
「前回は医療問題について話をしましたので、今日はもう一つの話題でいきましょうか」

「保守党の問題ですか? ユーチューブでいろいろ発信されていますが、内紛から発展した問題です」

「今月号の『Hanada』に掲載されたのは、誰の文章ですか?」

「飯山あかりさんです。昨年の4月に東京15区の衆議院補選に立候補した方です」

「当選できなかったのですよね」

「保守党という政党自体の知名度が低かったですからね」

「どのくらいの票を取ったのですか?」

「今、調べてみますね……。約2万4千票を取って3位ですね」

「結構、得票されたのですね」

「そうですね。参政党より多かったですからね。本人は当選できるとは思わず、知名度を上げるための選挙だったと言っています」

「その後、衆議院選挙で保守党は3議席得ています。私は比例区は保守党に入れたので、よく覚えています」

「まだ、できたてのホヤホヤのうちに内紛を起こしている様では、先が思いやられますね」

「少し、がっかりしています。ここからが本論です ↓表紙写真は「Campaign Japan 日本」提供です」
日本人の最大の欠点——歴史から学ぼうとしない
現代日本において、「保守」という言葉は曖昧なまま使用されることが少なくありません。月刊『Hanada』2024年5月号の「保守とは何か」という特集では、識者たちがそれぞれの立場から定義を試みています。「天皇を中心とする伝統」(竹田恒泰)、「人の道に立ち返ること」(小川栄太郎)、「生活者の生き方に根ざした反近代思想」(三浦小太郎)など、多様な意見が並びました。しかし、これらを貫く共通項は、日本という国の根本的な価値、すなわち「日本らしさ」を守ろうとする点にあります。
日本らしさとは何か。それは他国にはない文化や伝統、そしてそれを育んできた歴史に他なりません。つまり、保守であるならば、歴史を深く理解し、それに学ぶ姿勢が不可欠です。しかし残念ながら、日本人はしばしば歴史を軽視しがちです。好悪や善悪の感情によって歴史を切り捨ててしまう傾向があるのです。
かつて歴史家の伊藤隆氏は「歴史から学ぶものはない」と述べましたが、それが許されるのは、歴史を徹底的に検証し尽くした者のみです。日本人が保守の意味を見失っているのは、まさにこの「学ばない姿勢」に原因があるのかもしれません。
(「潜在意識と引き寄せの法則で……」)
天皇について
「天皇」という称号が使用されるようになったのは、7世紀の天武天皇の時代からです。それ以前は「大王(おおきみ)」と呼ばれていました。天皇という言葉はもともと中国語で北極星を意味し、自らは動かず、周囲の星を中心に据える存在です。天文学に造詣の深かった天武天皇は、その象徴性に惹かれ、また当時の東アジアにおける国際関係を睨んで、この称号を採用したのではないかと考えられます。
当時、新羅は勢力を拡大し、中国の唐とは冊封関係にありました。そうした状況で、「皇」の字を用いることにより、新羅に対する政治的プレッシャーを意図した可能性もあります。しかし、ここで注目すべきは、日本における「天皇」と中国の「皇帝」との根本的な違いです。中国では皇帝の上に「天」があり、皇帝は天命によって統治権を与えられる存在でした。失政が続けば「天命は革(あらた)まる」、つまり王朝交代が正当化されるのです。
一方、日本では「天皇」と「天」は同一視され、天の上位者が存在しません。そのため、日本においては「革命」という思想が発生しにくく、政権交代はしばしば天皇の権威を温存したまま行われてきました。権力を握った者は、常に天皇の権威を借りることを考えてきたのです。この点においても、歴史と制度を通して日本の独自性を再確認することができます。
(「You Tube」)
都合の悪い話を捨て去る国
日本文化には「言霊」や「水に流す」といった考え方があります。これは言葉に宿る力を信じ、悪しき出来事は早く忘れた方が良いという心理的傾向です。しかし、この姿勢は歴史認識の面では大きな問題を生みます。都合の悪い歴史を封印し、なかったことにしてしまうからです。
たとえば、663年の「白村江の戦い」で日本が大敗した事実は、戦前の教科書には掲載されていませんでした。国家としての失敗を歴史から削除すると、教訓を得る機会が失われてしまいます。明治維新後には「過去の日本は誤っていた」として西欧化が急速に進められ、戦後も「平和国家」への転換が過去の否定として語られました。
敗戦時には、多くの軍事文書が焼却され、専門家たちも悪しき過去には沈黙を守る傾向があります。こうしたことで歴史の継続性が断たれ、保守の土台が失われがちです。国家も人間と同じく過ちを犯します。大切なのは、それを直視し、未来に活かすことです。しかし日本では、過去を「なかったこと」にしてしまう文化が、その機会を閉ざしているのです。
(「ナチュラルクリーン」)
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