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安倍首相辞任問題――後継問題に話題が行きすぎ / 成果と課題について分析する必要あり

「先日、安部首相が在任記録を作ったので安部内閣の論評をしたのですが、途端に辞めるということになってしまいましたね」

女性

「ホントですね。あれから、すぐですからね」

「ただ、人間としての礼節を欠く文章を書く議員がいたり、記者会見でけんか腰で質問する記者がいたり、業績を全面否定する記事を書く新聞社があり、感心しない事案がいくつか目につきます」

女性

「今日の『毎日』の社説が典型ですね。「華々しく登場したが、大きな成果は残せず舞台を去る」とあります」

「『大きな』という表現がいやらしいですね」

女性

「突っ込まれた時のために、逃げ道を用意しているのですね」

「そうです。後で何らかの成果があるではないかと仮に言われた場合、「小さな成果」と言って逃げることができます」

女性

「逆に、その社説の中に、「小さな成果」として認めているようなことがあるのですか?」

「読む限りにおいては、ありません。安部政治の8年間を全面否定をしています」

女性

「全面否定、全面肯定は新聞の社説としては、失格だと思います」

「民主主義の時代なので、国民のある程度の支持がなければ8年以上に亘る政権を維持するのは不可能です。それを全面否定するということは、支持した国民を批判していることに繋がります」

女性

「何をそんなに批判、さらには否定しているのですか?」

「表題が「重くのしかかる負の遺産」となっていることから分かるように、アベノミクス、つまり経済政策に的を絞っています」

女性

「対案が示されているのですか?」

「一応「無駄な歳出を削り、財政立て直しの道筋を示すべき」と言っていますが、抽象的な指摘に止まっています」

女性

「批判している側も、どうしたら良いか分からないのでしょうね」

「お互い分からない同士ですが、3人寄れば文殊の知恵です。しかし、寄り添う気持ちがなく、遠いところから批判をしているようでは、何の解決にもなりません。野党と同じポジションで叫んでいるようなものです」

女性

「ここからが本論です ↓」

 相手に寄り添うことによって、対案は生まれる

アベノミクスは、実を結ばずに散る『あだ花』のように終わる」(『毎日』2020.8.31日付)――侮蔑的な言葉からは、何も生まれません。自身の新聞の品位を自ら落とすようなものです。悪口を言う方は気持ちいいのかもしれません。もしかしたら、その悪口を聞いた人が全員自分の味方で同じように共感してくれると思っているのかもしれませんが、それは大いなる錯覚です。本人は胸がスカッとするかもしれませんが、それを傍で聞いている人は気分を悪くしているものです。

批判をしてヒーローになったつもりでいても、周りはそうは見ていないことが多いのです。野党の支持率が上がらない、左翼系の新聞の部数が減るのは、そういうことです『Hanada』とか『Will』といった保守系雑誌が部数を伸ばしているのと対照的です。

相手に寄り添うことによって、対案は生まれます。最近は、新聞記者のパフォーマンスが変に目立つようになりました。『THEMIS』は、そういった風潮を批判しつつ、「臨時国会を欲求する野党は、吠えるだけでなく政権が採用せざるを得ない政策で勝負するときだ」(9月号)と、指摘しています

 

 経済政策を評価するためには、多面的な視点が必要

話を戻します。『毎日』がやり玉に挙げているのは、金融、財政政策ですが、経済政策を評価するためには、多面的な視点が必要です。単純に、財政赤字が増大したから云々という論理は、成り立たないのではないかと思っています。財政赤字というのは、2面性があるからです。借金という面と投資という面です。一般的に、借金はなるべくしない方が良いのですが、投資は肯定的に評価されることが多いからです。

ただ、政府が使うお金が借金と投資に類別されている訳ではありません。そこに評価の難しさがあります。例えば、企業でも融資を受けて企業活動の規模を大きくすることがあります。その際の「融資」をどのように評価するのかということです。その融資が肯定的に評価されるか、そうでないかの違いは、要するにその後の企業活動の成果によります

つまり、融資を有効に活用して多くの収益を得られれば、「良い借金」ですが、収益が得られず企業が倒産に追い込まれるようでは「悪い借金」となります。だから、単純に融資を受けた段階では、評価をすることはできないのです。以上の考え方を国家に置き換えてみると、「財政の大盤振舞い」をしたからといって、それだけでは批判するに当たらないのです

ただ、確かに少子高齢化と人口減という問題を解決しないと、今までの財政出動が一挙に借金の山となり、そこから雪崩が起きる可能性があることは確かだとは思います

 

 後継人事に話題が移っているが、何が課題なのかを明らかにすることが重要

ア、憲法改正

戦後75年経ってしまったが、憲法改正が全く手つかずのまま残ってしまった不磨の大典ではないので、時代と合わなくなった条項はその都度改正していく必要がある。新しい人権など付け加えた方がいい項目もある。

『日経』の世論調査によると77%が憲法改正に向けて議論をして欲しいと思っている。野党は安倍内閣の下では議論はしたくないと言っていた。安部首相が退陣をするので、次の内閣の下では、議論をして欲しいと思う。

 

イ、中国問題

中国とどのような距離をとっていくのか、これが今度の内閣が最初に考えなければいけない問題かもしれない安倍内閣は二階幹事長の政治姿勢もあり、中国に対して脇が甘い政権であった

オーストラリア、イギリス、インドが次々と反中国の態度を鮮明にする中で、日本はあいまいな態度をとっている習近平国家主席の国賓としての訪日が、まだ取り消されないままになっています。これは政権中枢の二階派と公明党の存在が大きいと思われます。次の総理大臣がこの両者とどのような距離をとれるか、中国問題を占うカギとなっている。

 

ウ、皇統問題

男系による皇位継承を126代にわたって続けてきたので、これを素直に守り抜くことが日本の国民に課せられた義務だと思います。皇室典範で定める皇位継承者は現在3人おられます。皇位継承者がおられるうちは、女性天皇、女系天皇という議論をするのは時期尚早です。

次世代の継承者と言えるのは、悠仁親王殿下一人しかおりません。皇位の安定的継承を考えると、今のうちに手を打っておく必要があります。安倍内閣の時に具体的に何もしないまま、手つかずで問題を先送りしてしまったのです。

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