「中国では、爆食いが流行っていたらしいのですが、習近平の鶴の一声で動画の投稿も多めの注文もダメになったそうです」
「どうしてなのか分かりますか?」
「食べ物を大切にしましょうというキャンペーンの始まりということですか?」
「食料不足が現実の問題になるかもしれないと思い始めたようです」
「長雨の影響ですか?」
「長江上流の大洪水やバッタの来襲、東北部の干ばつということで、従来通りの収穫には程遠いということらしいです」
「ただ、中国は大量に農作物を輸入する国ですよね」
「主にアメリカ、それからオーストラリアから輸入しています。ただ、両国とケンカをしている状態なので゜、追加で輸入措置ができないと踏んでいるのだと思います」
「素直に謝って御免なさい、これからは良い子でいます、と言えばいいのに」
「それができないのが中国なのです」
「謝れない子は損すると母親がよく言っていましたけど……」
「ただ、日本は不必要に謝って損をしています。国際社会では、謝り方が難しいのです」
「ここからが本論です ↓」
中国の世界支配戦略、本格的に稼働し始める
中国の世界支配戦略が本格的に始まりました。先日の南シナ海への弾道ミサイル4発は、その合図だったようです。米国防総省が9月1日に「中国の軍事力に関する年次報告書(2020年版)」を発表しています。それによりますと、中国は現在核弾頭を少なくとも200発持っていること、さらにその量は今後10年間で少なくとも2倍になるだろうと予測しています。
さらに射程が500~5500キロの地上配備型の中距離ミサイルに関しては、弾道ミサイルと巡航ミサイル合わせて1250基以上を持っていると分析しています。南シナ海の軍事拠点化を現在進めていますが、ジブチ、ミャンマー、タイ、ケニア、タンザニア、タジキスタンなどに軍事施設を設けています。アジアからアフリカにかけて、巨大な軍事ネットワークを構築し、支配網を完成させようと考えているのです。
中国は建国100年となる2049年までに経済、軍事面で世界をリード、さらには支配する大国になることを目標にして動き始めたのです。経済、軍事面でトップに立てば、国際舞台で政治的発言力は増します。それと同時に、国連の専門機関のポストを意識的に取りにいっています。現在、国連食糧農業機関(FAO)、国連産業開発機構(UNIDO)、国際電気通信連合(ITU)、国際民間航空機関(ICAO)の4つの組織のトップは中国人が務めています。
こういうふうに書くと、多くの人材を協力的に出しているので、褒められるべきではないかと思う人がいるかもしれませんが、中国から派遣される人間はいわゆる「ひも付き」なのです。かつて、2018年10月、中国は国際刑事警察機構(ICPO)の孟宏偉総裁を逮捕したことがありました。理由は「党の決定に従う」ことを拒否したからです。刑事事件を引き起こしてしまったならば仕方がありませんが、党の決定を拒否したからという理由で国連の要職にある者を逮捕することは、国際常識に反します。
ただ、中国共産党は国連を事実上の支配下にやがては置きたいと考えているので、組織のトップが勝手に個人の判断で行動してもらっては困るということでしょう。
日本版「韜光養晦」(とうこうようかい)作戦の構築を
「韜光養晦」というのは、国力が充分でない時はそれを蓄えることに腐心しろというような意味です。言葉としては春秋戦国時代の頃からありますが、鄧小平が中国の国家戦略として使ってから有名になった言葉です。
しかし、その方針は中国が経済力、軍事力を増すに従って脇に追いやられることになります。2010年に中国がGDPで日本を抜いて2位になります。そして、2012年に日本が尖閣諸島を国有化しますが、その頃から「韜光養晦」はアメリカとの関係において使えば良いのであって、それ以外の国の時は、もう使う必要がないのだという意見が政権中枢あたりから出てきます。
その辺りから日中関係に暗雲が漂い始めます。中国進出の日本企業は、2012年をピークに(14393社)退去が始まりますが、動きは緩慢です。2019年には、13685社となりますが、在中国企業のうち80%は撤退を考えていないとのこと、「日本企業はまだ中国にのめり込んでいる。感性が鈍いのか、国際情勢に無知なのか」(宮崎正弘「かくして香港は殺される」『正論』2020.10月号)。と問いかけています。
政党も極めて動きが鈍いと思います。政府も未だに習近平国賓来日を断念していません。物事は全体を俯瞰しつつ、個々の事案について見ていかないと、立体的に認識できず、場当たり的な対応に終始することになります。そうなると、ただ相手の顔色だけを窺って政治活動をするようになります。
とにかく日本としては、かつての鄧小平が唱えた「韜光養晦」の日本版を行うことです。現在日本は、完全に下り坂モードに入っています。そのことすら分かっていない政治家や財界人がいます。モノづくりを支えるのは人材なので、人づくりから見直すくらいの総点検をして、足元を固める必要があります。韓国や中国で生産活動している時代ではなくなりつつあります。国際情勢が大きく変化すれば、現地法人が資本接収される恐れがあるからです。韓国では、実際にそういう動きになっています。
戦後の日本外交は失敗の連続――「麒麟」待望論
歴史を振り返ってみると、1930年代から敗戦を挟んで、現代まで日本外交は失敗と失態を繰り返しています。
原因の第一は、歴代政治家の日本の歴史と法制度についての勉強不足です。例えば、韓国や中国から歴史を捏造するような事案が出てきても、まともに反論できていません。靖国参拝や教科書問題などは「内政干渉するな」の一言で終わるのに、何か言われて腰を抜かしている有様です。その姿を見て、さらに重ねて要求され、反日のマスコミがそれを見てさらに乗っ掛かってくるという図式です。
日韓基本条約、日中平和友好条約を結ぶ際も、詰めることを行っていないので、結局後で問題が生じているのです。
そして、朝鮮民族、中国人の特性を念頭に置かずに、日本人と交渉するような感覚で話し合いをしているように思えます。
落合道夫著 『中共の正体』(ハート出版.2020年)の中で彼らは、日中友好と言いながら攻撃してくると言っています。まさに、今の状況がそうです。「笑裡蔵刀(しょりぞうとう)」という言葉は、顔で笑って手にナイフという意味だそうですが、笑顔に気を付けろ、中国人の本当の姿は3年付き合わないと分からないそうです。
この書の中に「日中民族性の違い」(221ページ)という項目があります。中国人はご馳走したりお金を握らせたり、女を抱かせるのは達人だそうです。中国の社会は不安定なので、人々は生き残るために知恵や嘘や脅しなどを駆使するようになった。日本は社会が比較的安定していたので、正直をよしとする日本人が多いと、日本に帰化した中国の人の話が紹介されています。
隣国がどのような国であったとしても、国として真っすぐの道を歩んで欲しいと思っています。かつて、哲人政治を説いたプラトンは、哲学者が政治家になるか、政治家が哲学者になるか、そうすれば理想の政治を実現できると言いました。彼が言う哲学者とは、理想のイデア世界を見る事ができる人のことです。
未来と全体社会を見据えて、国家が歩むべき正しい方向性を指し示すことができる政治家の出現が待たれます。先般亡くなられた台湾の李登輝のような方です。日本にも、「麒麟よ出でよ」と思っています。
読んで頂き、ありがとうございました。
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