
「トランプ大統領がSNSにイスラエルとイランが停戦合意したと発表しました」

「えっ、そうなんですか?」

「まだ、イスラエルとイランの双方から正式発表はないのですが、今日(6/24)の朝一番のニュースで言っていました」

「イランはアメリカに報復すると言っていましたけど……」

「予告した上でミサイルを十数発撃ったそうです。全部撃ち落とされたみたいですけど……」

「腰が引けている感じがします。それはともかく、どうなってしまうのかなと思っていましたので、取り敢えず安心ということですね」

「そうですね。早速、原油市場、株式市場が反応しました。ただ、お互いに次に向けて準備をすると思います」

「そういうものなんですか? なぜ、そこまで争わなければいけないのですか?」

「両者の対立は、宗教上の対立もあるし、民族間の対立もありますので根が深いものがあります」

「対立がどのような歴史の中で形成されたのか、語って欲しいと思います」

「そうですね、新聞ではその辺りの事は報道しませんからね」

「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「NHKニュース」提供です」
イランはなぜ核開発にこだわるのか
イスラエルだけでなく、アメリカが本格的に参戦してくるような事態になれば、イランには到底勝ち目がありません。このまま対立が激化すれば、取り返しのつかない甚大な被害を被る可能性があるため、それを何としても回避したいという思いがあるのでしょう。
イランは、イスラエルやアメリカから強い反発を受けながらも、核開発を止めようとはしてきませんでした。では、なぜそこまで核開発にこだわるのでしょうか。
一つには、イランの地政学的な立場があります。中東という不安定な地域にあり、周囲にはアメリカ軍が展開する湾岸諸国、核保有国とされるイスラエル、かつて激しい戦争を繰り広げたイラクがあります。さらに、アフガニスタンやパキスタンといった政治的に不安定な国々にも囲まれています。こうした環境において、核能力を「抑止力」として保持することが、国家の生存戦略だと主張してきました。これが表向きの説明です。
しかし実際には、イスラエルを核によって消滅させるという攻撃的意図を秘めていると見る向きもあります。最高指導者ハメネイ師をはじめとする指導層は、「イスラエルは地図から消えるべきだ」と繰り返し発言してきました。また、革命防衛隊の幹部が「核はイスラエルに対する最終兵器だ」と公言したこともあります。こうした発言に、イランの本音が垣間見えると言えるでしょう。
(日テレNEWS NNN-日本テレビ)
イスラエルの攻撃性の背景にあるもの
なぜ、イランとイスラエルはここまで対立しなければならないのでしょうか。その根底には、宗教と民族の複雑な歴史が関わっています。イスラエルはユダヤ人の国家ですが、その原点である古代ユダ王国は、かつてパレスチナの地に存在していました。しかし約2500年前に滅亡し、その後ユダヤ人は世界各地、特にヨーロッパを中心に離散することになります。各地で常に少数派として差別や迫害を受ける中で、ユダヤ教は民族的な結束の核となっていきました。
パレスチナは16世紀以降、オスマン帝国の支配下にあり、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が共存する多宗教地域でした。しかし19世紀後半になると、帝国主義の進展によりオスマン帝国が弱体化し、ユダヤ人の間に「シオニズム運動」が起こります。これは、パレスチナの「シオンの丘」に戻り、ユダヤ人の国家を再建しようという運動です。その後、ユダヤ系資本によるパレスチナの土地買収が進み、1947年には国連で「パレスチナ分割決議」が採択され、アラブ人とユダヤ人による二国家共存が提案されます。この際、宗教的な聖地であるエルサレムは国際管理都市とされ、いずれの国にも属さない扱いとなりました。
しかし、1948年のイスラエル建国宣言直後に中東戦争が勃発し、その後第4次まで続く戦争を経て、イスラエルは勝利を重ねるごとに領土を拡大していきます。最終的にはエルサレムも占領され、現在ではガザ地区への攻撃を「ハマス掃討」として継続していますが、全域を支配する勢いです。イスラエルは「世界中から同情されながら滅ぶより、世界中から憎まれても国家を守る」との信念を持ち、強硬姿勢を貫いています。その攻撃性は、今後も簡単には緩むことはないでしょう。
(「朝日新聞」)
宗派を越えた中東の新たな均衡
1979年のイスラム革命以来、イランは一貫して反米・反イスラエルを掲げてきました。もともとイランは親米の王政国家でしたが、国王の独裁的統治に反発して、イスラム教シーア派の宗教指導者が指導する革命が起こり、イスラム共和国となったのです。革命以降、イランでは国民による大統領選挙が実施されるようになりましたが、実際には大統領よりも上にイスラム法学者による指導体制が存在し、その頂点には「最高指導者」が君臨しています。これは、シーア派独自の統治思想に基づくもので、終末に出現する救済者(マフディ)が現れるまでの間、イスラム法学者が民を導くべきだという教義に根差しています。
ただし、イスラム世界全体で見ると、シーア派は少数派に過ぎず、全体の10〜15%ほどとされています。圧倒的多数を占めるのはスンニ派で、彼らは預言者ムハンマドの後継者を「合意によって選ばれるべき」と考えます。これに対し、シーア派はムハンマドの血縁者こそ正統な後継者であると主張します。
歴史的には両派は深刻な対立や争いを繰り広げてきましたが、現在では一定の自制が働いています。スンニ派を代表する国の一つであるサウジアラビアは、これまでイランと激しく対立してきましたが、近年は対話路線へと転換しています。今回のイスラエルとイランの衝突についても、サウジは中立の立場を保ち、冷静に事態を見守っているように見えます。
(「Yahoo!ニュース-Yahoo! JAPAN」)
読んでいただきありがとうございました。
よろしければ「ブログ村」のクリックをお願いします。
↓