です。高市首相の積極財政論に驚いて、早速単独インタビューをしています(『日経』12.24日付)。人は関心のあることを真っ先に聞きます――「積極財政が財政悪化や円安を招く懸念はないか」。財務省の最大の関心事がここにあることが分かります。そして、それと同時に「金庫番的発想」を相変わらずしていることも分かります。

積極財政によって財政が健全化することもあります。どういうことか。企業で説明します。融資された100億円を使って事業を拡大し、収益を上げたので会社の資本金を50億から100億円にした、といったことがあったとします。企業規模が2倍になれば、借金の100億は半分の負担になるということです。現代の大企業の殆んどすべては「積極財政」をしています。積極的に融資を受けて、業務を拡張して、収益を増やすことを考えています。借入金を恐れて、収入の範囲内での事業しか考えていないような企業は今の競争社会から淘汰されるでしょう。国も同じです。国債残高が増えたと騒ぐのではなく、GDPを増やすことを考えれば良いのです。国のGDPが2倍、3倍に増えれば、債務は1/2、1/3というように相対的に減っていくからです。そして、経済力が強くなれば、通貨も強くなります

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