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「地方創生2.0」―― 抽象的な言葉のオンパレード / 地方衰退の根本的な原因は、中央集権国家にあり

「地方創生ということが言われて久しいのですが、地方の人口減少が止まらず、目に見えた成果が上がっているようには見えません。その辺の問題について、語りたいと思います」

女性

「ところで、「地方創生2.0」と言っていますが、「2.0」はどういう意味ですか?」

「10年前に地方創生が提起され、今回新たな地方創生を目指し、楽しいと思えるような地方を目指すということで付いた「2.0」です」

女性

「石破総理が「楽しい日本」と国会で言っていた言葉は、そこから来ているのですね」

「唐突に「楽しい」という言葉を彼が使ったので、真意は分かりかねますが、可能性としては高いかもしれません。ただ、そういった言葉で誤魔化すのではなく、現実を客観的に把握することが重要と考えています」

女性

「日本は地方ごとにかなり違いがありますから、一言で地方創生と言っても様々なアプローチの仕方があると思います」

「そうなんですよ。前回のブログでは林業を盛んにしなければいけない地域の話をしました。同じように、農業や酪農を盛んにしなければ疲弊してしまう地域もあるのです」

女性

「私の実家は北陸地方ですが、あそこは農林水産業が1番目の主要産業です」

「私の実家は東海地方ですが、製造業が1番目の主要産業です。ちなみに関東地方は金融・保険業といったサービス業が主要産業です」

女性

「それだけを見ても、地方によってかなり違うことが分かります。ここからが本論です ↓ 表紙提供は「PR TIMES」です」

 地方衰退の根本的な原因は、中央集権国家にあり

地方衰退の根本的な原因は、中央集権国家にあります。明治維新は「富国強兵」のスローガンの下、西洋列強に伍する強い国づくりを目指した改革でした。敗戦をはさんだものの、基本的な国家の態勢は変わっていません。

現在も官僚主導の中央集権国家のままです。権力が中央に集まりますので、そこを頂点とするヒエラルキー構造が社会の様々な場面に構築されることになります。それを経済団体や政府関係組織、マスコミや学術関係団体や学会が支えるかたちになっています。その中央集権を地方分権体制に変えることをしないと、地方創生は上手くいかないと思います

何故なのか。中央集権国家体制では、中央から地方に「天下り」役人が派遣されます。現代は選挙という洗礼がありますが、候補者が中央の政党の推薦や地元企業や各種団体の推薦を受ければ、ほぼ当選できます。その候補者が上手く地方創生をリードできれば良いのですが、地方特有の問題を把握していなかったり、地元の議員・職員と人間関係を築けなかったりということで上手くいかないことがしばしばあるということです。

(「日本経済新聞」)

 「地方創生2.0」―― 抽象的な言葉のオンパレード

地方がそれぞれの特性に応じた発展ができるように大規模な地方創生策を講ずるため、本部長を総理大臣とする「地方経済・生活環境創生本部」を昨年の10月に設置しました。併せて、有識者会議を設置して、昨年12月24日に「地方創生2.0の基本的な考え方の概要」を発表しています。

ただ、「多様な地域・コミュニティの存在こそが、国民の多様な幸せを実現する」とか「楽しいと思えるような地方を、民の力を活かして、官民が連携して作り出していく」、「すべての人に安心と安全を保障し、希望と幸せを実感する社会を実現」など、抽象的な言葉のオンパレードになっています。具体的方向性が定まっておらず、結局は地方の自治体に丸投げされることになるだろうと見ています

そもそも地方の人口減が前提になった計画になっています――「人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じていく」(「地方創生2.0の基本的な考え方の概要」)。日本には農林水産業の比率が多い地方として、北海道、東北、北陸、四国、九州があります。第一次産業というのは、人手の確保と後継者をいかに育てるかが重要です。その具体策について策定する必要があるのですが、望み薄という感じを持っています。

(「note」)

 都市計画に関する決定主体は市町村

否定ばかりでは身も蓋も無くなってしまいます。今の法制度の範囲内で可能なことを考え、実行することが重要です。その点で、1999年に制定された地方分権一括法によって、都市計画に関する決定主体が市町村になったのは大きな意義があります。市町村は都道府県と事前に合意をはかった上で計画を策定できるようになりました。

戦後の都市計画法は、その法律の表題通り、中心都市を決めて、そこをどのように開発していくかという発想で作られたものです。そのため、その主体はあくまでも国で、地方は受け皿的な役割でした。それでは地方創生の時代に合わないということで、手直しをしたのでしょうが、もっと根本的な改正が必要です。都市計画法ではなく、田園都市計画法にして、一般の市民が農業・酪農業に復帰できるようなルートを用意すべきでしょう。

2024年の時点で日本の耕地面積は427万haです。2008年が463万haなので、ここ毎年2万haずつ農地が減っている計算になります。1万haというのは、10㎞四方の土地面積なので、その2つ分の農地が毎年減っていることになります。それをまず食い止める作業が必要です。例えば、市町村が入って農家の実態調査と後継者を探す作業が求められています。また、市街化調整区域の都市計画について、集落居住区域を整備して農地(1~2ha)付き家を分譲するなど、都市住民を呼び寄せる努力と工夫が求められています。市町村の役割が大いに期待されているのです。

(「土地活用の東建コーポレーション」)

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