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トランプ関税が突きつけた世界経済の転換点 (その1)── モンロー主義の再来と自由貿易の危機 / 自由貿易体制が崩壊する恐れ

女性

「トランプ大統領の相互関税ということで大きなニュースになっています」

「ある程度予想はしていたものの、予想以上だったので慌てているというのが今の状況だと思います」

女性

「どうして日経平均が下がったのですか?」

「アメリカが関税を上げれば、日本の製品は売れなくなり、収益が下がります。景気交代になるのではないかという予想が立ちますので、株価は当然下がります」

女性

「収益が下がるところもあれば、上がるところもあるはずなのに、どうして一斉に下がるのですか」

「それが一つの理屈かもしれませんが、お金の移動に境界はありません。つまり、ある業種がマイナスになったとすると、そのマイナスが連鎖するからです」

女性

「確かに、収入が減れば、買い控えが起こり、本来買うべきものの需要がなくなりますものね」

「その需要は、業種に関係なく様々な分野に及びます。ある人は電気製品の買い控え、ある人は食料品、ある企業は設備投資を控えるというように広がるものなんです」

女性

「だから、全ての業種の株価が一斉に下がったのですね」

「ただ、一律に同じように下がる訳ではありません。大幅に下げる業種、回復が早い業種、細かく分析すると様々な動きがあります。そういう観点から株価を見ると、世間がその業種をどう見ているかが分かって面白いですよ」

女性

「そういう見方もあるのですね。ここからが本論です ↓表紙写真は「NHKニュース」です」

 トランプの関税政策はモンロー主義の経済版

アメリカの歴史において、「モンロー主義」は極めて重要な理念の一つです。1823年、第5代大統領ジェームズ・モンローが発表したこの教書は、アメリカがヨーロッパの政治に干渉しない代わりに、ヨーロッパ諸国のアメリカ大陸への干渉を拒否するという内容でした。これは、一種の孤立主義であり、自国中心主義の表れとも言えます。そして、この考え方が、200年近くの時を経て、ドナルド・トランプ元大統領の関税政策にも反映されているように見えます。

トランプ氏の関税政策は、一見すると単純な経済施策のように見えますが、その根底には「形式的平等主義」の発想があります。つまり、国同士は対等であるべきだから、同じ関税率を適用すべきだという考え方です。しかし、この考え方が問題なのは、アメリカが世界最大の経済大国であり、競争力のある産業を多く持っていることです。同じ関税率で競争すれば、価格と品質の両面で優位に立つアメリカが勝ち、他国の産業が壊滅する可能性があります。

このような状況が生まれても、トランプ氏は「アメリカ第一主義」を貫いています。つまり、アメリカの経済を守るためなら、他国の産業がどうなろうと気にしないという姿勢を明確にしたのです。この政策は、従来の自由貿易の流れとは真逆の方向に進むものであり、多くの国々に衝撃を与えました。モンロー主義が政治的な孤立主義を意味していたように、トランプの関税政策もまた、経済的な孤立主義の一形態だと言えるでしょう。

(「FNNプライムオンライン」)

 強者が弱者に対する命令的仕打ち

第二次世界大戦後、世界は経済の安定と平和のために自由貿易体制を推進してきました。その背景には、大戦の原因の一つが関税競争にあったという反省があります。各国が自国の産業を守るために高い関税をかけ合い、経済の分断が戦争を招いたと考えられたのです。そこで、国連が創設され、経済面ではIMF(国際通貨基金)とGATT(関税及び貿易に関する一般協定)が国際貿易のルールを築きました。これによって、各国は関税の引き下げを交渉し、自由貿易を進めてきたのです。

関税には本来、産業の発展を考慮した柔軟な対応が求められます。例えば、国内の産業が未成熟なうちは高い関税で保護し、競争力がついたら関税を引き下げて自由競争に移行するという形です。このような調整を経ることで、各国は互いの信頼を築いてきました。しかし、トランプ氏の関税政策は、こうした交渉を一切無視し、一方的に関税を引き上げるというものでした。これは、まさに「強者が弱者に対する命令的仕打ち」と言えるでしょう。

アメリカの強大な経済力を背景に、「お前たちも同じ条件で戦え」と迫るのは、経済的な実力差を考えれば不公平です。自由貿易は、単なる関税の引き下げではなく、相互の成長を促す仕組みでもあります。それを無視し、アメリカの利益だけを最優先する姿勢は、国際社会の協力関係を揺るがすものです。関税は本来、国際経済のバランスを取るための道具であり、一方的な力の行使に使われるべきではありません。バランスを取ることが、世界平和につながるということですが、トランプ大統領はそういった基本的なことすら理解していないようです

(「毎日新聞」)

 自由貿易体制が崩壊する恐れ

トランプ大統領の関税政策は、戦後80年の歳月をかけて築かれたIMF-GATT体制の根幹を揺るがしました。各国が協力して進めてきた自由貿易の道が、一気に暗転してしまったのです。関税競争が再燃し、各国が報復関税を検討する事態となりました。

日本は報復関税を行わない方針を示していますが、これが本当に最善の選択なのかは疑問が残ります。問題は、「報復関税」という言葉のイメージです。この言葉には、敵対的な印象があり、政府が慎重になるのも理解できます。しかし、本来の目的を考えれば、「保護関税」と呼ぶべきではないでしょうか。つまり、自国の産業を守るための関税措置なのです。

特に、日本の農業はアメリカの農産物と競争するには弱い立場にあります。もし、アメリカの安価な農産物が大量に流入すれば、日本の農業は壊滅的な打撃を受けるでしょう。これは、単なる経済問題ではなく、日本の食糧自給率や地方経済の存続にも関わる重大な課題です。

トランプ大統領の政策は、アメリカ国内では一定の支持を得ています。しかし、その影響は世界全体に及び、自由貿易の枠組みそのものを危機に陥れています。各国が自国の利益を最優先するあまり、国際協力の精神が失われれば、結果として世界経済の停滞を招くことになります。自由貿易体制が崩壊すれば、再び関税競争の時代に逆戻りするかもしれません。それは、過去の歴史が証明するように、決して望ましい未来ではないのです。

(「日本経済新聞」)

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