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人口問題は「地方の活性化」という視点が必要 ―— 原因究明がなされておらず、単なる夢物語の作文/「人口ビジョン2100」

「人口戦略会議が提言を出したのですが、都合の良いことを並べているなと思ってしまいました」

女性

「2100年の人口を見据えた提言だそうですね」

「大体、「人口ビジョン2100」という表題自体がおかしいと思いませんか」

女性

「長期的に考えていこうということですよね。人口問題は長期的なスパンが必要なので、良いのではないかと思いますけど……」

「長期的過ぎて、誰も真剣に考えていないと思いますよ。2100年は今から76年後です。せいぜい2050年か2060年位でしょう」

女性

「確かに、そうかもしれませんね。言いっ放しになる恐れがありますからね。提言にならないかもしれません」

「あと、目標設定が8000万というかなり低い目標にしたことが気になっています。100歩譲って、1億人だと思います」

女性

「8000万では、目標になっていないということですね」

「このまま普通にしていれば、2100年に8000万になると思います」

女性

「その後はどうするのですか?」

「そこから8000万人をキープするそうです」

女性

「計算通りに行きますかね」

「無理だと思います。今まで、そういった計算が当たったためしがありません。そもそも、1970年代は日本の人口をいかに減らすかということを考えていましたからね」

女性

「今とは逆だったのですね。ここからが本論です ↓ 表紙写真提供は「Times Now」です」

 日本人口会議(1974)で人口抑止を宣言していた

1974年にブカレストで人口抑止のための国連の世界人口会議が開催されるため、それに先立って日本で同年、第1回目の日本人口会議が開かれました主催は財団法人、「人口問題研究会」です。この研究会は1933年に設立され、日本人の人口抑制の提言や活動をしていたのですが、時代のニーズに合っていないと判断したのでしょう。2005年に解散しています。

第1回日本人口会議は1974年7月2日から3日間の日程で東京の虎ノ門ホールで大々的に人口抑制会議を開催しています。会議開催委員として5名、大会委員が4名、運営委員が9名の総計18名が構成メンバーです。厚生省(当時)、外務省など10の機関が後援をし、補助金まで出ています

宣言文では「50年後には約1億4千万以上に達するのは必定」なので、「人口増加の勢いを阻止するための節度ある、しかも効果的な対策が必要である」として「子供は2人まで」という「2人っ子宣言」を打ち出しています。完全にピントが狂った宣言だったということです。なお、第2回日本人口会議は開催されましたが、3回目以降は開かれていません。変なところに無駄金を使ったものです。

(「X.com」)

 人口問題は2極化している

日本の人口は減少に転じていますが、実は世界の人口は現在も増加をし続けています。そして、国連が予測するピークは、2086年約104億人というものです。現在が約80億人ですので、ここからさらに20億人以上増える計算です。

どの地域で人口が増えるのか。北米とアフリカが増えるとの予測です。北米は移民などによって微増、アフリカは2080年どころではなく、2100年まで人口増が続くと言われています。その増加分の大きな部分を占めるのが、サハラ砂漠以南の国なのです。

現在、世界平均の出生率が2.32ですが、サハラ砂漠以南の国の出生率は4.59です。避妊の啓蒙と教育により、アフリカの各国に正しい人口政策を取るよう、国連は働きかけを強めるべきです

(「ネットワーク『地球村』」)

 原因究明がなされておらず、単なる夢物語の作文―—「人口ビジョン2100」

経済界の代表者や有識者でつくる「人口戦略会議」が緊急提言として出した「人口ビジョン2100」ですが、人口減の原因究明がなされておらず、8000万人で定常化する根拠も示されておらず、単なる希望的観測に基づく作文になっています。

この世界は、すべて因果関係で成り立っています。人口減の原因を究明して、その原因に焦点を当てた対策なり政策が求められますが、そういった発想はありません

「邦人」という言葉があるように、国民という意識よりも、日本人は故郷(ふるさと)意識が強いのが大きな特徴です。それは、日本という国を地方が支えてきたという歴史から来ています。地方の衰退が日本の衰退につながり、日本全体の人口減を招くことになるので、対策としては地方をいかに活性化するかという視点が必要です。ちなみに、提言にはそういった視点はありません。漠然と国全体を焦点が定まらないようなメガネで見つめているかのようです。国費を使って無駄なことをしているという印象をもちました。

(「国土交通省」)

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