(この記事は2/6日に書きました)
時が経つのは早いわ
どうしたの、急に
つい先日の3日に、節分の豆まきをしたのね。私が鬼役で「悪い子はどこだー」と言ってベランダから部屋に入ったのね。昨年は2歳だった下の子がギャンギャン泣いたんだけど、今年はニコニコしながらお兄ちゃんと「鬼は外」と言っていたのを今思い出しちゃったの
時は移りて過ぎゆくもの、それと伴に子供はあっという間に大人になっていく
どうしたの、急に、詩人になって
人間は誰もが年老いていくので、時と共にどう変わるかは、およそ予測がつきます。社会に関する予測は、可能でしょうか、どう思いますか?
予想ではなく、予測ですよね。予測なので、ある程度確実性がなければダメですよね。
そうですね、だから経済予測という言葉はありますが、政治予測とは言いません。
政治の世界は予測不可能ということですか。
政界は一寸先は闇、と言いますからね。
ちょっと先は、グレーゾーンということですね。
意味的に少し違うと思いますけれど、社会がどう動くかを判断する時は、経済分野がどう動くかをまず最初に分析すべし、ということだと思います。そのことをマルクスは、下部構造、上部構造という言葉を使って、下部構造の経済状況が法や制度、文化といった上部構造に影響を与えると言っています。
だから逆に、経済分野に大きな変化がなければ、価値観の変化もなく、比較的安定的に社会は推移するということですね。
そういう時は無理に改革する必要はないし、へんな理屈をつけて仮に行ったとしても失敗するだけです。スポーツと同じです。守る時は守りに徹して、攻撃の時はタイミングが大事です。どちらにするかの判断を間違えると、良い結果は出ません。そして、判断する時は、「鷹の目」の視点、つまり全体を俯瞰して判断します。そうしないと、サッカーで例えると、シュートなのかパスなのか、パスならばどこにパスをするのかが分かりません。
経済の動きの変化も、「鷹の目」の視点から分かるのですか?
「鷹の目」の視点から大きな変化を掴んで、その原因把握には「蟻の目」が必要です。土砂崩れが起こるかどうか、遠目で見ていても分かりません。小石が落ちてきたり、濁った水が流れてきたりという前触れを掴むことです。
鷹の目、蟻の目についての詳しい解説はこちら!
経済的な動きは、今後どうなっていくでしょうか。
AI時代という言葉をよく聞くようになったと思いますが、様々な分野にAIが使われるようになるでしょう。それに伴って、競争はさらに激しくなると思います。
素朴な疑問なんですけど、競争をしないで、のんびり平穏に暮らすことができれば、それで良いので、資本主義競争に参加しないという考えはダメですか?
資本主義社会は自由競争がベースになっていますので、それに参加しないということは、滅びの道にいくことになります。現在の1000兆円を超える財政赤字が、一気に国の借金に「変身」して、足を引っ張り始めます。
「一気に国の借金に変身」の意味が分かりません。
実は、財政赤字をどう見るのかというのは、争いがあるところです。私は、経済発展している限りは気にしなくて大丈夫と考えています。例えば、トヨタの負債(借金)は約30兆円ありますが、普通に企業活動をしています。逆に、日本国内で1000万円以下の負債で倒産する企業は年間500社位あります。経済発展している限り借金は財産ですが、停滞した時から借金が純粋の借金になり、返さなければいけないお金になるということです。
安倍内閣は財政再建と言って消費税を10%にしましたよね。
あれは政策的に間違っていると思っています。トヨタで例えると、負債の30兆円の一部を返すために車両価格を値上げするようなものです。売れなくなり、競争力が低下します。
大きな流れを見ないで、小さな流れだけを見て判断すると、間違いが起きるということです。
世界を舞台にして国家間、そして企業間の競争が、今後激しさを増すことが予想されますが、競争力をつけないと、日本企業は次々と呑み込まれてしまいます。
データを出しますと、世界の大企業の上位5社は、マイクロソフト、アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブックのIT 5社です。5社はすべてアメリカ企業ですが、ちなみに上位2社は、総額資産は1兆ドル(約110兆円)を超えます。日本の国家予算がおよそ100兆円ですので、いかに巨大かが分かると思いますが、この30年で急速に市場が形成されています。
世界の時価総額 ランキング上位50社の国別会社数
1989年 2019年
日本 32社 1社
米国 15社 30社
英国 3社 2社
フランス 0社 1社
中国 0社 10社
1989年と2019年の企業ランキングの表です。
日本企業の凋落ぶりが分かると思います。この原因の第一は、公教育の事実上の破綻と人材育成の失敗です。アメリカの教育は地方分権で、地方の実情に合わせて柔軟に行われていますが、日本は文科省による中央集権的画一教育です。
しかも、その教育内容が多分に反日的です。その思慮のなさは「ゆとり教育」の失敗、先般の大学共通テストの記述式導入の失敗を見れば明らかです。教員免許を保持していない素人の行政官が考えても上手くいかないと思います。実際に、不登校、いじめ、ハレンチ教員、年々増加しています。地方に権限を委譲することを提案します。
人材育成については、「日経」が
「革新的な技術やビジネスモデルを生み出せる人材の育成に本気で取り組む必要がある」(2020.1.8日付)
と指摘しています。ただ、これは公教育の問題でもあります。
第二は、形式平等主義に基づく終身雇用制度です。「年功序列や終身雇用は、経済が右肩上がりで伸び、長い目で人を育てればよかったときのシステム」 (「日経」2020.1.22日付)なので、経済のソフト化が一段と進んだ現代には、そぐわないシステムです。能力給の早期の導入をはからないと、優秀な人材は海外に逃げてしまうことになります。ただ、「NECは優秀な研究者には新入社員でも年収1千万以上支払う制度を導入する」 (「日経」2019.7.10日付)と言っています。こういった動きが今後は続くと思います。
第三は、時代を先取りする情報産業育成の戦略がなかったことです。政府、国会議員はいがみ合っていないで、協力して知恵を出し合って、戦略提案をして欲しいと思います。
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