「靖国神社に自衛官が参拝したことに対して、それを『社説』(1/13日付)で書いている新聞があります」
「制服で参拝したのですか?」
「私服参拝ですね。大勢で参拝したので、どういう集団なのかということで分かったのでしょう。公用車も使ったようです」
「参拝の理由は、何ですか?」
「航空機の安全祈願だそうです。昨年4月にヘリコプター機の大きな死亡事故がありましたからね」
「犠牲になられた人の数もさることながら、幹部自衛官も亡くなられていますよね」
「そういうことがないようにとの願いを込めての参拝なので、特に問題はないと思います」
「かつて公用車で別荘に行ったり、子供を迎えに行ったりということで私的に使われた事例がありますが、特に取り立てて問題にするような使われ方ではないと思います。距離も近かったのでしょ」
「市ヶ谷駐屯地と靖国の往復だと思います」
「であれば、それも問題はないと思いますが、他に何が問題だと言っているのですか?」
「政教分離原則に抵触するのではないかということです」
「その理屈がよく分からないのですけど……」
「憲法は宗教の自由、信仰の自由を規定する一方で、国やその関係機関はいかなる宗教的活動をしてはならないと定めているのです」
「自衛隊という組織で行動した訳ではないのでしょ? 少なくとも、「社説」で論ずるような大きな問題とは思いませんけどね」
「そうですね。それは私も同じ思いです。それ以前に神社参拝をどう捉えるのかという問題があると思います」
「ここからが本論です ↓ 表紙写真は「観音舞」提供です」
神道や神社に対する理解不足が根底にある
神道は教祖も、教義も経典もありませんので、宗教ではありません。日本の社会の中で自然発生的に成立したとされる自然神信仰(アニミズム)が元となって、それが時代の中でかたちが整えられ現在に至っています。元を辿れば縄文時代にまで遡ることができます。歴史の重みがあるものなので、無形文化だと思います。
森の神、山の神、川の神というように森羅万象を根底の部分で動かしているのは神であると先人たちは考えたのです。そして、人は死ねばやがては先祖神となって自然の山川に還り、私たちを見守ってくれると考えるようになります。
現世に生きる人間と自然神や先祖神との「会話」の場所として各地に神社が設置されるようになります。靖国神社の創建は1869(明治2)年です。国のために命を捧げた人の霊を慰めるために設けられたのです。きっかけは戊辰戦争です。軍国主義とは関係がありません。今回、自衛官の人たちが靖国に参拝に行ったのは、昨年の自衛隊機の事故死を受けてのことだったと思います。そこには、何ら問題にするようなものはないと思います。むしろ、そういった彼らの純粋な気持ちに基づく行動を評価すべきだと考えます。
(「世界雑学ノート」)
憲法の政教分離はどのような規定か
政教分離の原則は、信教の自由を保護するためのものです。実際に、憲法20条の1項には、信教の自由の規定とともに「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」とあります。
仮に国がある特定の宗教団体を保護することになれば、一般の国民の信仰は、その宗教に向かいがちとなる。広い意味での布教妨害とも考えられるので、そのような活動を禁止しただけです。
自衛官が靖国神社に参拝したからと言って、一般の国民の信仰に影響を与えるものではなく、その点では問題がありません。『朝日新聞』が根拠とあげているのが、今から約50年前に出した事務次官通達です。そこで「部隊としての参拝」と「参加強制」の禁止を謳っていますが、そもそもあくまでも憲法を基準として考えるべきです。
(「クマべえの生涯学習大学校」)
法律を改正して、神社や参拝文化を守るべき
神道に対する偏見、誤解は、一体どこから発生しているのでしょう。戦後すぐの時期(1945.12.15日)に「神道指令」がGHQから出されますが、そのことに深く影響を与えたのが日本のキリスト教系の大学で教鞭をとっていたホルムトの考えだと言われています。ホルムトは日米開戦前に帰国をし、1943年に『現代日本と神道国家主義』という本をシカゴで出版します。その中に国家神道を解体することが軍国主義の解体に繋がると書いていたのです。
1946年2月2日をもって、戦前の神社関係法令はすべて廃止となり、神社は宗教法人令による宗教法人として出発することになりました。先にも書いたように、神道は宗教ではありませんが、無理矢理「宗教」の枠に入れられてしまったのです。しかも、神道を宗教に類別したのは、アメリカです。
宗教ではないものを宗教法人法の中に入れることはおかしいので、例えば「文化財保護法」によって神社、もしくは参拝文化を保護するということを考えるべきでしょう。そうしないと、いつまでもこういう類の「攻撃」を国内外から受けることになります。
(「naujascv.lt」)
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