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「子どもの日」をどう報道したのか / 新聞報道を通して、「子ども中心主義」を考える――人口減対策の視点から

「すべてのものが、この世を写し出す鏡という話をしたいと思います」

女性

「私も鏡ということですか? 人間の鏡 (笑)」

「そういうことではなく、すべての因果関係がこの世のあらゆる現象の中に詰まっているということです」

女性

「ますます、意味が分からなくなりました」

「具体的に話をしましょう。そのために、今日は沖縄県の地方紙の『八重山日報』を持ってきました」

女性

「どうやって手に入れたのですか?」

「郵便で送ってもらっているのです」

女性

「ということは、新聞をとっているということですか?」

「応援を兼ねて読ませていただいています。その日の新聞は流石に読めませんが、1日か2日遅れで配達されます。それ程、苦になりませんので、皆様、是非、読んでみて下さい」

女性

「それを言うために、わざわざ出てきたのですか?」

「いえいえ、5月5日の紙面を見てもらうために持ってきたのです。ここを見て下さい」

女性

「あっ、鯉のぼりだ」

「東京ではめったに見られなくなってしまいましたが、ここに「各家庭でこいのぼり」とあるので、沖縄では普通にみられるシーンかもしれません」

女性

「5/5のブログで言っていた話ですね。社会の中心に子どもを、ということですね」

「我々は知らず知らずのうちに子どもたちを社会の片隅に追いやってしまいがちです。そのことを反省し、子供を社会の中心にもってきて考え直す日だと思うのですが、それにちなんだ紙面づくりを『八重山日報』はしています」

女性

「他の新聞はどうですか?」

「言うだけ無駄という感じです。一応、各社子供にちなんだ話題で社説を書いていますが、中心に戻すという感覚はありません」

女性

「新聞は公器と言うからには、まず紙面でそのことを体現する必要がありますよね」

「ここからが本論です ↓」

 国の中心軸が不安定になっている

国の中心軸がかなり不安定になっていますので、自分がどのポジションから見て判断をしているかが分かりにくい時代になっています。例えば、少子化の問題について、何が原因なのかということについて意見が交わされます。

簡単に言えば、子供が社会の中心から外されているからです。これが全ての原因です先進国の多くは出生率が下がっているので、中には先進国になれば出生率が下がるものだと勝手に思い込んでいるフシがありますが、決してそうではありません。

先進国になれば、出生率が下がる。そこには、何の必然性もありません。もう少し分析の視点を細かくする必要があります。

つまり、先進国ということは、ある程度経済が発展し、民主政治もそれなりに活発に行われているでしょう。そうなると、総じて社会の関心が政治や経済に向かい、社会全体が「大人目線」になります。家庭でも、そういった社会の動向に影響を受けることになり、一緒に公園で遊ぶとか絵本を一緒に読むということより、外国語の勉強や各種習い事に関心が向かいます。そうなると、お金が必要になってきますので、少なく産んで、産まれた子に多くのお金をかけようという発想になっていきます。

日本や韓国は完全にそうなっています。中国もそうなりつつあります。

(「オピニオンズ」)

 子供を社会の中心にするとはーー新聞づくりを例に説明

少子化を解消するには、これとは逆の発想、なくなったものを取り戻す作業をすれば良いのです。つまり、「子ども中心主義」を実践すれば良いだけです

ただ、「言うは易しで行うは難し」です。それでも、いろいろなアプローチの仕方があります。今回は、新聞の紙面ということを話題にしたいと思います。地方新聞、地域で発行されている新聞、広報などです。子どもたちが活躍している場面を紹介する、それは写真でも構いません、関心をもつていることを取り上げる、ということです。保育園だよりや小学校からのおたよりに、各種行事の様子を書いたものが写真と一緒に掲載されることがあります。あの発想です。

沖縄に良い手本がありますので、紹介します。沖縄県は日本で唯一人口の自然増がある県です。その秘密は子供を中心に据えた地域の伝統と文化にあると思います。それが自然に子どもを包み込む雰囲気を醸し出していると思います。そういうのが、人口の自然増につながっていると思いますそういったことに、地方紙が一役買っていますというか、そういう雰囲気がなければ子供の声を騒音と捉えられてしまい、そうなると若い夫婦は住むことはできません。子供の賑やかな声を微笑ましく受け止めてくれるような地域をつくっていく必要があるのです。子供を排除しようとすれば、人口は減ります。当たり前といわれそうですが、それを学校統廃合によって全国的に行ってきたのが日本です。統廃合の発想は、完全な大人、つまり行政側の都合です。子供の気持ちが汲み取られていません

『八重山日報』という地方紙があります。5月5日の紙面は、「子供の記事」を入れています。紹介します――「各家庭でこいのぼり」「きょう『子どもの日』」というタイトルで3面に鯉のぼりが空に舞う姿の写真と共に「端午の節句であるきょう5月5日は『子どもの日』。市内では、鯉のぼりを飾って子どもや孫のしあわせを願う家庭が多く見られた。石垣市新川の譜久盛福男(75)さんは『素直に健康に育ってほしい。これから孫が増えていく予定なので、毎年の楽しみになる」と笑顔を見せた。……』という記事が掲載されました。

そして、1面を使って「こどもの日児童福祉週間 5/5~11」ということで、知事、市長、町長からのメッセージの紹介、町役場や教育委員会、福祉協議会の名刺広告が掲載されていました。

『八重山日報』というのは全部で8ページからなる地方紙です。そのうちの約1.5ページを子ども関係の慶事のニュースに使っています。さらに、0.5ページを「子どもの数、40年連続減」の記事を掲載しています。新聞を読めば、今日は「子どもの日」ということに気が付くような紙面づくりになっています。中央紙には、そういった発想はありません。

(「八重山日報」)

 新聞社は記事を通して、日本を明るく、豊かな社会にしたい、といった理想なり理念を持つべき

NIE(Newspaper in Education)ということで、学校などで新聞を教材として活用することを活動として広げようとしている動きがあります1930年代にアメリカで始まり、日本では1985年、静岡で開かれた新聞大会で提唱されました。新聞を読めというからには、時には子供たちに寄り添う記事を載せる必要があるのですが、そういう記事は殆ど見られません。

それから、新聞の記事を通して、日本を明るく、豊かな社会にしたい、といった理想なり理念を持つべきでしょう。だからマンガも載せて、子供にも読めるページを用意する、家族の中心に新聞がある、そんな紙面づくりが望まれると思いますが、そういう発想は見た限り、ほとんど皆無です。

そして、残念ながら、新聞社の中には、単に日本社会を混乱させるような意図のもと記事を書いているところもあります。

ただ、データを見る限り、日本の子供たちは新聞を読んでいる割合が世界で1、2位を争うレベルです。江戸の時代はかわら版として庶民に親しまれ、宅配というシステムの中で発展した新聞業界です。そういった土壌が大きく寄与しているということだと思いますが、次世代に向けての紙面づくりの努力が足りないように思えます。

改めるものを改めなければ、ペーパーレス時代の進展とともに消え去っていくことになるでしょう

(「店舗のミライを考えるメディア」)

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