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小学校廃校をすればする程、地域は廃れ、人はいなくなる / 人を地域に繋ぎ留めるものは、文化と教育と人の和

「群盲象を評す、という言葉を知っていますか?」

女性

「ええ、一応、およその意味は。目の不自由な人が、みんなで象さんを触った後で、象とはどういう動物だったのかということで、意見を言い合うという話ですよね」

「そうです。全体像が分からず、1部分だけを触って、象とはこういうものだと語ってしまうという誤りを犯します」

女性

「よくある誤りを例え話で説明している訳ですね」

「なかなか良い例え話なので、結構使われます」

女性

「今日は何の話の例えとして使うつもりなんですか?」

「地方再生と言いながら、なぜ地方が疲弊していくのかが分かっていない御仁が多いのです。今日は地域活性化をテーマにしたいと思います」

女性

「昨日の菅総理の所信表明演説を聞いてテーマを思いついたのですか?」

「いえ、決してそういうことではありません。ただ、『朝日』は「ヤマ場の来ない小説、あるいは途中で居眠りを誘われるような映画のようだった」(「天声人語」2021、1,19)と悪罵を投げかけていますね」

女性

「ただ、所信表明演説というのは、そういうものだと思います」

「何か、最近は達観していますね」

女性

「有難うございます」

「まあ、確かに、朝日の批判も一理あります。何でもかんでも盛り込んで、すべて頑張る的な発想で書かれています。所信表明演説は当然官僚が書いているのでしょうが、偏差値エリートたちが書くと、こうなるという典型的な文章ですね」

女性

「どうすれば、良かったのですか?」

「問題を有機的に捉えていないので、「ヤマ場の来ない」と言われてしまうのです。物事は複雑に絡み合っていても、必ず最初に取っ掛からなければいけないことがあり、それに取り組んでいくと、自然に糸がほぐれていくのです」

女性

「端緒につくという言い方がありますよね」

「何事も、それを見つけるのが最初です。そうしないと無駄なエネルギー、無駄なカネを余分なところに使いまくることになり、くたびれ損になるだけです」

女性

「ここからが本論です ↓」

 人口減の原因を突き詰めて考えようとしていない

『縮小ニッポンの衝撃』(講談社現代新書、2017年)によると「日本社会は、これから世界で誰も経験したことのない凄まじい人口減少と高齢化を経験することになる」とのこと。現象の陰には必ず原因があり、法則性があるはずです。それについて何も考えようとせず、「人口減少は避けられない」(増田寛也『地方消滅』中公新書、2014年)と、言っているようでは、問題の本質を捉えることはできません。

日本人は農耕民族であり、邦人という言葉があるように、もともと地域に根差して生活を送ることに喜びを感じていた民族です。時代の中でいくつかのものは消えたとは言え、まだまだ地方には、地方独特の食文化や祭りや習わし、さらには方言などが遺っていますこれらは、かつての時代、生まれ故郷をこよなく愛した人たちが多くいたことの何よりの証左です

ムラの子供たちは地域全体で面倒を見る。子供たちは遊びの中で社会のルールを覚え、寺子屋で字を習い、親の仕事を手伝い、年頃になれば地域の人たちが釣り合いのとれた相手を見つけてくれた。そういった暮らしがこの日本の各地で、何百年という単位で繰り返し営まれてきたのです。

敗戦という衝撃的なことがあったのですが、基本的な生活スタイル自体は大きくかわることはありませんでした。生活様式も含めて大きな変化が出てくるのは、戦後の高度成長期という工業社会に変貌する中で起きます。のどかな田園風景の村々が、都市化現象に巻き込まれていくことになります。これが地域を崩壊させる最初のきっかけとなります

 地域が崩壊した直接の原因は、学校統廃合

本格的に地域が崩壊していったきっかけは学校統廃合政策と市町村合併です地域の住民にとって最も重要な施設が小学校ですが、戦後何千という数の小学校が廃校処分となりました小学校というのは、単なる教育施設ではなく、地域の中心的な文化施設です。学校という施設は、毎日子供たちが通うため、当然愛着が湧きます卒業してからも、想い出が残る小学校が地域にあれば、その繋がりで人間関係も深まります。また、親同士も子供や担任の先生を通じて、繋がることができます。人的ネットワークの中心組織であることを見逃して、単に文科省が掲げる「12-18クラス」を単純に当てはめて、学校を潰していく愚にそろそろ気付いても良い頃だと思います。

『縮小ニッポンの衝撃』の中で、縮小日本の未来図として紹介されているのが島根県です。「歯止めのかからない人口減少」(同上)が起きている県です。この島根県で今まで1947年以降に何校の小学校を廃校にしたのか、調べてみました。

島根県 廃校小学校数

松江市 31 雲南市 22
浜田市 44 仁多郡 3
出雲市 32 飯石郡 6
益田市 31 邑智郡 30
大田市 25 鹿足郡 19
安来市 12 隠岐郡 32
江津市 24

 

凄まじい数の小学校を何も考えずに廃校にしたのが島根県なのです。全部合わせると、311校あります。学校近くにあった商店街もきっと寂れたでしょう。モノが売れなくなればそこでいつまでも商売をする訳にはいきません。一人二人と地域を離れていき、やがては人口減に歯止めがかからなくなるのです。

これとは対照的に地域の学校を守れということで、時には行政と協力して必死で守ったのが沖縄県の石垣市です。このブログでも前に紹介したことがありますが、この市は人口が増えています。というか、沖縄県は地域の文化や教育を大事にする県民性なので、学校では方言指導までしています。そういう指導をすれば、子供たちは地元に対する愛着を当然もつでしょう。人口増加県沖縄の秘密はそんなところにあると思います。

 人を地域に繋ぎ留める力をもっているのは、文化と教育と人の和

そして、この統廃合と並んで行ったのが市町村合併です財政効率だけを考えて行ったと思いますが、役所を減らせば、必ずその繋がりの人たちに影響を与えます。学校統廃合ほどではないものの、それなりに影響を地域に与えたことでしょう。

地域の活性化ということが言われています。菅総理も所信表明演説の中で言っていました。規制改革やテレワーク環境、地域金融機関の経営基盤の強化をする政策などをいろいろ出していますが、それを行ったからといって、それぞれの地域に人は定着しません。人を地域に繋ぎ留める力をもっているのは、文化と教育と人の和だけです。カネをばらまいたからといって、人が寄ってくる訳ではありません。スマートシティにしたからといって人が集まってくる訳ではありません。会社を誘致すれば、その関係者は移住してくるでしょう。ただ、そこに文化がなければ人は根付きません。

地域を有機的にまとめるためのものが必要なのです。つまり、住民の気持ちが一つになるようなものが地域にあれば、人はそこに住み続けたいと思うものです。

学校統廃合はそれとは真逆のことをやっているので、人の心は離れ、地域から人がいなくなるのです

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