「ロシアによるウクライナ侵攻が始まって、もう6か月になろうとしているのですね」
「先日、NHKで特番を放映していましたね。その中で紹介していた数字ですが、これまでロシアは1万5千から2万人位の戦死者を出しているそうです。ソ連時代にアフガン戦争で戦死した数は10年間で約1万5千人だそうです」
「10年間の戦死者を、わずか半年で達したということですね。そう考えると、凄い数だということですね」
「ウクライナ側の死者も、市民と兵士合わせて1万人位ではないかと言われています」
「短期間で終わるだろうという予測もあったのですが、何となく長期化しそうな雰囲気がありますよね」
「戦線が膠着状態だと言っていました。ウクライナ側は、ロシア軍を押し返すだけの武器が完全に不足しています。ロシア側もアメリカが供与したハイマースによる攻撃によってかなりの被害が出ている模様です」
「アメリカの武器供与はよくニュースになりますが、肝心のヨーロッパ諸国は軍事援助しているのですか?」
「テレビでは、足並みが乱れ始めていると言っていましたね。ウクライナと隣接するポーランド、バルト三国と他の例えばフランス、ドイツとは対応が違ってきていると言っていました。ただ、これは戦争が長期化すると、当然起きる現象なのです」
「どうしてですか?」
「厭戦気分ということですね。始まった当初は正義感で行動出来ますが、人間はそれだけを考えて行動できません」
「自分の生活があるからでしょ」
「悪い言い方をすると、所詮は、他人事みたいな感覚になってしまうのです。それは個人レベル、国レベル関係なく起こります」
「厭戦なら良いのですが、裏切りは無いですよね」
「何を裏切りと捉えるか難しい問題がありますが、そういう動きも当然出てくるでしょうね」
「国際社会も人間社会の投影ですものね。ここからが本論です ↓ なお、表紙の写真は「毎日新聞」の提供です」
厭戦(えんせん)気分が長くなれば、「日和見の国」が増える
本日(8/23)の『日経』に「『中立』台頭危うい3極化」という見出し(1面)で、ウクライナへの侵攻に対して、中立的な立場を取る国が増えているという記事が掲載されました。
データで示します。世界の人口比で言うと32%ですので、約1/3が中立的な立場を取ろうとしているということです。その中で中心的な国としては、トルコ、インド、南アフリカ、サウジアラビアといったところです。
これらの国は、勝った方に付こうとしているのです。人間社会ではよくあることですが、国際社会ではそれよりさらに露骨になります。昨日の友が今日の敵になりますし、心の中で敵だと思っていても親友になろうとします。馬鹿正直に振舞っていてはいけない世界ですし、正直者はピエロになって笑いものにされる社会です。政治家の眼力が問われる所以です。
(「アマゾン」)
ウクライナ戦争の行方が今後の世界の進路を決める
ウクライナ戦争の出口は全く見えません。仕掛けた側のロシアのプーチンに止める気配がありませんし、ウクライナ側もここまで被害が拡大してしまえば徹底抗戦しかないと考えるでしょう。双方に引く構えがないので、当然長期化するだろうというのが現在の予想です。場合によっては、泥沼化することも考えられます。
その辺りについて、2つの要素を考えてみたいと思います。1つは、ロシアのプーチンの頑なな態度です。目線が虚ろなので、一つのことしか考えていないと思います。前に進むしかないと自分に言い聞かせていると思います。2つ目は、ウクライナ国民の気持ち・感情です。先日のTV報道によると、ほぼ100%の市民がロシアとの徹底抗戦を望んでいます。「ロシア」の痕跡を徹底的に無くしたいということだと思います。戦争の出口が完全に塞がれているということです。
(「朝日新聞デジタル」)
自由に動けない日本
以上の話は、現在の延長線上で物事を考えての判断に過ぎません。延長線から外れたアクシデントがいくつか起きれば、事態は別の方向に動くこともあります。国際社会は何かがあれば、一気に動きが加速する世界です。
ただ、日本の場合は、そのように変化が激しい世界で自由に動きにくくなっています。その大きな原因が、現行憲法です。
どういうことか。仮に、私が「日本」という名前の武将だとします。ウクライナ戦争は、私にとって北方領土を取り返す千載一遇のチャンスと映ります。ウクライナ戦線でロシアの軍事力が削がれることを確認して、北方領土奪還の作戦を敢行するでしょう。そう言うと、北方領土に住んでいるロシア人を殺してしまうのかと思うかもしれませんが、施政権だけ取りに行くのです。現地の駐留部隊と関係の政府機関に対しては攻撃をします。市民に対して、攻撃することはありません。
しかし、今の日本には憲法9条という手かせ足かせがあって、そういうことは出来ません。
ではということで、友好国ウクライナの求めに応じて武器供与ですが、これに対しても反対する政党が存在するのが現実です。自分の部隊の兵士から異論が出れば、トップが思っていることを行動に移せないのです。これが日本の現実の弱点であり、特徴なのです
(「首相官邸」)
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