「最近は旧統一教会関連のニュースが多いですよね」
「今日、法案が衆議院で可決されたようですね。ただ、1970年代の半ば頃には問題視されていましたけどね」
「当時は合同結婚式で話題になったのでしょ」
「話題にはなりましたけど、批判的な論調は余りなかったように思います。実は、その頃、大学の構内で勧誘されて教会に通ったことがあるのです」
「えっ、そうなんですか! 」
「実は合宿の研修会にも参加したことがあります。確か、ワークショップと言っていたと思います。3daysワークショップ、7 daysワークショップなどがあったと思います」
「内容は覚えていますか?」
「6時に起床して清掃、体操などをして、とにかくテキストを使って講義、講義また講義という感じだったと思います。一番最初に讃美歌を歌うんですが、今でも歌えますよ。「慈しみ深き 主(おも)なるイエスは……♪」」
「殆ど洗脳されているじゃあないですか。どうやって抜け出たのですか?」
「彼らは大学内で「聖書研究所」というサークルを拠点に活動していたのですが、そこに出入りする所を私の友人が見ていて、「あそこにはいかない方が良い」と説得してくれたのです」
「すぐに説得に応じたのですか?」
「大学に入って半年位のころで知り合いもまだ少なく、ようやく良いサークルに巡り合えたと思っているから、尚更ですよね。説得されながらも、何回か教会に通ったのです。そうすると、変な張り紙があったのです」
「どういう張り紙ですか?」
「次の者、注意。スパイの可能性あり。というようなことが書いてある張り紙が教会の中にあったのです。普通、こういうものを張らないだろうと思って、質問したんです。その辺りから、向こうが私を警戒するようになってきたし、私も疑問に思い始めたことは確かです」
「とにかく、上手く縁が切れて良かったですね」
「ただ、まさかあの教会の活動がずっと続くとは思いませんでした」
「ここから本論です ↓ 表紙の写真はダイヤモンド・オンラインです 」
「洗脳」のやり方には共通した考え方あり
長い人生の中のどこかで、もしかしたら「洗脳」の場面に当事者として遭遇するかもしれません。洗脳については定番のメニューがあります。アプローチの仕方は違いますが、やり方には共通した考え方があります。極限状態に相手を追い込んで、思考力や抵抗力を無くした後、繰り返し、繰り返し、同じような内容のことを相手に聞かせたり、問いかけたりします。
ソ連によるシベリア抑留の際に「洗脳」の工作が行われたようです。残っている資料によりますと、まず強制労働をやらせて極限状態に追い込む。その一方で、日本人の中からグループ指導者を選び、その人をまず充分教育・洗脳し、その上で「日本新聞」という印刷物を発行して、その記事を通して洗脳工作が行われたというのです。
情報が全くない追い詰められた空間の中、相手方のプロパガンダが日本語によって吹き込まれていったのです。信じるしかないと思わせてしまうまで、繰り返し行われます。
(「RADWIMPS(cover)」)
「洗脳」を一番研究している――ロシア
「洗脳」を一番研究しているのは、多分ロシアではないでしょうか。その「伝統」はソ連時代から受け継いでいます。洗脳のために、時には注射や薬などの化学的な力によって短期間に思想改造をやってしまうということも研究していると思われます。それを恐れて海外に逃亡した者に対しては、毒薬がよく使われます。
ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(44)に対する神経剤ノビチョクによる襲撃や北朝鮮の金正男氏に対するマレーシア国際空港での暗殺事件(2017) は新聞でも大きく報道され有名です。洗脳や要人暗殺は独裁国家につきものの話です。
(「日本経済新聞」)
一つの閉鎖社会が作られた後、宗教的洗脳が行われた
旧統一教会に話を戻したいと思います。今日の「産経」(12/8日付)に宗教2世が情報発信の団体(「宗教2世問題ネットワーク」)を立ち上げたという記事が掲載されていました。
それを読むと、「全体の約9割の人が小学生の時点で入信、2/3が6~9歳で教団行事への参加を強要されたと回答し」、さらに「幼少期から社会との接点を持たないよう求められた」とのことです。旧統一教会では、この世を汚れた存在と捉えるからです。
何故、汚れているのかということについて彼らの論法によると、アダムとイブが楽園を追放されたのはイブがサタンと交わったから (旧約聖書の実際の話は、イブが蛇に誘惑されて禁断の木の実を食べてしまう)であり、その汚れた血が人類の血に流れていると説き、教会の教えに従わないと神の側に立つことは出来ないとします。
屁理屈を並べて、教団側に寄り添ってもらうことにより、一つの閉鎖社会を作ってしまいます。ここで、先程の洗脳の方程式を思いだして欲しいと思います。「閉じられ空間」+「無抵抗状態」+「継続性」によって洗脳が完成します。「閉じられ空間」を作るための屁理屈を旧約聖書から導き出します。「聖書」は世界で一番のベストセラーですと彼らは最初に言います。聖書の権威を巧みに使うのです。
小学生の頃であれば、親に反抗は出来ません。その「無抵抗状態」を利用して何回も教会の行事に参加させることによって、洗脳が行われていたのです。
そして、その洗脳が何故解けてしまうのか。それは、外部からの空気を吸うからです。私も外部の友人の説得がなければ、もしかしたらまだ教会に止まっていたかもしれません。ただ、長年外部の新鮮な空気を吸っていなかったため、心理的な問題を起こしている可能性が高いと思われます。だから、彼らは悩み、嘆いているのだと思います。
そういった彼らの悩みや嘆きを解決できるような法案になっているのかどうか、それが問題だと思います。
(「Twitter Serch/Twitter」)
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