「処理水の放出が始まったのですが、日本の公的機関に中国から抗議の国際電話が殺到しているみたいですね」
「31都府県の警察に125の相談があったとのことです。中国からの苦情の電話にどう対応したら良いかという相談でしょうね」
「日本人は処理水の放出に対して比較的冷静に受け止めているように思いますけど……」
「そうですね。IAEAとも密接に連絡を取りながら処理水の放出について慎重に進めましたからね」
「トリチウムについて、もう少し専門的な説明が欲しいと思っています」
「トリチウムについて調べてみました。水素に中性子が2つ付いている不安定な元素だそうです。そのうちの1つの中性子が離れる時にわずかな放射線を出すそうです」
「その放射線というのは、大丈夫なんですか?」
「放射線についても調べてみたのですが、人間は身の周りのもの、例えば大気中、大地、食べ物などから放射線を受けて生活していることが分かりました」
「じゃあ、大丈夫ということですね」
「トリチウムは、化学的には水素なので、魚に留まることとはないし、凝縮化も起きないとのことです」
「ということは、食べても平気ということですね。昨日のテレビで沖で魚を捕まえて検査をしたり、食べているシーンがありましたよね。あのパフォーマンスは却って不安な気持ちになってしまいます」
「トリチウムがまるで毒物のようなものとの印象を与えることになります」
「そもそも中国も原発処理水を海に放出しているんでしょ?」
「日本より高い濃度で放出しています。もっとも、日本はWHOの示す基準の1/7なので、かなり良心的だと思っています」
「ここからが本論です ↓ 表紙は「You Tube」からのものです。」
処理水放出問題を政治的に利用しようとしている
中国は処理水問題を政治的に利用しています。福島の処理水のデータは中国も知っているはずです。そして、自分たちの原発処理水と比較して、問題ないことも知っているはずです。ちなみに中国の秦山第3原発は福島の6.5倍、陽江原原発は5倍、紅沿河原発は4倍です。
『産経』の記事(8/25日付)によると、2020年の秦山原発のトリチウムの年間排出量は218兆ベクトルとのこと。福島第一原発は22兆ベクトルです。韓国の月城原発が71兆ベクトルなので、周辺国と比べても少ない量です(下のグラフ参照)。
データ的に何の問題もないのに、何故全面禁輸措置を取ったのか。要するに、単なる口実として利用しただけです。日本からの海産物の全面禁輸という結論があり、その口実を探していたところ、処理水問題が出てきたので、利用しようということになったのです。何のために、それは「籠城」するためです。
(「ダイヤモンド・オンライン」)
禁輸措置の解除はないだろう
台湾侵攻が行われれば、世界は経済制裁を課してきます。特に台湾と友好関係にあるアメリカや日本は、何らかの経済制裁をするでしょう。その場合、一番困るのが食料です。日本からの海産物はかなりの量なので、これを日本主導で止められれば中国内に混乱が生じるという読みです。
今のうちに止めてしまって、その分の海産物ルートをタイやマレーシア、カンボジアといった東南アジア諸国に切り替えてしまおうという考えだと思います。
日本の政府は禁輸措置の早期の解除を呼び掛けていますが、処理水に原因があるのではないので、解除されることはありません。海産物の新たな販路を大至急手当てをする必要があります。
(「読売新聞オンライン」)
「退林還耕」のスローガンのもと自給自足体制を進める
現在中国で「退林還耕」ということで緑地や森林を耕作地に変えるという動きが急速に広がっています。食料安全保障という名のもとに、自給自足体制を急速に進めています。ただ、木を切って段々畑(下の写真)にすると崖崩れが起きやすくなります。森や林を無くせば、沿岸漁業が壊滅しますし、治水も難しくなります。
中国では土地の私有は許されておらず、国有または公有というかたちを取っています。土地の使用権が承認された上で、土地に建物が建てられたリ、農作物の耕作が行われたりということになります。ただ、法的に問題なのは、使用権がかなり弱いことです。例えば、土地の使用権を得て、そこで店を開いて商売を営んでいたとします。国の都合でその使用権を勝手に取り消すことができるのです。
日本では考えられないことですが、その記事が『日経』(8/24日付)に掲載されていました。四川省成都市で観光客に人気の火鍋レストラン「スター・シャイニング・イン・ザ・クラウド」が閉店したそうです。理由は、店を更地にして、そこを耕作地にするためです。習近平指導部の方針はトウモロコシと大豆の増産です。大豆の約75%を米国とブラジルからの輸入に頼っているので、その数値を減らそうと考えているのです。今まで、バナナやしょうがを作っていた農家もありますが、強制的に転作をさせられています。とにかく、国の指令が絶対の国なのです。
(「weibo.com」)
読んでいただきありがとうございました。
よろしければ「ブログ村」のクリックをお願いします。
↓