「東京都都知事選が終わりましたね」
「終わってみれば、早かったという印象です」
「いかがですか? 結果を聞いて」
「私、結構ミーハー的に開票を楽しもうと思っていたのですが、8時ちょっと過ぎに当選確実が出てしまい、ちょっとガクッときました」
「小池百合子さんでは不満ということですか?」
「そうではなく、接戦のデッドヒートを期待したのです」
「いろいろありましたが、現職はやはり強いということです」
「蓮舫さんとの一騎打ちと思ったのですが、得票を見ると決してそういうふうにはならなかったのですね」
「290万票と128票でしたね」
「ダブルスコアー以上の開きとなってしまいましたが、その原因をどうお考えですか?」
「急に新聞社のインタビュー調になりましたね。私の感想ですが、1つはアジテーションで政権をとることは出来ないということです。日本は和の国ですからね。2つ目は、共産党との共闘の問題があると思います」
「かなり早くから共産党は動いていましたよね」
「どうして知っているのですか?」
「6月の中旬の日曜日に調布の南口でビラを受け取ったのですが、蓮舫を応援する共産党のビラでした」
「驚いたでしょ?」
「そうですね。ああ、そうなんだと淡々と受け止めましたけどね。ここからが本論です ↓表紙写真は「NHK」提供です」
台風の目となった石丸伸二氏
元広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が台風の目になりました。東京都都民には殆ど知られていない人でしたが、この間の活動の中で160万票余りを得票し2位となりました。SNSを利用しての選挙戦術は今後の選挙活動のあり方の方向性を示すものだと思います。
昨日(7/8日)、NHKの番組で各陣営の選挙戦の進め方についての特集を放送していました。石丸氏の場合は、最初はUチューバーが発信をして、その反応の良さもあって、さらに「追い掛け」的な発信となり、それがどんどん拡散していったというのが実際のところです。
そういったUチューブを見て、選挙事務所に自主的に集い、そしてその人たちが自主的にポスティングするという流れが出来たのでしょう。もう少し立ち上がりが早ければ、一大ブームの中、当選ということもあったのではないかと思いました。
(「X.com」)
首長の意思が立法府に直接届くような制度改革を
彼の行動に疑問が無い訳ではありません。安芸高田市長の職を投げ打って都知事選に立候補するという、前代未聞の選択を敢行したことです。当初は東京を変え、日本を変えると言っていました。ただ、どうやって何を変えるのかは良く分かりません。
本当は彼のように国政への関心が高い首長が、その意思を表明することが出来る制度的保障をつくるべきなのです。先日のブログで紹介しましたが、インドは2院制の国ですが、一つの院は州もしくは地方都市の代表者によって構成されています。そのような制度であれば、彼は首長を辞めなくても現職の立場から国政に対して意見を言うことが出来たのです。そうすれば地方分権に向けての貴重な1歩になったのです。
現在の日本は中央集権国家ですが(下の図参照)、今の体制が日本の現状にも、本来の日本の伝統・文化を産み出した国民性にも合っていません。第二衆議院のような存在はいりません。参議院の構成メンバーの選出の在り方を変えることを提案します。
(「中学受験ナビ-マイナビ」)
中央集権国家体制の日本―— 社会に閉塞感が漂い始めている
今回の都知事選では「立憲共産党」の問題と「悪質ポスター」の問題がありました。共産党は密かに応援するのではなく、幹部が街頭演説にまで顏を出していました。当選後の都政運営まで見据えての行動だったと思います。ただ、共産党のようにこの現実の社会を敵味方による階級史観で見ていたら、物事の判断が狂ってきます。そういうことを肌で感じている無党派層の人たちが、ソッポを向いたことが数字から分かります。
「悪質ポスター」はNHK党が大量に候補者を擁立し、掲示板にポスターを貼るスペースと権利を他者に譲渡していたのです。寄付金をNHK党にした人に、その金額に応じてスペースを譲渡するのですが、要するに、選挙ポスターのスペースを売っていたのです。公職選挙法の盲点を突くような行為で、その結果、選挙とは関係のない内容のポスターが掲示板に貼られることになりました。ただ、この問題は公職選挙法を改正すれば簡単に解決します。場合によっては、罰則規定を盛り込めば良いだけのことです。むしろ、こういったことが生じる社会背景を捉えることの方が重要です。
中央集権国家の体制で民主主義を導入すると、必ず意見が分散します。そして、社会に閉塞感が漂い始め、従来とは違ったリアクションが国民の中から出てきます。そういった意味で、石丸氏の行動と選挙ポスター問題は同じ土壌から発したものと捉えることが出来るのです。
(「You Tube」)
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