「今日の新聞(7/25日付)を見ましたか。SNS詐欺、逮捕者90人ですって!」
「見ましたが、大阪を拠点にして活動していたようですね」
「大阪府警が4つのビルを一斉に捜索して押収したパソコン約60台、スマホが1,830台、だそうです」
「凄まじい量ですが、投資詐欺のようですね」
「私は金融の知識がほとんどないので、引っ掛からないか心配なんですけど……」
「なまじっかある人の方が引っ掛かるので、大丈夫です。自信を持って下さい」
「喜んで良いような、悪いような気がしてきました」
「最近はフェイスブックに変な人の友達リクエストが入ってくるようになりました」
「フェイスブックは私もやっています。もっぱら趣味の手芸作品を発表する場として活用しています」
「そういう使い方なら大丈夫だと思います」
「40代以降の男性が危ないと思っています。まとまったお金を持っている人が多いですから。そういう人を狙って若い女性が友達リクエストで近づいてくるそうです」
「男のスケベ心を巧みに利用しようという魂胆なんでしょう」
「先生も鼻の下を伸ばしてやりとりしていると、引っ掛かりますよ」
「はい、気を付けます。ここからが本論です ↓ 表紙写真は「ココザス」提供です」
日本人は騙されやすい特性を持っている
農耕民族である日本人の最大の弱点は、大局的にモノを見ることが出来ないことです。この俯瞰力の弱さは、年齢や学歴あるなし等に関係なく日本人に共通したものです。民族としてのDNAを受け継いでいるのだからある意味当然ですが、それは永年の定住生活が原因です。
日本は多くの自然と肥沃な大地に囲まれているため、縄文後期から定住生活が可能でした。一所懸命という言葉が生まれたように、目の前の大地さえ見つめ、「緑」さえ保持していれば子々孫々にわたっての生活が可能だったのです。一方、大陸の遊牧民族・狩猟民族は何千年もの間、周りを見渡して常に生活できる所を探すという生活をしてきました。そんなこともあり俯瞰力がない人間や弱い人間は自然に淘汰されていったと思われます。
日本人は俯瞰的に物事を判断しないため、近視眼的になりがちです。それに加えて、人には親切、人を疑うなという教えを受けています。詐欺に引っ掛かりやすい要素を多分に持ち合わせているのです。
(「horenso」)
「狭い空間」に導いて人をだます
人を騙そうと思った時は、その人の思考力を奪うために「狭い空間」に導いて、彼らなりの論理を浴びせ続けます。そうすることによって、その論理が正しいと思い込むようになります。そうなれば、もうその人は「操り人形」なので、言うことを100%正しいと思って動いてくれます。
騙す側が注意をすることは、「操り人形」にする途中で別の情報が入ってしまうことです。そうなると洗脳が上手くいかなくなります。特殊詐欺の犯人が、ターゲットと考えている人物との「狭い空間」を専らつくるようにするのは、そのためです。一番困るのは、ターゲットが誰かと相談してしまうことです。そうなると、勝手な論理がウソであることが分かってしまうからです。
騙された人が後になって、どうしてあんな稚拙な言い草を信じてしまったのかと悔やむことが多いそうですが、知らず知らずのうちに「狭い空間」に追いやられてしまい、考える力をはぎとられていたからです。人は夢を見ている時、それが本当だと思って見ています。まさにその状態が現実社会で起こされているのです。悪意ある人間によって。
(「www.ac-illust.com」)
上手い話にはワナが待っている
フェイスブックの繋がりを利用して投資の話をして騙す、あるいは犯罪を手伝ってくれる人を探す、何かの目的で住所と連絡先を聞き出すなど、本来の目的とは違った利用のされ方が増えています。
近づく時のパターンはほぼ同じです。「狭い空間」に導くために「2人の世界」を作ろうとします。チャットによる会話、Lineの会話に導こうとします。ある程度の信頼関係がつくられたと判断すると、自己紹介文を長めにして、その中に悲劇的なストーリーを入れてきます。末期がんで動けないとか、妻はモデルをしていたが高速道路の事故で死亡したといった話などを入れます。同情心をもたせることが出来れば、協力する気持ちが起きるからです。特に日本人は、お涙頂戴の話に弱い国民性があります。
そして次に例えば、亡き夫は大きな会社の社長だった自分の手元に多額のお金があるのだが、外国(オーストラリアが多い)の病院にいて身動きできないといったストーリーを語ります。この亡き夫が、私名義の9億円のお金を警備・配送会社に密かに預けていて、委託箱を保管していた警備・配送会社はオーストラリアにある。 彼らの指示に従っていただければ、お金の入った箱を安全にあなたの玄関まで届けてくれます。日本の慈善事業に役立ててください。 また、箱が届いたら、箱の中のお金の 30% があなたの取り分になります。 私が死ぬ前に、この素晴らしい寄付を成し遂げるのを手伝ってください。 手伝ってもらえますかとのメッセージとともに住所と連絡先を聞き出そうとします。仲間を増やそうとしているのかもしれません。
9億円もの大金は普通は金融機関に預けるもの。警備・配送会社に預ける人はいないでしょう。少し考えれば分かること。どうぞ、ご注意下さい。
(「がんばれ! Webデザイナー」)
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