「衝撃的なロシアのウクライナ侵攻からもうすでに6週間経ちました。ここのところトップニュースはウクライナ関連ですね」
「イギリスやフランスなどEU諸国はロシアの外交官を一斉に追放しましたね」
「日本も右へ倣えで追放すべきだという意見が結構ありますよね」
「破壊尽くされた街の様子、家族がロシア兵に殺されたと言って泣き叫ぶ人たちの姿など衝撃的な映像が毎日テレビで流されていますからね。自分だったらと思うと、感情的になるのは分かります」
「今日の産経新聞(4/7)はロシア外交官を追放すべしという社説を掲載しています」
「言いたいことは分かりますが、私は今はやるべきではないと思っています」
「それは何故ですか?産経が言うように、「西側諸国と足並みを揃えて」私はロシア外交官を追放すべきだと思いますよ」
「何故、足並みを揃えなければいけないのですか?」
「産経はこう言っています。「西側諸国の結束を乱す印象を与えることになる」と」
「足並みを揃えなければいけないことと、揃えなくても良いことがあります。今回の追放は揃える必要がないと思います」
「産経は「無用な配慮は足元をみられるだけ」と言っています」
「さっきから、あなたは、何で産経の社説を引用しているのですか?」
「私もその通りだなって思うからです」
「あなた自身が自分の頭で考えて、自分の言葉で表現して下さいね」
「はい、すいません。ただ、私の考えを上手く代弁していたので、つい……。逆にお聞きしますけど、今回については、どうして足並みを揃えなくても良いと思われるのですか?」
「最悪を考えて、最善の努力をすることが求められています。最悪の場合というのは、どういうことが考えられますか?」
「戦争ですか?」
「あと、政府はサハリン1とサハリン2の継続を発表しています。これは日本のエネルギー事情の問題に絡んでの決断だったのです。放棄すると、日本にマイナス、ロシアにプラスになってしまうということで継続を決めたプロジェクトです」
「日本にマイナスは分かりますが、ロシアにプラスというのがよく分かりません。その辺りを含めて、本論でお願いします ↓」
条件反射的な対応ではなく、様々な条件を考える必要あり
日本は資源が少ない国です。そのため、どうしてもそれを外国に頼らざるを得ません。エネルギーと将来の北方領土交渉を睨んでロシアと共同で立ち上げたのが、サハリン1とサハリン2です。ロシアは日本にとって隣国、そこからエネルギーを調達できれば輸送費などのコストが圧縮できますので、今でも大事なプロジェクトです。
西側諸国に同調して外交官を追放すれば、必ず報復措置が待っています。その報復がサハリン1とサハリン2の権益の収奪ということも当然あります。そうなると、ロシアなら日本から取り上げた権益を中国に高く売りつけようとするかもしれません。トータルで考えると、日本に得なことは何もありません。逆に、ロシアは外交官の追放を口実にして、報復措置ということで以上のことが出来ますので、渡りに船という結果を招くかもしれないということです。
血気にはやって拙速に行動しても、良いことはないということです。ここは、深呼吸をして、少し間合いを置く必要があるということです。外交官の追放というのは、最後の最後で良いのです。特に、日本にとってロシアは隣国です。外交官追放を決めたヨーロッパ諸国とは、地理的な条件とエネルギー事情がかなり違うのです。
(「NHK.JP」)
戦争に向けて国内態勢を作る時代(とき)
最悪の場合は、戦争ということも考えられます。しかし、そういう態勢が日本の国内で全くとられていない以上、無用な摩擦は避けるべきでしょう。
戦争はここ70数年していませんのでピンと来ないかもしれませんが、大事なことは国内でそれに向けての態勢を作ることです。戦時体制という言葉があるように、それなりの構えを国内に作らなければ、開戦したものの第9条の理念に反するような戦争は許さないという声が当然国内から上がるでしょう。それでは、選手と応援団が喧嘩するようなものです。その状態を、まず解消することが重要です。
そもそも、ウクライナ問題ですら、国会で一致した対応が取れていません。ロシア非難決議に対して、「れいわ」が反対をしていますし、現地へのヘルメットと防弾チヨッキの供与については共産党が反対をしています。
日本の新聞業界では、「朝日」、「毎日」は必ず戦争反対のアドバルーンを上げるでしょう。日本の地方新聞の多くもそれに右へ倣えをすると思います。ただ、それでは、勝てる戦いでも勝てなくなります。
国民の意思を一致させるためにも、憲法を改正して、自衛隊についてきちんと明文化する必要があります。今が旬であり、変え時だと思います。
(「産経ニュース」)
北方領土は北海道の目と鼻の先にある
ロシアが日本に攻撃を仕掛けるとしたならば、北方領土が一つの鍵を握ることになります。北海道には、米軍の駐留がありません。そんなことはロシアも分かっていますので、万が一の場合は、北方領土が地政学的に重要なポジションを占めることになると思います。
ただ、ウクライナのようにミサイルを撃ち込まれないようにする必要があります。国民の暮らしと財産も大事ですが、それ以外に豊かな自然と多くの文化遺産があります。どれもかけがえのないものなので、すべてを守り切るためには、NATOが採用している「核共有」ということを真剣に議論する時期ではないかと思います。
あのアメリカですらロシアの核をちらつかせながらの恫喝に一歩引いたのです。であれば、中国に対しても有効でしょう。とにかく、ウクライナの次は、台湾、日本であろうと言われています。そのための備えを一つずつ確実に進めることが大事です。
(「西日本新聞」)
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