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労働組合運動、終焉の時代 / 組合は起業、副業、転職などの応援業務に切り替える時 

「厚生労働省が2020年の労働組合基礎調査を発表しています。それによると、労働組合の組織率は17.1%です」

女性

「17.1%ですか。6人に1人しか労働組合に加盟していない計算ですよね」

「それをどう見るかということです」

女性

「経年で見ると、やはり下がっているのでしょうか?」

「発表された文章をそのまま読みます。「正規、非正規を合わせた雇用者数は前年比94万人(1.6%)減の5929万人と10年ぶりに減少したが、組合員数は逆に2万8000人(0.3%)増えて1011万5000人となった」そうです」

女性

「1011万5000人のうち、非正規の方はどの位いるのですか?」

「1011万5000人のうち、137万5千人がパートタイム労働者で、かつ組合に加入している人の割合です」

女性

「業種別に見ると、やはり製造業が多いのでしょうか?」

「多いと言っても、全体の3割で、組合員数が267万人です」

女性

「今、大まかな数字を聞いたのですが、わずかな増減はありつつも全体的に下がっているというのが傾向として言えるということですね」

「それを必然的なものと考えるのか、立て直さなければいけないし、立て直すことができるものと考えるのかということです」

女性

「率直に、どう考えますか?」

「結論的に言うと、労働組合運動は終焉に向かっていると考えて良いと思います」

女性

「そんな大胆なことを言って良いのですか?」

「組合運動の依って立つ基盤が無くなりつつあるので、終焉は必然的だと思います」

女性

「その辺りは、本論で詳しくお願いします ↓」

   労働組合運動が産業革命とともに始まり、「階級」という言葉が使われ始めた

(「沖縄タイムス」)

世界で最初の産業革命が起きたのは、イギリスです。時代にして、18世紀の中頃から19世紀の始めにかけてのころです。産業革命により、手工業生産であったところに機械が導入され、大量生産により多くの工業製品が市場に出荷される体制がつくられます。

モノを生産するにあたって、土地、工場、機械設備といった資本、さらには労働が必要となります。それらは生産の三要素と言われ、資本という概念が登場することになります。こういった時代背景の中で書かれたのが『資本論』です。

それらを用意するためには多くの資金が必要なので、ある特定の階層の者に限られることになります。そして、資本は利益を生み出し、その利益は資本を生み出します。いわゆる、拡大再生産です。もちろん、すべてがそうなる訳ではありませんが、資本を増強させていく人たちを資本家と呼び、その人たちに使われて働く人たちを労働者と呼ぶようになっていきます。そして、資本を持つ者と持たざる者、そこには殆ど固定的な身分の違いがあるかのような状況、どのような努力があったとしても乗り越えることのできないほどの格差があるという認識の中で、「階級」という言葉が使われ始めたのです。しかし、それは時代にそぐわない言葉だったのです。

(「getty images」)

 資本家階級、労働者階級という時代の態様と矛盾した言葉が誕生

「階級」という言葉の意味は、固定的な身分制度という意味で、封建時代に使われるべき言葉です。例えば、武士階級、農民階級というように使います。農民に生まれれば、一生農民ですし、武士に生まれれば一生武士です。階級というのは、その生まれによって、その後の身分が自動的に決まってしまうということです。

そういうルールは、市民革命によってなくなったはずです市民革命のスローガンは国によって多少のニュアンスの違いはありつつも、自由、平等といったことをおよそ共通して掲げています。従って、階級という言葉を使うのは、論理矛盾であり、時代の態様とは違った言葉です。

しかし、何故か言葉として当たり前のように使われ始め、定着します。敢えて弁護するならば、あたかも階級差があるかのように思われるほどの固定的な貧富の差が資本主義社会の中で生じたということでしょう。ただ、資本主義社会も時代の流れの中で、その形態を変えていきますが、基本原理は自由競争です。

自由競争が行われるために、没落していく資本家もいます破産です。成り金という言葉があるように、逆に財をなして資産を形成する者も現れます。自由競争の当然の帰結した姿だと思います。

資本主義は変容しつつも、自由競争市場を前提にした経済システムといった、その本質的部分は変わることはありません人間の欲求・欲望と財・サービスがある限りそれを交換する市場は必ず成立するはずです。だから、資本主義は変容しつつも、半永久的に続くと思います。

 

  労働組合運動、終焉の時代

そのことを正確に認識せず、現在の労働組合運動は固定的な身分制度を前提にした運動を想定しています絶対に変わることのない階級差、であれば労働者は組合をつくって、資本家と敵対して賃金を少しでも多く獲得するために団結して頑張ろうということになりますが、その考え方自体が間違っています。何かおかしいと、その間違いに気が付いた人が、組合活動から遠ざかっているということだと思います。つまり、組合運動が終焉に向かっているということです。

認識や考えが間違っていると、エネルギーを向けるベクトルの方向が違ってしまいます。

だから、自身の生活ということであるならば、会社に副職を認めさせ、何か生活のために仕事を考えれば良いだけです。

あるいは、自分の能力を磨く、資格を取るといった方向にエネルギーを割けば良いと思います。そして、何かアイディアが浮かんだならば、起業をすれば良いと思います。今の時代は、資本金が1円から起業できます。実際に、高校生や大学生で起業をしている人もいる位です。

会社の経営に携わる側からすると、競争がますます激しくなっている状況下で敵対意識を経営陣にもつのではなく、経営にとってプラスになるアイディアを出して欲しいし、様々な協力をして欲しいと思っているでしょう。

 労働組合は労働者の副業、転職、資格のサポートといった福祉業務に新たな方向性を探る時代

現代は階級社会ではないので、労働者の利益と会社の繁栄は同じライン上で考えることが出来ます。労働者が会社の利益のために、多くの知恵を出す、多くの汗を流す。それが自身の生活の安定に繋がっていきます。

日本には、産業別組合団体の全国組織があります。それなりのネットワークが構築されていると思います。それを企業や社会に対してキバを剥く組織として使うのではなく、会社や社会、さらには組合員の再就職、副業のためのネットワーク、文化交流のネットワークとして利用することを考える時代です

読んでいただき、ありがとうございました。

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