「大谷選手が遂にやりましたね」
「今日の新聞はどこも1面で報道していますね。「日経」ですら1面で報じました」
「野球の神様のベーブルースに並びましたからね」
「並んだだけでなく、追い抜いて欲しいですね」
「神様を追い抜くとどうなるのですか?」
「大神様ですかね。ただ、昨日のテレビインタビューを見ていると、本人は極めて冷静でしたね」
「私だったら、今頃ドンチャン騒ぎです」
「ただ、不思議とそういうふうに考える人には、そういう偉業は達成できないことになっているのです」
「成る程。次の日も第一打席でヒットを打っていますものね。私だったら、遅刻をしています」
「あのを、自分と比較をしないで欲しいんですけど……。ただ、彼は投手とバッターの2刀流がこれからは当たり前になるのではないかと言っていますね」
「今年の大リーガーのドラフトで1位指名をもらった2人は2刀流だそうです」
「それは完全に「大谷効果」ですよね。彼がプロ野球に入った時は、2刀流なんてトンデモナイという声が主流でしたけどね。そういう意味で、彼はパイオニアですね」
「これから更なる活躍に期待したいと思います。ここからが本論です ↓なお、表紙写真は「サンスポ」提供のものです」
目次
既成の価値観を一度捨てる勇気をもつ
「2刀流大谷翔平」が日本だけではなく、アメリカの国民をも熱狂の渦に巻き込んでいます。2刀流でなければ、ここまでの騒がれ方はしなかったでしょう。
ベーブルースに並ぶ今回の遺業に絡んで、彼が日本のプロ野球に入団した当時の監督の栗山氏にインタビューをしていました。余り突っ込んだ内容のインタビューではありませんでしたが、入団当時は彼に様々な「圧力」がかかっています。というのは、大谷選手が2刀流を希望したからです。
栗山監督はそれを了承します。それに対して、「2刀流は高校野球まで」とか「漫画の世界ではないので、2刀流はあり得ない」と関係者やプロ野球OBから多くの批判が寄せられたようです。
栗山監督はプロ野球選手としては、異色の経歴を持った人です。それが幸いしたのではないかと思っています。彼は東京学芸大学の硬式野球部からプロ野球に入った人です。東京学芸大学は教員養成系の大学で彼は教員免許を持っているはずです。教員免許を取らなければ、卒業出来ない大学だからです。教員という視点から大谷選手を見て、本人の気持ちが2刀流にあるのなら、監督としてそれをサポートしてあげようという気持ちになったのではないかと思っています。
(「You Tube」)
栗山監督との偶然な出会いが「2刀流大谷翔平」への道を開いた
その道を知り尽くしているという自負心が、時には柔軟な考えを排除してしまうことがあります。シニアの時代から野球漬けでプロに入り、選手としてある程度の実績を上げると、自分が指導されてきたことや自分の歩んだ道が絶対に正しいと思い込むことがあります。これは人間誰しも陥るエアー・ポケットです。
ベーブルースの時代は、野球の草創期なので分業がしっかりしていなかった時代。今は、それぞれのポジションによって、鍛え方が違うので、内野から外野といったコンバートはあるかもしれないが、投手とバッターの兼業はあり得ないというのがプロ野球の常識です。その常識に基づく意見だったので、言う方は自信を持って言いますし、受ける方は反論の根拠の理屈がほとんどないという状態です。
栗山監督でなければ、大谷翔平選手は入団した時点でピッチャーかバッターかをはっきり決められていたと思います。栗山監督は、本人の意向を聞いたため、結構大変な思いをしたのではないかと推察しています。
(「Yahoo! ニュースーYahoo! JAPAN 」)
育成システムが完結していた――「2刀流大谷翔平」を大リーガーに送り出せた理由
100年に1度の選手という言われ方をしています。それは確かにそうだと思います。ただ、その才能を開花させ、アメリカ大リーガーにまで送り込んだのは、日本のプロとアマを含めた野球界のシステムが機能していたからです。
そういう広い意味の組織力がなければ、もしかしたら「大谷翔平」の能力は東北地方で眠っていたかもしれません。彼は小学校2年生で地元の野球チームと出会い、そこから才能を開花させていくのですが、人は自分だけの力で才能を伸ばすことは絶対に出来ません。様々な人との出会いを経て、高校野球で甲子園という舞台でスカウトの目に留まり、日本のプロ野球界に入ります。
その後は、誰もが知っている道を辿って、現在に至っています。
(「Twitter」)
育成システムを作ることが一番重要
「大谷選手おめでとう」だけではなく、そこから何を学ぶかということが大切です。
まず、優秀な人材を作るのは、システムの力・組織の力であるということです。その中身は、優秀な人材を見出して、育てる力です。この2つが機能するシステムを作る必要があります。人材を見出し、育てるためには、優秀な指導者が必要です。見る目がなければ、良き人材を見逃し、柔軟な考え方がなければ硬直した従来の理屈を振りかざすことになり、新しい可能性の芽を摘んでしまうこともあります。
組織の力はすべてこの理屈で説明がつきます。国の力、国力も同じです。とにかく、すべては指導者の力なので、その力を高めることが組織の向上と防衛については重要です。その指導者をどう育成するか、国は真剣に考える時代です。ハレンチ教員は問題外です。
仮に大谷選手がアメリカ人と結婚をして、アメリカ国籍を取得して、「日本よありがとう」と言ったらどうしますか。そういう科白(せりふ)を彼が言うか言わないか、実はそれも教育なのです。
きちんとした指導者を育成する時代になったと思います。内閣改造で新しい資本主義も良いのですが、その構想を本当に成功させるためにも、教育についてきちんとした方策を立てる必要があるのです。そして、育てた人材が海外に逃げないための方策も必要なのです。
(「日立システムズ」)
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