「唐突ですが、睡眠時間をきちんととっていますか?」
「子供のことや会社のこと、いろいろ気になることがあるせいか、ぐっすり眠ったということが月に1、2回というレベルです」
「日本人は睡眠で悩む人が多いみたいですね。データを見ると、睡眠に満足している人は17%しかいません。そして、日中に眠気を感じると答えた人が約4割いたそうです」
「それぞれに皆さん悩みを抱えているのでしょうね。睡眠で心掛けていることがありますか?」
「私は早寝早起きですね。睡眠のゴールデンタイムが10時から2時ということを聞いてから、その時間帯はベッドにいるようにしています」
「早く寝ようとするんですが、ついつい午前様になってしまうことが多いですね」
「最近は睡眠を制する者は、人生を制するのではないかと思い始めています。あの大谷選手も睡眠を重視しています。ヌートバー選手の食事の誘いに睡眠を理由に断ったそうです」
「その位、強固なこだわりが必要かもしれませんね。大谷選手が使っていると評判のマットレスが値段が高い割には、生産が追い付かないくらい売れているそうですよ」
「それだけ睡眠に問題意識を持っている人が多いということなんでしょうね」
「人生の1/3は睡眠時間ですからね。そこで満足感が得られれば、1/3の満足人生をゲットすることになりますからね」
「そういう考え方もありますね」
「ここからが本論です ↓ 表題イラストは「フリーイラスト・クラシック」提供です」
「睡眠市場」が拡大している
健康を害したら人生をエンジョイできません。健康寿命、健康食品という言葉があるように、健康に過ごすためにという観点から、人々の関心が睡眠に向かい始めています。睡眠時の疲労回復が期待できる寝具ということで、ベッドのマットレス、枕、血行を促進するパジャマ、睡眠の質を高めるサプリといった商品開発がなされています。
2人の会話で話題になった「大谷マット」は、寝具大手西川が開発したマットレス「AiR(エアー)SX」です。シングルサイズの「エアー」が約5万円、一番高いものが17万6千円ですが、23年春のWBCクラシック以後、生産が追い付かないくらい売れているそうです。
自分で睡眠をコントロールしたいと思っている人のための「睡眠マネジメント講座」もあります。そして睡眠資格として、「快眠セラピスト」「安眠イントラクター」「睡眠健康指導士」「睡眠コンサルタント」など睡眠関連の資格が10くらいあります。その多さに驚きますが、それだけ良き睡眠を得られないと思っている人が現代では多いということでしょう。
(「PR TIMES」)
たかが睡眠、されど睡眠
睡眠関連グッズやサプリが売れているということは、自分の睡眠に満足していない人が結構いるということです。ただ、グッズやサプリに目を向ける前に、自分の生活に目を向ける必要があると思います。
人間が電気を伴う文明的な生活をし始めてから、まだ数百年。それ以前は、太陽とともに生活をしていました。自然の中で生活をしていた時代が10万年くらいはあるので、そのリズムが現代人のDNAの中に刻み込まれているはずです。そのリズムから外れた生活を長年続けていると、様々な不調が出てきてしまうということだと思います。
人間の身体は精密機械のようなものです。誰がつくったか分かりませんが、大変よくできています。睡眠をとることによって体と心をリセットさせる仕組みになっています。日中の活動の時は交感神経が働き、脳が活性化します。夜は副交感神経が働いて身体と脳を休ませようとします。なぜ、夢を見るのか。実は、その原理も含めて、よく分かっていません。私は、現実世界とは違う映像を見せることによって、脳をリセットしているのだと思っています。自己防衛の働きの一種ではないかと考えています。
(「soujinkai.or.jp」)
睡眠時間、企業の利益率にも影響
慶応大学の山本勲教授が分析したところ、社員の睡眠時間が長い上位20%の企業と下位20%の企業で売上高経常利益率で2%の差が出たそうです。そんなデータを引っ提げて、NTT日本はパラマウントベッドとの共同事業により、企業向け睡眠改善サービス「ねむりの応援団」を昨年3月よりスタートさせています。価格は1社あたり3万円で、睡眠の個別コーチングは1人につき別途3万円だそうです。導入状況ですが、睡眠改善の面談が約1年で4千回ということです。
ただ本来は、良き睡眠ができるように、そのメカニズムも含めて親から子に伝えるべきことだと思います。それがきちんと伝わらなくなっているのでしょう。そんなこともあり「寝支度」という言葉も聞かれなくなりました。
眠るためには、交感神経と副交感神経を交代させなければいけません。そうしないと、ベッドに入ったものの目がさえて眠れないということになります。「寝支度」というのは、2つの神経を入れ替えるための儀式です。子どもが小さいうちに親が意識して交感神経を刺激するものを遠ざけたりして、「寝支度」の仕方を教えてあげれば、大人になっても自然にその入れ替えが出来るようになるのです。
参考記事:柘植康文「睡眠改善に積極投資」(『日経』夕刊/2024.2.6日付)
(「www.ac-illust.com」)
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