「参りましたね」
「すいません。今回は1本取られました。為替介入はないと断言したのですが、前回のブログをアップした直後に為替介入がありました」
「自信満々に何もしない、と言い切っていましたからね」
「黒田総裁の会見が午後2時頃にあり、今までの低金利政策を続けていくと表情を変えずに説明したのを聞いて、そう思ったのですが、今から考えるとわざと無策だと思わせたのですね。言ってみれば、一種の誘導だったということです」
「誘導とは?」
「ドル買いへの誘導でしょう」
「どうして、そういう手の込んだことをする必要があったのですか?」
「投機筋の動きを止めたかったと思います。彼らがドル買いに激しく動くとレートも円安に振れてしまいます。多分、黒田総裁の会見を聞いた後、円売りドル買いを実行したと思います」
「大きく円安に動きましたものね」
「そのタイミングでの為替介入だったので、驚いた投機筋もあったと思います。150円になるような市場の流れが140円になりましたので、かなりの損失を抱えている投機筋があると思っています」
「あのを、投機筋という言葉をニュースでも使われたりするのですが、それは何ですか?」
「短期的な利益を求めて、売買を繰り返す機関投資家、つまり証券会社や信託業務を行っている法人などがこれにあたります」
「いわゆる為替のプロの人たちということですね」
「外国為替市場には様々な思惑で個人や法人が参入してきます。例えば、純粋に海外旅行に行くので円をドルに換える人もいれば、円ドルの金利差を見て資金を移動する人もいれば、ドル高を見込んで円でドルを買う人もいるのです」
「投機筋というのは、一番最後の考えで動いている人たちなんですね」
「そうですね。そこが動かしている資金量が大きいので、そこの動きを止めるのが一番効果があります。そのためには、逆モーションになると彼らに打撃を与えられますので、わざと策はないフリをして為替介入をしたのだと思います」
「介入した総額は言わなかったですね」
「手の内を明かすことになりますからね。こちらも資金が無限にある訳ではありません。ただ、介入も一時しのぎの効果しかないと思っています」
「ここからが本論です ↓表紙の写真は「毎日新聞」提供です」
円安が進行するのは必然的
為替介入で円安を止めるというのは、あくまでも一時的にしか出来ません。何故なのか。要するに、日本経済が数十年掛かって円高から脱却しようとした動きを進め、「円安体質」になった結果だからです。為替レートはそれを正直に数字として表れているに過ぎないのです。血圧を抑える薬を飲んで一時的に下げたとしても、体質そのものが変わらなければ、また血圧が高くなります。同じ理屈です。
かつては円高不況という言葉がありました。円高であれば、国内で製品を作っても海外の顧客は買ってくれません。当時は、加工貿易国だったので、円高は困ることだったのです。だから、こぞって日本企業は世界に生産拠点を求めたのです。現地で生産して、現地で売る。日本からの輸送費のコストも掛かりませんし、現地の安い労働力を使うこともできたのです。
日本の大企業の殆どは、そんなことから世界に多国籍企業としてデビューしていったのです。「国内産業の空洞化」という言葉が生まれたように、それは日本経済弱体化の始まりだったのです
(「SlidePlayer」)
国内回帰の時代
ここにきて、円安と経済安保、さらには少子化を食い止めるという3つの課題が浮上しています。それらの解決を考えると、海外に進出した企業は国内に回帰する時代に入ったと思います。そして、それは実際に、動き始めています。
「日経」(9/21日付)によると、世界的な空調メーカーのダイキン工業は、中国で生産された部品がなくてもエアコンを生産できる態勢(サプライチェーン)の構築に入ったとのことです。
もう時代はグローバル時代ではありません。冷戦が終わって、政治的国境も経済的国境を世界規模で追求する時代と思い、その動きがこの30年続いたのですが、ロシアのウクライナ侵攻で完全にストップしました。武力による現状変更国家と現状維持国家に分かれようとしています。前者の代表格がロシアですが、そのロシアも中国も日本の隣国であり、独裁国家です。指導者の鶴の一声で企業活動がストップさせられる危険性を常に背負っています。実際に、ゼロコロナ政策のため、中国では上海を始めとする各都市の封鎖があり、生産活動や市民活動がストップしました。
ただ、中国の場合は、台湾への軍事侵攻という可能性もあります。有事となれば欧米は制裁を課すでしょうし、日本もそれに合わせると思います。そうなると、その報復として中国国内の日本企業の接収という強硬手段に出てくることも考えられます。一夜にして、すべての資本がなくなるという悪夢です。敗戦時にありました。一度あることは、二度ある。あってもおかしくない状況が近づいています。
(「日刊工業新聞」)
韓国からの資本撤退も視野に入れる時代
香港、中国、ロシアといった専制主義の地域や国家からの資本撤退を考えると同時に、韓国からの資本撤退も考える時代です。下の表は2019年に撤退した企業数ですが、合計すると173社あります。
韓国という国は、中華思想の影響を変に受けている国なので、多分半島の国とは恒久的に親善交流ができないだろうと思っています。日韓親善という言葉を掲げ、そういう運動をしている団体や個人もいますが、両地域の交流史を調べると無駄な努力だと思っています。
どういうことか。半島と日本との交流史を調べると、古代百済の時代以外は対等・親善に交流した時代がありません。その原因は何かと言えば、中華思想による日本に対する蔑視観です。
中華思想というのは、中国中心思想とも言うべき考え方ですが、中国から離れれば離れた国ほど卑しい国家であるという非科学的蔑視観ですが、現在の韓国もこれの影響を受けています。そして、民族のDNAの中に染みついてしまっているので、蔑視観は子から孫へと代々受け継がれていくでしょう。実際に今までそうだったからです。そういう国とは、遠く付き合うということでしょうし、サプライチェーンの問題もありますし、北朝鮮という不安材料もあります。
今は韓国の土地が高騰しています。資本を売却して、撤退するチャンスなのです。
(「IZAイザ」)
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