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台湾海峡、波高し ―― 原因はミリタリー・バランスの崩れ / 中国の独裁色は今後さらに強まる

女性

「4日間にわたって台湾に対する中国の軍事演習が行われましたね」

「演習は防衛的な演習と攻撃的な演習があると思いますが、今回は完全に後者ですね。台湾の周囲を取り囲むように軍艦を配置しましたからね」

女性

「弾道ミサイルも撃ってますよね」

「演習と言うと本当の戦闘とは違うので大丈夫と思うかもしれませんが、例えて言えば一種の恫喝のようなものです。ミサイルはナイフを目の前で振り回すようなものです」

女性

「完全ないやがらせですが、アメリカのペロシ議長が台湾に訪問しただけなのに、どうしてここまで過剰に反応するのですか?」

「中国は事前に習近平主席がバイデン大統領に彼女の訪問を認めないと電話会談で伝えている。それを無視するような形での訪問ということで、メンツが潰されたと思っているのが大きいと思います」

女性

「そんなことで軍事演習になるのですか?」

「そして、それを口実にして、将来を見越して今のうちに軍事演習をしておくかということだと思います。サイバー攻撃もあったようです。台湾の公共機関に対するサイバー攻撃が過去最多の時より23倍多かったとのことです」

女性

「陸上演習はしないものの、海上とサイバー空間、さらにはミサイルと様々なものを動員したということですね」

「あなたが言った陸上演習ですが、今回の大演習を見てアメリカの退役陸軍大将が従来の上陸作戦から台湾封鎖作戦に戦略を変えたのではないかと言っています」

女性

「どうして、そのような戦略変更をしたのですか?」

「ロシアのウクライナ侵攻の状況を見て、上陸作戦で必ずしも上手くいくとは限らないと思ったようです」

女性

「ロシア側の損害もかなりのものだと言われていますものね」

「失敗は許されないので、周りを取り囲んで兵糧攻めのようなことを考えているのではないかと思います」

女性

「そうなると、長期戦になりますね。ここからが本論です ↓ なお、表紙の写真はJBpressの提供です。」

 台湾海峡、波高し――原因はミリタリー・バランスの崩れ

最大の原因は、この地域のミリタリー・バランスが崩れたことによります。中国はこの20年で軍事力を30倍に増やしてきました。日本はこの20年間、世界はお花畑だと思い込み、防衛費のパーセンテージを上げることも、憲法を改正して自衛隊を認知することさえもしてこなかったのです。

国防の多くをアメリカに頼ってきたのが現実です。ただ、そのアメリカとの集団安全保障すら、いまだに反対する政党があるというのが現実です。ミリタリー・バランスが崩れ始め、しかも中国は「一帯一路」ということで世界制覇を狙っていることを鮮明にしています。

1996年の台湾海峡危機がありましたが、その時は台湾初の総統選挙に際して台湾近海にミサイルを撃ち込んだのです。民主化の動きを牽制したいということだったのですが、当時は米国が空母を派遣し力を誇示したため、それ以上危機は進行しませんでした。しかし、この20年間で力と自信を蓄えた中国です。バランスが崩れた中での危機です。かつてのようにはいかないのではと思っています。下の棒グラフは日本の自衛隊との戦力比が分かるようになっています。1995年に差が大きく開き、2010年に差を縮めたのですが、ここ最近は再び差が大きくなっています。

ついでにGDP(国内総生産)の数値を言いますと、約30年前の1990年頃は、日本のGDPは中国の約6.5倍もあったのですそこから約20年であっという間に追い越され、今では中国の軍事力に怯えるような状態になったのです。

(「JBpress」)

 

 独裁色はますます強まる見通し

台湾周辺海域に配置した軍隊ですが、ある程度の目的を達したと判断すれば、どこかのタイミングで引くことにはなると思います。習近平主席にとって、これから2つの重要な会議が待っているからです

1つは、北戴河(ほくたいが)会議です。これは毎年夏になると、渤海湾に面した北戴河に現役指導部とOBが集まり、人事や政策について話し合われます。中国は長老政治を認めている国なのですが、今年特に注目を集めているのが習主席の3期目があるのか、ないのかということです。北戴河会議は全くの非公開の秘密会議なので分かりませんが、そこで人事や政策の基本方針が秋の共産党大会の議案として提案されることになります。

中国共産党は主席の定年制(68才)を採用しており、その規定によれば3期目はあり得ないのです。例外規定ということで3期目を目指すためには、北戴河会議で長老たちの了解を取り付ける必要があります。それを乗り切った後は、秋の共産党大会が待っています。共産党大会が開かれた時点で、続投するかどうかが分かる仕組みになっています。

今の時点での見通しは、習近平主席の3期目は大いにあり得るだろうというものです。そして、もしかしたら、永年主席の座に就くかもしれないということが言われています。ただ、そうなれば、中国は独裁色、強権色をますます強め、周辺国への侵略性を高めてくることになるでしょう。

(「Twitter」)

 包囲作戦を取られたらどうするのか

中国がキバを剥いて、そのキバを一段と強力にし、磨き上げようとしているのですが、それに対する日本の反応が物凄く悪いのです。

「武力に頼らずに国防が実現される保証はなく……政策の手段として武力の必要性を排除することは考えられない」(李登輝『新・台湾の主張』)と、日本の空想的平和主義に対して警告を発していたのです。

独裁色が強まれば、軍事大国の流れはますます加速化します。この調子でいくと2040年にアメリカの軍事力を凌駕するのではないかと言われています。2049年が中華人民共和国の建国100年にあたり、それまでに習主席は「中華民族は世界の諸民族の中に聳(そび)え立つ」と言っています

中国の拡張政策の影響は、台湾、尖閣、沖縄、日本本土に及ぶことになります。最初のターゲットは台湾でしょう。今回の演習を見ていると、台湾包囲作戦を行う可能性があります。周辺を中国軍が包囲をして、「兵糧攻め」を仕掛けたらどのように対応するつもりでしょうか。

台湾が陥落すれば、尖閣、沖縄、日本本土に攻撃の手が伸びてきます連鎖は続くことになります。だから安倍元首相は「台湾有事は、日本有事」と言ったのです。


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