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「いじめ」増加注意報 ―― 何の工夫もなく集団を作れば「いじめ」が発生する / 最初の「出会い」が肝心

「いじめのニュースはもうニュースにならないのではと言われる位、日常普段的に起きる事例になっています」

女性

「しかし、沖縄の石垣市が発表した数はちょっとしたショックでした」

「2022年度の石垣市内の小中学校で把握されたいじめ件数、2月末日の時点で1084件だそうです」

女性

「1日あたり4~5件ですか。石垣市は学校統廃合が話題になった時、市の住民全体で教育のことを話し合ったりということで、教育意識が高いという印象があったのですが……」

「そういう所でいじめのこの数は、少し驚きますよね」

女性

「何が原因なのですか?」

「原因は何ですかという聞き方をしますが、いじめというのは不協和音ですので、それが出ないような態勢や仕掛けを考えるということではないでしょうか」

女性

「転ばぬ先の杖、ということでしょうか」

「意識的な集団作りをしない限りいじめというのは発生します。子どもたちを一気に一つの空間に入れれば、往々にして力が支配する空間となります」

女性

「弱肉強食の世界ですか?」

「そういうイメージで良いと思います」

女性

「実は、それは会社でも同じなんです。上司が気が利いてると新入りの人を迎え入れる工夫をしてくれます。そういう時は、職場が和みますよね」

「日本は和の国なので、そういうことはある意味得意な国民性だったのですが、いつの間にか、忘れてしまった感じがします」

女性

「そうですよね。ここからが本論です ↓ 表紙写真は「ホトリエbyGMO」提供です」

 何の工夫もなく集団を作れば「いじめ」が発生する

と、思うところから学校関係者は出発して欲しい。子どもは仲良く遊ぶものだという幻想を捨てるということです人は「異物」と感じるものに対して、拒否感覚をもつものです。それは、子供も同じです。自分の子供時代の経験だけで、今の子供たちの教育を考えないことです。

かつての時代でも、地域の子供集団の中でいじめが発生していたのですそれを「がき大将」が間に入って集団の秩序を維持していたのです。そういう中で、子供たちは仲直りのし方を学んでいったのです。今の大人たちは、そういう経験がないか、もしくは少ないと思われます。

子どもは感情をコントロールするのが下手なので、よく喧嘩をします。ただ、大事なのはその後のリカバリーです。上手く出来れば、喧嘩をする以前より仲が良くなることもあります。上手く出来なくて、人間関係がさらにこじれる場合があります。かつての時代の子供たちは上手い謝り方を、入学前に地域の子供同士の交わりの中で習得していたのです。

 

 オリエンテーションを工夫しているか

かつての時代であれば、小学校に入学した時点で、もうすでに多くが知り合いという状態があったと思います。ところが、現在は入学式で初めて見る顔ばかりという状態ではないでしょうか。入学式の前でも、後でも構いませんのでオリエンテーションして、そこで友達づくりをフォローしてあげる必要があると思います。というのは、子どもたちが一番不安に思っているのは、勉強よりもむしろ「友達が出来るかな」ということの方が強いからです。であれは、友達が出来るようなイベントを盛り込んでのオリエンテーションを考える必要があります。

公立学校でいじめが増えているということはデータを見れば分かります。結果があるということは原因があります。その原因の分析に立った上での対策でなければ意味はありません。人権教育、いじめをなくそう運動、そんなことが頭に浮かぶかもしれませんが、そういうことでいじめは無くなりません。

一番最初が肝心です。ある程度の人間関係が出来上がる前に、レールを敷いてしまうのです。私立学校、例えば私は私立中高の一貫校に勤務していましたが、38年間の勤務中、不登校は年に何人かはいましたが、いじめは聞いたことがありません。中1のオリエンテーションが効果を発揮しているのではないかと思っています。概略説明しますので、改良して使って頂ければと思います。

 

 オリエンテーションの実例

担当部署は進路指導部がします。学年に任せてしまうと、その年ごとに中身が変わってしまう恐れがあるので、進路指導部が毎年担当します。何年間か私が責任者ということで行ったものは、「友達づくりと自分発見」をテーマにした1泊2日のオリエンテーションです。

宿に到着した後、簡単に学年の担任ならびに副担任を紹介した後、「じゃんけんトーク」という自己紹介ゲームのルール説明を行います。その後、各クラスに分かれてゲームをします。生徒に質問シートを渡します。質問する項目が予め用意してあります。そこには、5つの質問項目が入っています――自分の名前と家では何と呼ばれているか、自慢できること、入ってみたい部活、得意な科目、最近楽しかったことじゃんけんをして、勝った人が1つずつ質問して、答えをシートに書きます。どちらかが、5つ終わったら次の人を見つけて、同じ要領で繰り返します。5つ連続して勝ってしまう場合があるかもしれませんので、その時は何も質問していない人は、2つだけ質問できるという特別ルールも用意しておきます。制限時間は50分ということを知らせ、多くの人に質問した人にはご褒美があると言います。この言葉で頑張る子が出ます。そして、同性だけに偏らないように、一人は必ず異性にインタビューしなさいと言います。

10分休憩後に今度は自己紹介をします。教員が抽選をして、当たった子が一人ずつ自己紹介をします。自己紹介をする内容は、先の5つの項目を基にして言います。勿論、付け加えても構いません。男女交互になるように配慮します。そして、家で呼ばれている呼ばれ方をクラスのみんなが使って良いかを聞きます。了解をとったら、みんなでその名前を呼びます。全員行います。これらを行っただけで、結構クラスは和みます。

そして全体会では学校の歴史や校歌などについて説明ならびに歌唱指導をします。その後、体育着に着替えて整列練習、軽めの運動をします。夕食、入浴を済ませた後、就寝までの1時間をホームルームということで、ここでクラス役員の選出と班決めをします。級長、副級長など、何かとにかく全員が係になるようにします。そして、2日目がクラス対抗ドッジボール大会なので、そこで勝つために共通のパフォーマンス、あるいは応援の掛け声を皆で話し合って決めます。

2日目は、ドッジボール大会をした後は、表彰、そして、今度は「じゃんけんトーク」を学年全体に広げます。他のクラスの子を知ろうということで、同じ要領で行ないます。その後、全体集会をして、各クラスの級長、副級長を紹介して、「じゃんけんトーク」の表彰をした後、校長が締めの挨拶をして閉じます。

小学生の場合は、まだ字が読めなかったり書けない子がいますので、円座を作って順番に名前と家で何と呼ばれているかを聞く位で良いと思います。そして、小学生には遊び方を教えてあげる必要があります。子どもは遊びの天才というのは、昔の話。「手つなぎ鬼」、「あんたがたどこさ」をしたことがないという子がいると思います。子供たちの状況に合わせて、中身を工夫してみて下さい。室内遊びと室外遊び、そして2人でも遊べるものとして将棋、オセロ、五目並べ、トランプの遊び方も教える必要があります。

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