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SDGsの項目の中で、最も大切な項目は「質の高い教育」 / 人づくりが持続可能な社会かどうかの鍵を握る

女性

「女性なので、比較的教育問題に関心をもっているのですが、今日(9/4)の『日本の子、幸福度最低水準』のニュースはショックだったわ」

「ユニセフ(国連児童基金)の調査ですが、先進・新興国の全部で38か国を対象としたそうですが、「精神的な幸福度」では37位だったそうです」

女性

「下から2番目、最低レベルだということがわかります」

「「精神的な幸福度」という言葉自体がよく分からないのですが、どのようにして数値化したのですか?」

女性

「生活満足度と自殺率の2つを数値化したみたいですね。自殺率が高かったので、全体順位が下がったようです」

「自殺をする子供たちが、そんなに多かったのですか?」

女性

「10万人当たりで何人という数字が出ているのですが、日本は7.5人だそうです。最小がギリシャの1.4人で、単純に5.4倍の数です」

「どうして自殺に至ったのか、その辺りを分析する必要がありますね」

女性

「一人ひとり事情は違うのでしょうが、データ化してある程度普遍的な理由を探る必要があると思います」

「人は未来に希望をもてなくなった瞬間に自殺を考える動物です」

女性

「あと、自分の価値を過小評価してしまうと、自殺を考えるかもしれません」

「一言で言えば、家庭環境と学校環境が悪いと自殺が増えます。その辺りを分析して改善する必要があるということだと思います」

女性

「自殺率を下げるためには、2つの環境についての改善が必要ということですね」

「子供の心はガラスのコップのようなものです。その位にデリケートなものに接するという気持ちで子供たちに接することができれば、自ずと解決する問題だと思います」

女性

「具体的には、児童虐待、いじめ、不登校といった問題を解決しないと、数字は改善しないでしょうね」

「それらのデータを見るとすべて悪くなっています。改善がなければ、自殺率も高くなると思います」

女性

「ここからが本論です ↓」

 SDGsの中に「質の高い教育」という項目があるが、何故か忘れ去られている

SDGs(持続可能な開発目標)という言葉をよく聞くようになりました。17項目について、2030年までの目標達成を呼び掛けています。この項目の中に「質の高い教育」という項目があるのですが、不思議と、これが話題になったことが殆どありません。

これは一体、どうしてなのかと思っています。もしかしたら、日本ではすでにクリアーされていると思い込んでいる方が多いのではないでしょうか

ただ、SDGsが求めているのは、単なる教育ではなく、「質の高い教育」です。つまり、無償の義務教育制度や高等教育制度が整備されている程度では、「質の高い」とは言いません。質の高さというのは、当然時代の推移とともに上がっていくものなので、自分の受けた教育環境と単純に比較するだけではなく、為政者は絶えず他国の教育内容、教育環境と比較をする必要があります

つまり、50年前であれば、扇風機がぜいたく品ですが、今はエアコンがあって当たり前、しかも窓を開けっ放しにしても教室が涼しくなるようなエアコンがどの教室にも設置されている必要があります。エアコンさえない学校もあるとのこと。学校設置責任者は、教育委員会や県と協力して条件整備を進めて欲しいと思います。もっとも、現在はデジタル化を進める時代です。エアコンで満足されては困ります。

親御さんも、ある程度関心をもって、子供たちがどういう教育環境で勉強しているか点検して欲しいと思います。子供は与えられた環境が、「当たり前」と思うものなのです。大人の目、大人の判断が必要な所以です

 

 教育に関するデータを見る

データを見る限り、かなり厳しい数字が出ています。決して、誇れるような状態ではありません。この原因は、政府の目が教育に向いていないからです

公的教育費の中には、人件費や教科書代、施設設備費などが含まれますが、対GDPの割合で言うと2.9%で、OECD34か国中、最下位(2018)です。1学級あたりの児童生徒数もOECD平均を下回り最低レベルです外国人労働者の受け入れに政府は舵を切りましたが、彼らの子弟の教育に手が回っていません。さらに、小中の不登校数は16万人を超え、いじめは約54万件で、それぞれ過去最高を更新中です。

OECD(経済協力開発会議)というのは、簡単に言えば「先進国クラブ」ですが、日本はあらゆる面で、その中で最も低い水準にありますが、与野党とも国会でこのことを問題にしたということを寡聞にして知りません。なお、それと同時に教員が安い賃金で長時間働いているという実態も明らかになっています。職場がブラック化していますので、教員志望者も少なくなり、教員の絶対数が不足するという悪循環が続いています。

なお、教員養成については、抜本的に考える必要がある時期にきています。わいせつ教員が増えています。教員資格を大学院修了、教育実習6か月という国もありますが、日本は学部卒、教育実習は3週間と、簡単に教員免許を取ることができます。殆ど自覚がないままに、教壇に立つ者が増えているため、法を犯す教員が増えることになっていると思います。

 

 教育は未来のその国の姿――このままでは世界の後進国に

教育は未来のその国の姿になりますので、このままでは20年後、30年後には世界の後進国になりかねません。競争社会なので、どこかの国に支配されているかもしれません

OECDのアンドレアス・シュライヒャー 教育・スキル局長は「私費に教育が依存すると経済的に苦しい人が質の高い教育を受けられないおそれがあり、持続可能性に懸念が残る」と指摘しています。日本の教育制度は、お金がない人が、その過程の中で排除されるようになっているのです。

教育というのは、本人の能力向上という面と社会全体の科学、技術、文化レベル向上という2つの面があります。そのように、公的使命を帯びた営為なので、公的支出を増やし、能力ある者をバックアップする態勢をつくる必要があるのですが、そうはなっていません。各家庭での経済力に頼っているのが、日本の教育の現状です。それは、長いスパンで考えた場合は、国にとってプラスにはならないでしょう。

かつての時代、戦国武将の武田信玄は「人は石垣、人は城」と言いました。石垣の形はすべて違います。違うから、逆にかみ合った時に強い力を発揮します。人も一人ひとり個性を持っています。個性が輝き出すように丁寧に育てて、人財として社会に送り出すことが必要です。個性豊かな人財に支えられた社会は、風雪にも長く耐えうる魅力的な社会となるでしょう。持続可能な社会の誕生です。「質の高い教育」による人づくりこそがSDGsの中で重要な項目だと思われますが、何故か忘れられています

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