
「読売新聞が女系天皇容認の記事を15日付朝刊で出したのですが、波紋が広がっています」

「朝日、毎日なら分かりますが、読売が出したのは、意外ですね」

「そうですね、それは私も感じます」

「何があったのですか?」

「読売の理屈は、「男系か女系か」の前に「世襲をいかに維持していくか」を優先にすべきというものです」

「男系にこだわっていると、途絶えるかもしれないということですね」

「ただ、それは理由になりません。今まで先人たちが叡智を絞り出して男系皇統をここまで守ってきたのですから、それを受け継ぐようにしないといけないと思います」

「バトンの色を変えてはいけないということですね」

「何かを変えると、必ずそこから新たな問題が派生します。そのことによって、国が混乱することも出てきます」

「結婚をして皇籍を離れた真子さまのお子さんも資格が出てくるということですか?」

「女系容認となれば、そういう問題も出てくるでしょうね」

「ここからが本論です↓ 表紙写真は「news.infoseek.co.jp」提供です」
皇族数の減少と旧宮家の復帰の必要性
2005年の小泉政権下における有識者会議では、母方のみが天皇の血を引く「女系天皇」の容認案がまとめられました。今回の読売新聞の意見は、もしかしたらそれが念頭にあったかもしれません。ただ、その時は悠仁さまがお生まれになって立ち消えになったのです。そして、この20年間で4人の女性皇族がご結婚により皇籍を離脱し、4人の皇族が逝去されたことで、皇族の絶対数が大きく減少しています。まずは、この深刻な減少をどう補うかが喫緊の課題です。
現在の皇室には、昭和天皇の血筋にあたる秋篠宮家、常陸宮家、昭和天皇の弟君である三笠宮家、その系統の高円宮家の4つの宮家しか残っていません。しかし、かつてはこれ以外にも11の宮家が存在しており、終戦後にGHQの方針で皇籍離脱を余儀なくされました。当時の宮内省次長は「万が一にも皇位を継ぐ時がくるかもしれません。その御自覚の下で身をお慎しみになっていただきたい」と言葉を残したと伝えられています。
現在でも、旧宮家の子孫の中には高い倫理観と自覚を持ち続けている方もいます。まずは、こうした旧宮家の一部を皇籍に復帰させることが、歴史の流れとしても自然であり、皇統維持の現実的な手段だといえるでしょう。
(「BIGLOBEニュース」)
女系容認論とその政治的背景への懸念
現在の皇位継承問題に関する与野党協議の土台は、政府の有識者会議がまとめた「男系継承の維持を重視する」報告書にあります。与党の自民党・公明党のみならず、日本維新の会や国民民主党もこの報告書を高く評価しています。そうした中で、読売新聞が女系容認に踏み込んだ意見を示したことは、土台を揺るがすものとして波紋を呼んでいます。いつから左翼新聞になったのでしょうか。
一方で、立憲民主党の野田代表がこれに賛同する意向を示したものの、党内で女系容認が一枚岩であるとはいえません。立憲内にも男系維持を日本の伝統と見なす声が根強く存在します。
また、共産党などは男女平等の観点から女系容認を主張しますが、彼らは皇室制度そのものを否定しようとする立場です。女系天皇の容認を「皇統の継続を前提とした柔軟な対応」と見るか、「皇統を断つための布石」と見るかで、議論の意味合いは大きく異なります。女系天皇を実現させて、ゆくゆくは廃止に持っていきたいと考えている勢力もあるのです。違いを見極める冷静な視点が必要です。
(「You Tube」)
男系継承の宗教的・哲学的根拠
男女平等の価値観は、世界史的に見れば18世紀以降に成立した比較的新しい概念です。そうした後発の価値観で、日本の皇室という長い伝統を裁断するのは妥当とはいえません。西欧の王室では男女を問わない「長子継承」が主流ですが、それをもって日本の皇室を「女性蔑視」とするのは短絡的です。王室と皇室は制度の起源も役割も異なり、単純比較すること自体が誤りです。
日本の皇室が男系であることには、深い宗教的意味があります。天皇は単なる元首ではなく「祭祀王」としての役割を担っており、『古事記』や『日本書紀』によると天照大御神から「治らす」ことを託されたニニギノ命の曽孫の神武天皇が即位しています。天皇陛下は代替わりの際に、大嘗祭において伊勢神宮の天照大御神に「御告文」を奏上されるなど、今なお祭祀の中心です。
また、「なぜ天照大御神が女性なのに男系なのか」との疑問には、陰陽思想が背景にあります。イザナギ(陽)から生まれた天照大御神は陰に属し、その子孫たる天皇は陽の存在であるため男性であるべきとされます。そして天皇と国民との関係も陽と陰となります。陽と陰なので、お互い補いあうという意味合いがあります。日本の統治の考え方は家族主義的国家観です。天皇は一方的に国民を統治するのではなく、国民と共に歩むという考え方です。
この世界を偶然の集積として見るのではなく、陰陽の原理という必然の法則が働いていると見るのです。それを尊重することが伝統の継承といえるのです。
(「クラシエ」)
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